Trademark Appeal Case
デザイン化された記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−2237(T2006−2237/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年4月7日に登録出願され、その後、指定商品については、原審において同17年12月19日付け手続補正書により、第9類「デジタル式電気通信機械器具,デジタル式電子応用機械器具及びその部品」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『DIGITAL』の欧文字と前記文字の『GI』の文字の『I』の上に『■』を赤色で書してなるものであって、未だ普通に用いられる域を脱しない表現手法を用いて表示したものと認められるものであり、指定商品との関係においては、該文字よりは、『デジタル式の商品』の意味合いを理解、認識させるものであるから、これを本願の指定商品中、『デジタル式の商品』に使用しても、需要者が何人の業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、ややデザイン化されているものの、容易に「DIGiTAL」の文字を表したと認められるものである。
そして、構成各文字は、太字のサンセリフ書体を基調としたと思しきものであり、構成中の、「D」、「G」、「A」の文字は、矩形を基にして、角の一部又は全部に、やや丸みを持たせたものであり、また、中央に位置する「i」の文字は、斜めに傾斜し、上部の「・」の部分のみ他の欧文字部分より高い位置に赤色にて矩形をもって表してなるものである。また、「D」の文字の左上方部分及び「A」の文字の中央左部分は、文字の線が接触しておらず、「G」及び「T」の文字は、「i」の文字が斜めに配置されていることにより、やや変形したかたちとなっている。
ところで、近時、商品の広告、宣伝等において、商標の全部もしくは一部を図案化して、独自性をアピールするなど、各種のレタリング文字が使用されており、文字のレタリングの技法においても、様々な技法が考案され、例えば、「通常は接しているはずの線を接触させない。」、「文字のかど部分を丸くする。」、「一部分の文字にアクセントをつける。」、「一部分の文字を傾斜させる。」、「大文字と小文字を組み合わせて表す。」、「一部分に色彩を施す。」といった程度のことは、一般に行われているところである。
そして、これらのことは、例えば、「ロゴタイプ事典」(視覚デザイン研究所・編集室著 昭和63年6月1日 株式会社視覚デザイン研究所発行)において、「第二章 文字造形のエレメント」中に、「[接点−離す]通常は接しているはずの線を、接触させない。」(144頁及び145頁)、「[かどの処理]4つのかどを丸くする。上辺のかどを丸くする。3つのかどを丸くする。対角を丸くする。下左のかどを丸くする。上片方のかどを丸くする。組み合わせ。」(170頁ないし177頁)、「[点を星にかえる]文字の中に含まれる点の要素を、星の形や三角形に置き換え、楽しい表情を演出する。」(244頁及び245頁)、「1か所に傾きをつけたアクセント 文字の形には手を触れず、傾きを変えてアクセントをつくる。」(285頁)との記載や、ロゴタイプ例としての「MiWA」(13頁)、「MiCROTOM」(22頁)、「BRAiNY」(26頁)、「KiOSK」(27頁)、「iPSA」(144頁)の記載からも十分裏付けられるものである。
上記取引社会の実情を考慮すれば、本願商標は、ややデザイン化されているものの、「DIGiTAL」の文字を書したものと容易に理解され、かつ、普通に用いられる方法の域を脱しない程度に表してなるものといわざるを得ない。
また、「DIGITAL」の語は、「ある量またはデータを、有限桁の数字列(例えば二進数)として表現すること。」(広辞苑 第五版 1998年11月11日 株式会社岩波書店発行)、「計数型。数や量の表示を数字を用いて表す方式。段階的・離散的な値で表すこと。またはその量。」(imidas 現代人のカタカナ語 欧文略語辞典 2006年4月30日 株式会社集英社発行)等を意味する語であって、最近では、デジタル電話、デジタルカメラ、デジタルテレビなどのように「当該商品がデジタル型(方式)である」ことを示す語として、普通に使用され、一般に知られているものである。
そうすると、本願商標をその指定商品である「デジタル式電気通信機械器具,デジタル式電子応用機械器具及びその部品」に使用するときは、需要者は、デジタル型(方式)の商品であることを表示するものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務にかかる商品であることを認識することができないものといわなければならない。
請求人は、過去の登録例を挙げて、「DIGITAL」の欧文字をベースとして構成された商標でも、図案化することで、自他商品識別力を有するものと認められるから、図案化した特異な構成の本願商標は自他商品識別力を有するものである旨主張しているが、出願された商標の登録の可否は、個々の商標ごとに個別具体的に検討、判断されるものであり、前記したとおり、本願商標は、普通に用いられる方法の域を脱しない程度に「DIGiTAL」の文字を表してなるものであるから、この主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであり、取り消すことはできない。
なお、本願商標は、その指定商品が上記1のとおり「デジタル式電気通信機械器具,デジタル式電子応用機械器具及びその部品」と補正されたものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとした原査定の拒絶の理由は解消している。
よって、結論のとおり審決する。
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