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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−30680(T2006−30680/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4469004号商標(以下「本件商標」という。)は、「ISCAN」の欧文字を標準文字により表してなり、平成11年11月15日に登録出願、第9類「ビデオディスク録画再生装置,ビデオテープレコーダー,デジタル衛生テレビ放送受信装置,ビデオ回線二倍器,ホームシアター用音声・映像受信装置,ホームシアター用ビデオ切替器,デジタルテレビ放送受信装置,デジタルテレビセットトップボックス,直視型拡張アナログテレビ受信装置,ビデオプロジェクタ,デジタルケーブルセットトップボックス,コンピュータ用画像表示装置,電子計算機(中央処理装置および電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路,磁気ディスク,磁気テープその他の周辺機器を含む。),ヘッドマウント型画像表示装置,ウェアラブル画像表示装置,車両用画像表示装置,航空機用画像表示装置,携帯用画像表示装置」を指定商品として、同13年4月20日に設定登録されたものである。

2 請求の理由

請求人は、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を以下のとおり述べている。

請求人の調査によれば、本件商標は継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何ら正当な理由が存することも認められない。

加えて、本件商標について専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないのであるから、使用権者による使用ということも問題にならない。

よって、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件商標の登録は取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁の要旨

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証を提出している。

(1)本件商標は、乙第1号証ないし乙第7号証に示すとおり、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、少なくとも商標権者及び通常使用権者のいずれかによって請求に係る指定商品のいずれかについて使用されている。

以下、商標権者、及び通常使用権者による本件商標の使用の事実について詳述する。

(2)被請求人(商標権者)による本件商標の使用

被請求人は、米国所在のアンカー・ベイ・テクノロジーズ社(以下「アンカー社」という。)を介して、少なくとも2004年8月26日から今日に至るまで、我が国において、本件商標を付した商品、例えば、乙第1号証に示す「スケーラー」を日本国内における認定販売代理店である、マルチフォニックサウンド社(以下「マルチ社」という。)に対して継続的に販売している。

本件商標を付した商品をマルチ社に対して販売している事実、並びに本件商標が付された商品が日本国内において流通している事実は、乙第2号証に示す2004年8月26日付け、同年11月30日付け、2005年2月18日付け、同年5月25日付け、2006年4月3日付け、及び同年7月14日付け請求書の記載から明らかである。

乙第2号証に記載されている製品名 「iScan HD」、「iScanHD+」、並び「iScanVP30」の商品には、乙第1号証及び乙第3号証に示すとおり本件商標が付されている。

また、乙第3号証は、2004年8月20日発行の雑誌「HiVi」に掲載されたマルチ社の広告を示しており、この雑誌広告からも、被請求人が本件商標を付した商品をマルチ社に対して販売している事実、並びに本件商標が付された商品が日本国内において流通している事実が確認される。

なお、商品「スケーラー」は、ビデオ信号における水平走査線数を増加させるための信号変換装置であって、被請求人が審査段階において意見書において説明したインターレス信号を変換してプログレッシブ信号を作り出す信号変換装置である「ビデオ回線二倍器」(ビデオラインダブラー)と同一の商品である(乙第4号証)。

ところで、乙第2号証に示す請求書の発行人は、アンカー社であるが、被請求人とアンカー社との間には、以下の法的関係があり、アンカー社の行為は被請求人の行為に他ならない。

(ア)被請求人は、乙第5号証に示すとおり、2000年7月6日にシリコンイメージ社(以下「シリコン社」という。)の完全子会社となった。 したがって、本件商標に関するシリコン社の行為は、法律上、被請求人の行為と同一の効果をもたらす。

(イ)シリコン社は、乙第6号証に示すとおり、アンカー社に対して、iScan製品ラインに関する技術ライセンスを付与すると共に、iScan製品ラインについて全世界における独占的な製造販売権を付与している(乙第6号証3頁、3.1項)。

(ウ)この技術ライセンスを受けて、アンカー社は、いわばシリコン社に代わってiScan製品ラインの製造販売を行っている。

(エ)シリコン社は、本件商標の我が国における権利者である被請求人の親会社であるから、iScan商標に関するシリコン社とアンカー社との間で締結された契約の実体は、被請求人とアンカー社との契約と同視し得るものである。

(オ)本件においては、被請求人からiScan製品ラインの製造販売及びiScan製品ラインについて本件商標の使用を認められたアンカー社によって、本件商標が付された商品を本件審判請求の登録前3年以内である2004年8月下旬ころ、我が国における認定販売代理店であるマルチ社が輸入している。

したがって、マルチ社の輸入行為をもって、商標法第50条に規定する商標権者による本件商標の使用があったものと認められるべきである。

(3)通常使用権者(マルチ社)による本件商標の使用

マルチ社は、アンカー社との間に乙第7号証に示すとおり、iScan製品ラインについて、我が国における認定販売代理店に係る契約を交わしている。 そして、上述のとおり、被請求人は、アンカー社に対して本件商標を使用した iScan製品ラインの世界的な製造販売を認めており、マルチ社とアンカー社との間における認定販売代理店契約の実体は、被請求人とマルチ社との間で締結された認定販売代理店契約である。

したがって、マルチ社に対して認められている本件商標に関する通常使用権は、被請求人によってマルチ社に認められた権利である。

しかして、マルチ社は、前述の通り2004年8月20日発行の雑誌「HiVi」において、本件商標の指定商品「スケーラー」について、本件商標を付した広告を掲載している(乙第3号証)。

乙第3号証に示す広告が、商標法第2条第3項に規定される商標の使用に該当することは言うまでもない。

したがって、マルチ社による広告行為をもって、商標法第50条に規定する通常使用権者による本件商標の使用があったものと認められるべきである。

(4)まとめ

以上述べたとおり、本件商標は、我が国において、被請求人又は通常使用権者によって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において請求に係る指定商品のいずれかについて、現実に、かつ、適法に使用されている。

したがって、本件審判請求は成り立たない。

4 当審の判断

被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第3号証は、本件審判請求の登録日(平成18年6月23日)前3年以内の2004年8月20日に株式会社ステレオサウンドが発行した雑誌「HiVi」であり、該雑誌中のマルチ社の広告において「iScan HD/高画質スケーラーが日本市場に」(後半部の日本語の文字部分は小さく書されている。)として、「スケーラー」の写真が掲載されている。

そして、上記「iScan HD」の文字中、「HD」の文字は、欧文字の1文字又は2文字が商品の品質、規格等を表す記号、符号として、一般に使用されている事実があることから(また、「Hird Disc」の略称を表す場合もある。)、自他商品の識別標識としての機能を果たす文字部分は、「iScan」とみるのが相当であり、そうとすれば、本件商標と社会通念上同一の商標を使用しているとみて差し支えないものというべきである。

また、上記マルチ社は、日本における認定販売代理店であって、被請求人の通常使用権者と認め得るものである。

ところで、本件商標の使用に係る商品「スケーラー」とは、被請求人が提出した乙第4号証によれば、近年の映像機器のハイビジョン化に伴い、また、高画質を求めるユーザーのため信号をスケールアップする必要が生じ、この信号を変換する変換機器を「スケーラー」と称している事実を窺い知ることができる。

そして、上記スケーラーは、被請求人が本件商標の登録出願時に商品説明書として添付したカタログにも見られるように、本件商標の指定商品中の「ビデオ回線二倍器」に相当するものと認め得るものである。

してみれば、本件商標は、本件審判請求の予告登録日前3年以内に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標を被請求人の通常使用権者と推認されるマルチ社によって、請求に係る指定商品中の「スケーラー」について使用されていたとみるのが相当である。

また、請求人は、前記被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。

(2)結語

以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、審判請求に係る商品について、被請求人の通常使用権者によって使用されていたものといえるから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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