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Trademark Appeal Case

普通名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−24407(T2005−24407/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「DURISOL」の文字を標準文字により書してなり、第19類「木質系軽量コンクリートから成る床用・壁用又は天井用の遮音材及び吸音材,セメント及びその製品」を指定商品として、平成16年5月28日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『木材削片とセメントを混練圧縮成型した建築板』を『ドリゾール』と称されており、これを表した『DURISOL』の文字を普通に用いられる方法で書してなるから、その指定商品中上記文字に照応する商品について使用しても、単に商品の普通名称を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとはいえない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第1号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、前記のとおり「DURISOL」の欧文字よりなるものであるところ、該文字についてみると、例えば、「建築大辞典 第2版<普及版>」(株式会社彰国社発行)の「ドリゾール」の項をみると、「Durisol 木材削片とセメントとを特殊な薬品を用いて成形した建築版の商品名.軽量で断熱性に富む.比重0.43〜0.8.準不燃材料.(建設省通則認定準不燃第2011号)」との記載が認められる。

また、インターネットのホームページ情報からも、以下のような記載が認められる。

(ア)「指導所月報No.7 昭和27年7月15日発行 発行所 北海道立林業指導所・・・」(http:// www.fpri.asahikawa.hokkaido.jp/rggetu/01315022001.pdf -)の「Durisol(振り仮名が「デゥリゾール」と振られている。)」表題のもと、研究部長保坂秀明の紹介として、「Durisolは建築期間の短縮と建物効果とを一挙に解決した新しい建築材料である。Durisolは木材工場から出る廃材、所謂、木屑を主原料として、それを60%とセメント40%を混合して型にいれて加圧し、標準建築材料に造られたものである。・・・」との掲載。

(イ)「日本建築学会論文報告集」(http://ci.nii.ac.jp/naid/110004853416/)の書誌情報の「153ドリゾール製壁板・同ブロックの耐火性に関する研究(材料・施工) 153」Research on the Fireproof Properties of Durisol(Materials・Execution)」の表題のもと、抄録に「ドリゾールは木削片を化学処理によつて鉱物化したものと、セメント糊とを混合し、硬化させた軽量な建築材料である。本研究はその耐火性にあり。7回にわたり18種の試験を行つた。一つの材料としては試験回数も多いからドリゾールの適当な用法上の参考となると思い報告する。」との記載。

(2)上記(1)を総合して考察すれば、本願の指定商品と密接な関係を有する建築材料の分野において、「DURISOL」、「Durisol」及び「ドリゾール」の語は、木材削片とセメントとを特殊な薬品を用いて成形した建築版の商品名を示すものとして、取引者の間では十分に認識されているものと認められる。

そうすると、「DURISOL」の文字よりなる本願商標をその指定商品中、「木材削片とセメントとを特殊な薬品を用いて成形した建築版」に使用するときは、商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、前記以外の建築材料に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。

(3)請求人は、本願商標は造語的商標であり、商品の普通名称とは認められず、欧文字の構成態様は、商品の普通名称の表示として「普通に用いられる態様」の範囲とは認められず、特定人の業務に係る商品を表示する商標として取引に供されるものであること。一般取引者が「木材削片とセメントを混連圧縮成型した建築版」といわれる商品に接する機会はなく、市場において一般に散見される商品とも認められない。そもそも斯かる「建築版」が古くから使用されている事実はなく、一般に使用され取引されている事実もないこと。過去に本願商標と同一構成態様の既登録商標が存在していた経緯から本願商標も登録されるべきであると主張している。

しかしながら、上記(1)の認定のとおり、建築材料を取り扱う業界においては、遅くとも昭和27年7月の時点において、既に、「Durisol(ドリゾール)」について、木材削片とセメントとを特殊な薬品を用いて成形した建築版として一般に認識されていたものと認めるのが相当である。

そうすると、本願商標の査定時当時、「DURISOL」「Durisol」「ドリゾール」の語は、既に木材削片とセメントとを特殊な薬品を用いて成形した建築版の普通名称となっており、また、本願商標は「DURISOL」の文字を通常の書体で横書きしてなるものであるから、商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第1号に該当するものというべきである。

また、出願された商標が普通名称として同法第3条第1項第1号に該当するかどうかは、査定時においてこれが普通名称であるかという事実の有無により個別具体的に決められるべきものであって、仮に、これが既登録商標として特定人の商品表示であったとしても、査定に当たりこのことは当然に考慮されないものであるから、上記既登録例をもって、前記認定が左右されるものではない。そして、上記のとおり、本願商標が請求人の周知の商品等の表示であるという証左も見いだせないから、請求人の主張は採用することができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第1号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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