Trademark Appeal Case
ナノとC+Eの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−17354(T2004−17354/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「NANO C+E」と「ナノシープラスイー」の文字を二段に併記してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、平成15年3月27日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、「NANO C+E」の文字と「ナノシープラスイー」の文字とを二段に書してなるところ、前半の「NANO」「ナノ」の文字部分は、「10億分の1」を意味する接頭語で、近時、超微粒子を表すものとして一般に使用されているものであり、後半の「C+E」「シープラスイー」の文字部分は、例えば、インターネット等の情報によれば、美白及び肌荒れ防止を目的とする化粧品等にはビタミンC+Eを配合した商品が有効である旨の記載がなされていること等から、「ビタミンCとE」を表すものであることが容易に推認できるものであり、全体として「ビタミンCとEが配合されたきめ細かな商品」であることを容易に看取させるものである。そうとすれば、本願商標をその指定商品中のビタミンCとEとが配合された商品、例えば、「ビタミンCとEが配合されたきめ細かな化粧品・せっけん」等に使用するときは、単に商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、次の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づく通知を行った。
1 化粧品の分野において、「ナノ」の語が「ナノレベルの超微細技術(を用いて作られる化粧品)」の意味合いで使用されている事実について
(1)「ホソカワミクロン、ナノ化粧品を発売――肌にハリ・保湿。」の見出しのもと、「ホソカワミクロン(大阪府枚方市、細川益男社長)は、配合成分をナノ(ナノは十億分の一)レベルに細かくした化粧品を発売した。皮膚の中にビタミン類が浸透し、肌にハリを持たせ、保湿効果があるという。」との記事(2005.01.01, 日経産業新聞, 17頁)。
(2)「【開拓者】パウダーグリーン社長・保戸塚美枝子さん ナノテクが生み出す美肌」の見出しのもと、「何とか立て直したいと思っていたときに出合ったのが、十億分の一メートルの極微粒子を扱う最先端技術「ナノテクノロジー」です。従来の化粧品は肌の上から浸透して、炎症や乾燥などトラブルを抑えるものが一般的でした。ナノ粒子を活用すれば肌の奥まで成分を浸透させることができます。そこで、ナノ技術を持つ企業と技術協力を結び、ナノ化粧品発売にこぎ着けました。」との記事(2006.04.17 産経新聞東京朝刊 8頁)。
(3)「ナノ化粧品:「超微粒子」で透明感 安全性は?−−122社使用、業界団体が検証へ」の見出しのもと、「超微粒子を売りにしたファンデーションなどの「ナノ化粧品」について、日本化粧品工業連合会(粧工連)は、独自試験などでその安全性を検証していくことを決めた。・・・ナノサイズの物質を扱うナノテクは、次世代を担う新技術として期待されている。化粧品分野ではナノテクを生かした超微粒子を含む製品が80年代後半から登場した。同じ成分でも、粒子がより細かい方が、透明感の高いファンデーションや紫外線予防効果の高い日焼け止めができるという。」との記事(2005.09.20 毎日新聞東京夕刊 1頁)。
(4)「【東京発】美容業界“ナノ化粧品”花盛り」の見出しのもと、「一メートルの十億分の一、肉眼では見ることのできない小さな世界の単位「ナノ」が、化粧品や美顔器のキーワードとなっている。ナノテクノロジー(超微細技術)の研究が進む化粧品業界では、超微粒子が持つ浸透力やキメ細かさを美肌づくりに生かした“ナノ化粧品”が花盛り。一方、「ナノ粒子のスチームが角質層の奥までグングン浸透」などとうたう美顔器が大ヒットを飛ばしている。ソニープラザ銀座店が「ナノ」とつく化粧品を扱い始めたのは六年前。現在は三百種に増えている。「浸透の良いナノ粒子のミスト化粧水は、エアコンによる乾燥肌対策として、昨夏OLの間で大ブレーク。ナノ粒子のファンデーションは毛穴も隠せると好評です」と広報担当。カネボウ化粧品では「ここ数年で販売促進用語として『ナノ』の認知が広まった」と指摘。同社は平成十五年から日焼け止め「アリィー」の広告に、ハスの葉の水はじき効果をナノテクで再現した「超微粒子ナノバリアパウダー」の文字を入れたところ、対前年比売り上げ43%増を記録。」との記事(2005.05.21 産経新聞大阪朝刊 23頁)。
(5)「【近ごろ都に流行るもの】ナノテクノロジー 超微粒子、女心に浸透中」の見出しのもと、「■化粧品や美顔器ヒット 商品名やコピーで前面に 一メートルの十億分の一、肉眼では見ることのできない小さな世界の単位「ナノ」が、化粧品や美顔器のキーワードとなっている。ナノテクノロジー(超微細技術)の研究が進む化粧品業界では、超微粒子が持つ浸透力やキメ細かさを美肌づくりに生かした“ナノ化粧品”が花盛り。一方、「ナノ粒子のスチームが角質層の奥までグングン浸透...」などとうたう美顔器が、口コミの威力で大ヒットを飛ばしている。・・・カネボウ化粧品では「ナノテクに踏み込んだ化粧品開発自体は新しいことではないが、ここ数年で販売促進用語として『ナノ』の認知が一気に広まった」と指摘。同社は平成十五年から日焼け止め「アリィー」の広告に、ハスの葉の水はじき効果をナノテクで再現した「超微粒子ナノバリアパウダー」の文字を入れたところ、いきなり対前年比売り上げ43%増を記録。今シーズンも前年同期比88%増と絶好調だ。・・・これらに表記された「ナノ」の意味合いは、最新のナノテク技術のアピールから、単なる『超微粒子』の表現までと、商品によりさまざまだ。そもそもナノテクノロジーとは何なのか。「粒子は小さくなるほど質量あたりの表面積が増え、物質の特性が変化する。ナノレベルにまで超微細化することで引き出される性能を生かしたものづくりを『ナノテクノロジー』と呼びます」とナノテクノロジービジネス推進協議会。「ナノテクが人体や社会に与える影響も検討課題です。ナノテクの安全面についての議論も始まっている」」との記事(2005.05.14 産経新聞東京朝刊 26頁)。
(6)「富士経済グループ」の「PRESS RELEASE」において、「ナノテクノロジー関連市場の調査を実施」の見出しのもと、「ナノ化粧品 2005年 160億円 2020年予測 240億円(平均成長率 2.7%) ナノ化粧品は、ナノ粒子、ナノエマルジョン(乳化)、ナノカプセルなどの微粉体技術により、UVカット、美白、アンチエイジングなどに効果があるとされる。微粉体技術は様々な製品への展開が比較的容易と見られる。化粧品メーカー各社は今後も新たな製品の市場投入を続けられる。ナノ化粧品は消費者に受けいられつつあり、市場拡大が見込まれる。」との記載(http://www.group.fuji-keizai.co.jp/press/pdf/060227_06011.pdf)。
(7)「Kinokuniya BookWeb」において、「アンチ・エイジングシリ−ズ 皮膚の抗老化最前線」の目次中に「3-1-4-2 製薬用薬物送達システム応用による美肌製品」に「1 ナノ化粧品の現状」の記載(http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=998111667X)。
(8)「「ナノ化粧品」とは?」の見出しのもと、「水の分子(クラスター)をナノ化(最小単位の細かい粒子)にすることによって皮膚への浸透力を最大限に高める化粧品のことです。」との記載(http://www.rara.haru.gs/new-5.htm)。
(9)「純選堂本舗」のウェブサイトにおいて、「純選堂では、ナノ化粧品からアミノ酸 コラーゲン使用の商品まで安全な商品をお届けします。・・・月見草 イブニングブリムローズ(話題のナノ化粧品)プリプリの赤ちゃん肌を育む、羊水と同じ水のナノ化粧品。・・・お肌の表面ではなく、内側からのケアを考え、セラミド・月見草はじめとする抗老化(アンチエイジング)成分を超微粒子化し、年齢を感じさせない、若々しい肌づくりを可能にします。」との記載(http://www.junsendo.co.jp/)。
2 「C+E」及び「ビタミンC+E」の文字が、化粧品、せっけん類及びこれらと関連性のある商品について、「ビタミンCとビタミンEが配合された」の意で使用されている事実について
(1)「スキンシューティカルズ ・・・■乾燥肌・敏感肌の方へ ビタミンCとビタミンEのダブルの効果で抗酸化力を増加、紫外線から肌を守ります。 C+E 15ml 14,700円 30ml 26,250円 」との記載(http://www.akaikeskincare.com/cosme/003.htm)及び「スキンシューティカルス セラムC+E・・・セラムの中ではこれが一番良かった!抗酸化力のCとEということで期待しただけのことがあって、Cのみでは乾燥しやすい欠点がなくなってます。」との記載(http://plaza.rakuten.co.jp/bb444/8013)。
(2)「【オバジ(OBAGI)C-Rx】・・・ビタミンC、E,を配合、美白クリーム・・・ビタミンC+E配合の美白ナイトクリームです。 セラピー効果と抗酸化作用の相乗効果により、睡眠中にお肌に深く浸透して、シミ・そばかす・くすみを改善します。」との記載(http://www.kenbi.net/obagi_c-rx.htm)。
(3)「プランアール 天然ビタミンC+E・・・ビタミンCを10%以上も含み、さらにビタミンEをプラスしてさっぱりとした感触に仕上げました。」との記載(http://www.cerapure.co.jp/skin/PR5.html)。
(4)「2005.06.17 元気がでる からだの本(2005夏号)に掲載されました。「ビタミンC+Eで“新”美白ケア」の特集記事で紹介されました。ビタミン(C)+ビタミン(E)のUVケアアイテム トレジャー ユーブイディーエフ 皮脂の酸化を防ぐ天然ビタミンE、ビタミンC、肌荒れやニキビを防ぐといわれるグリチルリチンなどを配合した日焼け止め」との記載(http://www.treasure.jp/contents/new/index.html)。
(5)「<勝手にピックアップ>肌質に合わせ5種類」の見出しのもと、「肌に合わせて選べるフェイスソープ・シリーズ・・・これからの汗ばむ季節におすすめです。八種類の漢方植物を煮詰めた保湿成分で肌の潤いを守る「すべすべ」、コラーゲンなどを配合した「しっとり」、白色陶土などの力で毛穴をキュッと引き締める「さっぱり」、肌の酸化を制御しキメを整える「ビタミンC+E」、天然素材百パーセントの「無添加」はデリケートな肌にも安心です。」との記事(2004.06.25 北海道新聞朝刊地方 33頁)。
(6)「【ランキング】あぶらとりがみ 売れ筋(3月13日現在)」との見出しのもと、「(10)「ビタミンC+E あぶらとりフィルム」プリリ 399円」との記事(2004.03.20 FujiSankei Business i. 31頁)。
(7)「“女性を狙え” 花盛り健康・美容飲料」の見出しのもと、「日本食研は5月から、ジュース感覚のおいしいサプリメントドリンク「C‐DATE」三品を新発売する。肌が気になる人に「ビタミンC+E+B+コラーゲン」、ダイエットに関心がある人に「ビタミンC+ギムネマ+食物繊維」、いらだちたくない人、鉄分をとりたい人に「ビタミンC+Ca+Fe」(各一〇〇ミリリットル、一八〇円)とそれぞれの目的に応じて選べ、甘さ控えめの低カロリーで、すっきりとした微炭酸。」との記事(1997.04.11 日本食糧新聞)。
(8)「栄養素食品の販売訴求に変化 成長みせる「特殊卵」」の見出しのもと、「中心はビタミンC、同E、カロチン、カルシウム、さらに複合のC+Eや、C+Ca(カルシウム)など多様だ。全般に健康食品専門店は販促品を除き高い。」との記事(1995.04.07 日本食糧新聞)。
(9)「マーケット戦略情報 森下仁丹「ビタミンウィーク」ビタミン市場本格進出」の見出しのもと、「ビタミンに対する生活者の意識も健康志向の中で高まっていたが、かつては小売価格の高い商品が多かったわけだ。低価格戦略の中で、もう一つ売りの工夫をしたのが単品使用だけにとどまらないよう、肌の美容に「C+E」、活動派には「C+AM(マルチビタミン)」、妊娠・授乳中や牛乳嫌いの人に「C+Ca(カルシウム)」など抜け目なく組み合わせ購入を求めている。」(1995.03.01 日本食糧新聞)。
(10)「マンナンフーズ ビタミンC+E」の見出しのもと、「毎日の生活に欠かすことの出来ないビタミンCとビタミンE。ストレスや喫煙などの影響から、積極的に補給をしたいものです。本品は、1袋(2g)で1,000mgのビタミンCと15mgのビタミンEが美味しく手軽に摂ることができる顆粒スティックです。美容や健康維持にお役立てください。」との記載(http://supplement.belmo.com/item/4962609202291.html)。
3 化粧品関連の分野における「ビタミンC」及び「ビタミンE」の効果について
(1)「新化粧品学第2版」(2001年1月18日 株式会社南山堂発行)によれば、「ビタミンC類」の項目において、「ビタミンCはアスコルビン酸ともいい、薬用化粧品においてもっとも代表的なメラニン生成抑制剤であり、古くから使用されてきた。」及び「ビタミンE」の項目において、「脂肪酸エステル(アセテート)などで配合される。血行促進、抗酸化作用が知られている」との記載。
(2)「化粧品事典」(平成15年12月15日 丸善株式会社発行)によれば、「抗酸化剤」の項目において、「ビタミンCは、抗酸化剤として働いたビタミンEを再生するので、ビタミンEとビタミンCは相乗的な抗酸化作用を示すことが明らかになっている。」との記載。
(3)「化粧品と美容の用語事典」(2005年3月3日 有限会社あむすく発行)によれば、「ビタミンC」の項目において、「【化粧品で期待される効果】酸化防止、肌荒れの改善、しみ、そばかす、日焼けによる色素沈着防止。」及び「ビタミンE」の項目において、「【化粧品で期待される効果】ビタミンEは皮膚浸透性がよいので、化粧品などに配合して局所塗布すると非常に有効であることが認められている。」との記載。
第4 職権証拠調べに対する意見の要点
本願商標は、上段に一連に「NANO C+E」、下段に一連に「ナノシープラスイー」とまとまりよく書してあり、「NANO/ナノ」と「C+E/シープラスイー」部分に分離して観察すべき特段の理由は無く、「ナノシープラスイー」の称呼も格別冗長ではなく淀みなく一連に称呼し得るものである。
よって、本願商標からは「ナノシープラスイー」の称呼と観念のみ生じるものであり、それに接した需要者、取引者がそれを各構成文字に分離観察して意味を直感し、そこから「超微細技術を用いた商品であって、ビタミンCとビタミンEを配合したもの」なる意味を一義的に直感することはない。
第5 当審の判断
1 本願商標は、「NANO C+E」と「ナノシープラスイー」の文字を二段に併記してなるものである。
しかして、前記第3によれば、近時、「ナノテクノロジー(超微細技術)を用いた化粧品」が広く製造されており、これらの化粧品が「ナノ化粧品」と称されて販売されている事実を認めることができる(前記第3の1(1)ないし(9))。
そうとすれば、化粧品に関する分野における「ナノ」の語は、単に「10億分の1」の意味を表すものというよりは、「ナノテクノロジー(超微細技術)」の意味を表す語として理解されているというのが相当である。
また、化粧品に関する分野において、「メラニン生成抑制」の効果を有する「ビタミンC」と「抗酸化」の効果を有する「ビタミンE」とは、一緒に配合することにより、相乗効果を有するものであるとされ、現実にこれらを配合した化粧品をはじめ、化粧品に関連する商品が流通している実情にあり、かつ、「ビタミンC」と「ビタミンE」が配合されていることを「C+E」又は「ビタミンC+E」のように表わしていることは、前記第3の2(1)ないし(10)及び3(1)ないし(3)の事実から窺い知ることができる。
以上の事実を併せ考えれば、本願商標に接した取引者、需要者は、本願商標は、「ナノテクノロジー(超微細技術)を用いた商品であって、ビタミンCとビタミンEを配合したもの」程の意味を表すにすぎないものと理解するというべきである。
してみれば、請求人(出願人)がこれをその指定商品中、「ナノテクノロジー(超微細技術)を用いたものであって、ビタミンCとビタミンEを配合した化粧品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認識し、把握するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識しないというのが相当であって、かつ、前記商品以外の化粧品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
2 ところで、請求人(出願人)は、本願商標は、「NANO C+E」「ナノシープラスイー」とまとまりよく表されていて、これを「NANO」と「C+E」、「ナノ」と「シープラスイー」に分離して捉える理由も特段見いだせず、これより生ずる「ナノシープラスイー」の称呼も格別冗長というべきものでもないから、これに接する取引者、需要者が各構成文字に分離観察して意味を直感し、そこから「超微細技術を用いた商品であって、ビタミンCとビタミンEを配合したもの」なる意味を一義的に直感することはない旨主張している。
しかしながら、本願商標の構成中、上段に記載された「NANO」と「C+E」の間にスペースがあることからも、これが「NANO」と「C+E」の二つの部分から構成されると容易に理解されるものであり、また、たとえ、下段に「ナノシープラスイー」の片仮名文字が一連に書されているとしても、これは、単に、上段の読みを表したものと解されるというのが相当である。
そして、前記第3に示したとおり、化粧品に関する分野において、ナノテクノロジー(超微細技術)を利用した「ナノ化粧品」が広く流通しており、また、当該分野において、「メラニン生成抑制」の効果を有する「ビタミンC」と「抗酸化」の効果を有する「ビタミンE」とは、一緒に配合することにより、相乗効果を有するものであるとされ、現実にこれらを配合した化粧品が流通しており、かつ、「ビタミンC」と「ビタミンE」が配合されていることを「C+E」又は「ビタミンC+E」のように表わしているという実情において、かかる構成よりなる本願商標が付された化粧品に接する需要者等は、該商品が「ナノテクノロジー(超微細技術)を用いた商品であって、ビタミンCとビタミンEを配合したもの」であることを理解するにすぎないというのが相当である。
したがって、請求人(出願人)のかかる主張を採用することはできない。
3 以上よりすれば、請求人(出願人)が本願商標をその指定商品中、「ナノテクノロジー(超微細技術)を用いたものであって、ビタミンCとビタミンEを配合した化粧品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認識し、把握するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識しないというのが相当であって、かつ、前記商品以外の化粧品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるというべきであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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