Trademark Appeal Case
色彩表示の識別力と称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90574(T2006−90574/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4978424号商標(以下「本件商標」という。)は、「パープルフィニッシュ」の片仮名文字を書してなり、平成17年12月13日に登録出願され、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,耳帯,眼帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液」を指定商品として、同18年8月11日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2384486号商標(以下「引用商標」という。)は、「フィニッシュ」の片仮名文字を書してなり、平成元年6月9日に登録出願され、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、同4年2月28日に設定登録されたものである。そして、指定商品中の「化学品」については、商標権一部取消審判が確定し、同10年5月20日にその登録がされ、さらに、同14年4月10日に、その指定商品を、第1類「植物成長調整剤類」、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」及び第10類「氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓」とする書換登録がされたものである。
3 取消理由の要旨
商標権者に対し、意見書を提出する期間を指定して、平成19年2月23日付けで通知した商標登録の取消しの理由の要旨は、次のとおりである。
(1)本件商標中の「パープル」の文字について、申立人の提出に係る証拠及び申立ての全趣旨によれば、以下のように判断するのが相当である。
(ア)本件商標中の「パープル」の文字は、「紫色」を意味する外来語であって、色彩表示として日常普通に使用されているものである。
(イ)本件商標の指定商品を取り扱う業界においては、例えば、商品自体が「紫色」を呈している医薬品が、多数市販されている事実(甲第3号証ないし甲第23号証)がある。
(2)本件商標の「パープルフィニッシュ」は、その前半部分の「パープル」は、上記のとおり「紫色」を意味し、商品の品質(色彩)を表示するものとして使用されており、また、後半部分の「フィニッシュ」が、「おわり。最終。」を意味する外来語として知られていることから、本件商標が全体として特定の意味合いを何ら生じさせないことと相まって、本件商標に接した取引者・需要者が、本件商標中、前半部の「パープル」の文字は、単に「紫色」の商品であることを表示するにすぎないと、直ちに認識するものである。
したがって、本件商標中、自他商品識別力を有する部分は、後半部の「フィニッシュ」の文字部分にあり、これより生ずる「フィニッシュ」のみの称呼をもって商取引される場合があるものと認められる。
(3)引用商標は、その構成文字に相応して、「フィニッシュ」の称呼を生ずることは、明らかである。
(4)そうすると、本件商標と引用商標とは、「フィニッシュ」の称呼を共通にする類似の商標といわなければならない。そして、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品に含まれるものである。
(5)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。
4 商標権者の意見
(1)外観上の相違について
本件商標と引用商標とは、外観上明瞭に区別できるものである。
(2)称呼観念上の相違について
本件商標は、同じ書体、同じ大きさ、同じ色彩で、等間隔に一連一体的に表した構成よりなるものである。そして、たとえ、その前半部分の「パープル」の文字が、色彩(紫色)を表す品質表示語として用いられることがあるとしても、後半部分の「フィニッシュ」の文字とは外観上まとまりよく一体に構成されており、視覚的一体的に看取し得るものであり、「パープルフィニッシュ」の一連の称呼観念を生ずるとするのが相当である。また、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、「パープル」の文字からなる商標が登録されている事実、また、商標の一部に「パープル」の文字を有して登録されている例がある。
これらの事実を総合して判断すると、「パープル」の文字は、「紫色」をも意味する外来語ではあるが、これから直ちに「紫色」の商品であると認識するものではない。英和辞典でも、他の意味がある。
よって、本件商標と引用商標とは、称呼観念上においても相紛れるおそれのないものである。
(3)以上のとおり、本件商標は、引用商標と非類似の商標であり、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
5 当審の判断
(1)本件商標と引用商標とは、前記3の取消理由の要旨で認定したとおり、称呼において相紛らわしい互いに類似する商標であって、かつ、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品に含まれるものである。
(2)商標権者は、前記4のとおり、意見書において、本件商標は外観上まとまりよく一体に構成されており、「パープルフィニッシュ」の一連の称呼観念を生ずるとするのが相当である、また、「パープル」の文字はこれから直ちに「紫色」の商品であると認識するものではない旨、意見を述べているが、「パープル」(紫色)の文字が、本件商標の指定商品の分野において商品の品質(色彩)等を表示する語として普通に使用されていることは、取消理由通知において述べたとおりであるから、申立人の主張は採用できない。
さらに、他の登録例を引用して、意見を述べているが、本件とは事案を異にするものであり、本件商標については上記のとおり判断するのが相当であるから、申立人の主張は、採用できない。
(3)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものと認められるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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