Trademark Appeal Case
ハイフン商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−12911(T2005−12911/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Enabler」の欧文字を標準文字により表してなり、第9類「金銭登録機,現金自動預金支払機,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子計算機,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,家庭用テレビゲームおもちゃ,家庭用テレビゲームおもちゃ用のプログラム,家庭用テレビゲームおもちゃ用ゲームプログラム,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,ダウンロード可能な音楽,録画済みビデオディスク及びビデオテープその他の録画済み記録媒体,ダウンロード可能な画像,電子出版物(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるものを含む。)」を指定商品として、平成16年7月5日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4580457号商標は、「i−enabler」の欧文字を標準文字により表してなり、平成13年6月4日登録出願、第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・CD−ROMその他の記録媒体」を指定商品として同14年6月28日に設定登録されたものである。
同じく、登録第4763710号商標は、「e−enabler」の欧文字を標準文字により表してなり、平成15年8月19日登録出願、第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・CD−ROMその他の記録媒体」を指定商品として同16年4月16日に設定登録されたものである。
同じく、登録第4788545号商標は、「V−enabler」の欧文字を標準文字により表してなり、平成15年3月5日登録出願、第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・CD−ROMその他の記録媒体」を指定商品として同16年7月23日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という。
3 当審の判断
本願商標は、前記1に示すとおり「Enabler」の文字を書してなるところ、その構成文字に相応して「エナブラー」の称呼を生じ、親しまれた既成の観念を有しない一種の造語として認識し、把握されるものというのが相当である。
これに対し、引用商標は、それぞれ「i−enabler」、「e−enabler」及び「V−enabler」の欧文字が、「i」及び「enabler」、「e」及び「enabler」、「V」及び「enabler」という二つの欧文字をハイフンで結合した結合商標であることは明らかであるから、視覚上、引用商標がハイフンの前後で「i」と「enabler」、「e」と「enabler」及び「V」と「enabler」に分離して看取されることは、構成自体より明らかというべきである。
そして、ハイフンは、言語表記の補助符号として使用され、英文などで完全な複合語をなすには至らない2語の連結、1語が行末までに収まりきれず2行にまたがる時の繋ぎ、又は、1語内の要素の区切りを示すのに使われるものであることは、よく知られている事実というべきである。
また、引用商標を構成する「i−enabler」、「e−enabler」及び「V−enabler」の欧文字が一体のものとして、どのような意味内容を有する語であるか、一般の取引者・需要者に知らされているものと認めるに足りる証左もなく、他にも、上記欧文字が全体としてみて一体不可分のものとしてのみ理解されると、認めさせる証左も見出すことができない。
そうすると、引用商標に接する一般の取引者、需要者は、これを分離して把握し、認識し、称呼することが十分にあり得るものであって、引用商標からは、全体として「i−enabler」、「e−enabler」及び「V−enabler」の文字部分に相応する称呼が生ずるとともに、「enabler」の文字部分に相応する称呼をも生じ得るものと認められる。
したがって、引用商標は、全体としてそれぞれ「アイエナブラー」、「イーエナブラー」及び「ブイエナブラー」の称呼が生ずるほかに、単に「エナブラー」の称呼をも生じ、親しまれた既成の観念を有しない一種の造語として認識し、把握されるものと判断するのが相当である。
また、本願商標は、「Enabler」の文字をもって取引にあたる場合もあると認められること上述したとおりであり、引用商標も「enabler」の文字をもって取引に資されるものといえるから、取引者・需要者が時と処を異にしてこれらに接する場合には、当該構成文字が「E」の大文字と「e」の小文字の違いはあるとしても、外観上近似した印象、連想等を生じさせるおそれがあることも否定できない。
なお、請求人は登録例を挙げ本願商標の登録的確性を主張している。
しかしながら、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かは、過去の審決例等の判断に拘束されることなく、本件の事案に即して当該出願に係る商標と特定の他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであるから、「欧文字1字−○○○」の構成からなる商標が登録されているからといって、このことから、本願商標が引用商標に類似しないということはできない。
本願商標は、上記のとおり、引用商標と類似するものであって、このことは、「欧文字1字−○○○」の構成からなる商標が登録されていることによって左右されるものではないから、請求人の上記の主張は採用することができない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念においては比較することができないが、「エナブラー」の称呼を共通にし、外観上もある程度近似した印象を与えるものであって、全体として類似する商標というべきであり、かつ、その指定商品も同一又は類似するものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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