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Trademark Appeal Case

GE著名商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90277(T2006−90277/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4936251号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4936251号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、平成17年5月17日に登録出願、第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同18年1月25日に登録査定、同年3月10日に設定登録されたものである。

2 録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第15号及び同第19号に該当するから、その登録は取り消されるべきであると主張して、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第18号証(枝番号を含む)を提出している。

(1)申立人及び「GE」の著名性

(ア)申立人「ゼネラル・エレクトリック・カンパニー(General Electric Company)」は、1892年に誕生した会社であり、従業員は、現在、約30万人以上にのぼり、世界100か国以上で事業展開し、2004年には、1524億ドル(約15.7兆円)の総収入と166億ドル(約1.7兆円)の純利益のある世界を代表する企業となっている(甲第2号証)。

申立人の事業は、(a)照明器具、電気冷蔵庫、洗濯機、食器洗い機等の家電製品、配電機器、変圧器、発電機、原子力発電システム等、航空機エンジン等の製造・販売、(b)自動車、コンピュータ、携帯電話、薬品等々の製造に使用されるプラスチックの製造・販売等、(c)医療機器、病院の情報管理システムの製造・販売、(d)ローン等のファイナンスサービス、(e)リース等サービス業務等、業務を幅広く展開し多角化を図っている。

また、わが国においても、上述の分野において事業展開を行い、社員数も8,000人を超え、たとえば、日本ゼネラル・エレクトリック(株)、日本GEプラスチック(株)などの会社が設立されている。

(イ)「GE」の著名性

申立人は、その商号の頭文字をとって、「GE(ジーイー)」と称しており、このGEを商号に含む多数の子会社・関連会社が存在する。

また、わが国の各種辞典類においても、「GE(ジーイー)」といえば、申立人の略称として紹介されており、たとえば、わが国を代表する国語辞典である広辞苑においても、「ジーイー(GE)」として「アメリカの総合電機メーカー・もと世界最大・・」と解説している(甲第5号証の5)。

さらに、各種新聞・雑誌等においても、申立人を「GE」ないし「GE社」として紹介・報道している。

甲第6号証から甲第17号証は、本件商標の出願日(平成17年5月26日)から約1年前の2004年5月1日から2005年4月までに発行された、日刊工業新聞、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞、週間エコノミスト、週刊東洋経済などの記事であり、申立人が「GE」ないし「GE社」として大きく紹介・報道されている。

以上のように、「GE(ジーイー)」といえば、申立人の略称として、著名なものとなっていることは明らかである。

(2)商標法第4条第1項第7号

本件商標の語頭の「G&E」の文字は、「GE」と極めて近似し、直ちにこれを連想・想起させるものであり、かつ、この「GE」の文字は、世界を代表する著名企業である申立人の著名な略称である。

また、本件商標権者は、本件商標の採択に際して、申立人の何らの承諾を得ているものではなく、したがって、本件商標権者が、本件商標を使用・登録する行為は、「GE」のもつ世界的な顧客吸引力を不当に利用する行為であって、正当な商慣習に反し、かつ、国際信義に反する行為でもある。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第8号

本件商標は、申立人の著名な略称「GE」に極めて近似し、これを直ちに連想・想起させる「G&E」(ジーアンドイー)の文字をその語頭に顕著に含むものであり、かつ、その商標の採択・使用において、申立人の何らの承諾を得ているものではない。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。

(4)商標法第4条第1項第10号及び同第15号

本件商標は、上述のとおり、その語頭に「GE」に極めて近似し、これを直ちに連想・想起させる「G&E」(ジーアンドイー)の文字を含むものである。

また、その指定役務には、「知識の教授(第41類)」や「経営の診断(第35類)」等々の役務を含むものであるが、甲第4号証に示すとおり、申立人は、GE社の優れた経営手法を教授してもらいたいとの要請を受けて、その経営方法等について指導、教授している。

したがって、本件商標は、申立人の著名な商標と類似し、同一又は類似する役務に使用されるものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。

さらに、この「G&E」の文字を顕著に含む本件商標が、本件商標の指定役務に使用されるならば、あたかも、申立人ないし関連企業の提供に係る役務であるかの如く、役務の出所について誤認・混同が生ずることは明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当する。

(5)商標法第4条第1項第19号

本件商標は、その語頭に「GE」に極めて近似し、これを直ちに連想・想起させる「G&E」(ジーアンドイー)の文字を含むものである。

したがって、本件商標権者が、本件商標を使用・登録する行為は、「GE」のもつ世界的な顧客吸引力を不当に利用する(不正目的)行為であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

3 当審の判断

申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第15号及び同第19号に該当する旨主張しているので、以下、これらについて判断する。

(1)商標法第4条第1項第7号について

本件商標は、別掲に表示したとおり、「G&E BUSINESS SCHOOL」の欧文字を上段に横書きし、下段に「ジーアンドイービジネススクール」の片仮名文字を横書きしてなるものであるところ、該構成文字がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるようなものでないことは明らかである。

また、後述するように、本件商標の「G&E」及び「ジーアンドイー」の文字部分は、申立人が著名な略称と主張する「GE」の文字と類似するともいえないから、本件商標をその指定役務に使用することが社会公共の利益に反し、または国際信義に反するものともいえないものである。

さらに、「G&E」及び「ジーアンドイー」の文字部分が他の法律によって使用が禁止されているものとも認められない。

してみれば、本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当するものということはできない。

(2)商標法第4条第1項第8号について

申立人は、申立人の略称である「GE」が著名であり、かつ、本件商標の語頭部分の「G&E」とは近似し、加えて、本件商標を登録するについて申立人の承諾を得ていない旨主張している。

ところで、商標法第4条第1項第8号は、「他人の氏名若しくは名称・・・・(略)・・これらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)」は、商標登録を受けることができない旨規定している。

そこで、本件商標が申立人の著名な略称を含む商標であるか否かについて検討するに、本件商標の語頭部分は、「G&E」、「ジーアンドイー」の各文字からなるものであり、申立人が著名な略称であると主張する「GE」、「ジーイー」の文字とは、その構成態様を異にすることは明らかである。

してみれば、本件商標は、申立人の著名な略称を含む商標とはいえないし、また、著名な略称を含む商標とは認識し得ないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものではない。

(3)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、別掲に示したとおり、「G&E BUSINESS SCHOOL」と「ジーアンドイービジネススクール」の各文字からなるものである。

しかして、本件商標全体から生ずる称呼はやや長いこと、及びこれを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の理由もないから、その構成中、前半部の「G&E」、「ジーアンドイー」の文字部分を捉え、これより「ジーアンドイー」の称呼をもって取引に資せられる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。

他方、申立人が著名であると主張する「GE」の文字からは、「ジーイー」の称呼を生ずるものである。

そこで、本件商標から生ずる「ジーアンドイー」と引用商標から生ずる「ジーイー」の各称呼を比較するに、両者は、中間において「アンド」の音の有無の差異を有し、十分聴別し得るものである。

また、両者の構成前記のとおりであるから、外観上も区別し得るものであるし、さらに、本件商標からは特定の観念は生じないから比較すべくもないものである。

その他、本件商標と引用商標とが類似するとすべき理由も見い出せない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似しないものであるから、両者の役務の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。

(4)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、本件商標をその指定役務に使用するときは、申立人または同人の関連企業の役務であるかのごとく出所の誤認・混同を生ずる旨主張している。

しかしながら、本件商標中の語頭部分の「G&E」、「ジーアンドイー」の文字部分は、申立人が著名であると主張する「GE」、「ジーイー」とは、別異の商標と認識されるものである。

また、申立人の使用に係る商標「GE」は、主として「照明器具、家電製品、重電機」等において著名であるとの主張は否定し得ないとしても、本件商標の指定役務は、第35類に属する「広告、経営の診断または経営に関する助言、市場調査等」及び第41類に属する「技芸・スポーツ又は知識の教授、経営者・事業者・管理者・一般従業員に対する研修、教育」等であり、申立人の業務に係る商品等との関連性は極めて薄いものと言わざるを得ない。

してみれば、本件商標をその指定役務に使用しても、これが申立人または申立人の関連企業に係る役務であるかのごとく、役務の出所について誤認、混同を生ずるおそれはないものというべきであり、よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するということもできない。

(5)商標法第4条第1項第19号について

前記(3)に示したとおり、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似しないものであるから、本号の他の要件について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第19号にも該当しない。

(6)結語

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第15号及び同第19号のいずれにも該当しないから、同法第43条の2第4項にもとづき、本件商標の登録は維持するものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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