Trademark Appeal Case
商品機能表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−23885(T2005−23885/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「倍速ターン」の文字を標準文字で表してなり、第12類「トラクター」を指定商品として平成17年2月22日登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は「本願商標は、『倍速ターン』の文字を横書きしてなるところ、指定商品との関係において、これよりは、『旋回時に前輪を後輪の約2倍の速度で回転させて旋回ターンするトラクター』の意味合いを理解、認識させるものであるから、これを本願の指定商品に使用したときは、商品の品質、機構を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「倍速ターン」の文字からなるところ、その構成中の「倍速」の文字が、「(ビデオなどで)通常の二倍の速さで操作が行われること。また、その速さ。」((株)三省堂「新明解国語辞典」)を、また、「ターン」の文字が「回転すること。方向をかえること。」((株)岩波書店「広辞苑」)を意味し、本願商標全体からは、「二倍の速さで回転すること」或いは「二倍の速さで方向を変えること」の意味合いを認識、理解させるものというべきである。
ところで、本願商標の指定商品は、「トラクター」であるところ、我が国の農耕作業において、労力の軽減をはかり、収穫を上げるためにトラクターの果たす役割は大きいところである。また、我が国の農耕地は面積が狭いこともあり、農耕作業におけるトラクターの操作性、性能の向上は必要不可欠な要素といえるものである。
そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品である「トラクター」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「(従来機能の)二倍の速さで旋回するトラクター」であることを意味するものと把握し、認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有する商標としては認識し得ないものと判断するのが相当である。
なお、請求人は、1986年より請求人が製造したトラクターに「倍速ターン」の文字を使用していること、登録審査例を上げて、「バイソクターン」という構成の商標が識別力を有するとして登録されているから、本願商標も識別力を有する旨主張している。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、「商品や役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから、何人も使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものでるから一私人に独占を認めるのは妥当ではなく、また、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を認めることができないもの」と解されるところ、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標を構成する各文字をそれぞれ上記の意味合いで理解するものというのが相当であり、また、構成文字全体は、当該商品が「(従来機能の)二倍の速さで旋回するトラクター」であることを表示する語として理解、認識するものというべきである。
さらに、請求人が挙げた登録例は商標の具体的構成において本願商標とは事案を異にするものであり、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかの判断は、当該商標の構成態様と指定商品とに基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるから、それらの登録例に拘束されるべき理由はないものである。
そして、本願商標は、その判断時である審決時において、前記認定を妥当とするものであるから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定の拒絶の理由は、妥当であって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
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