sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「歯磨きにおける「トータルケア」の識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2005−9086(T2005−9086/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2005−9086(T2005−9086/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
歯磨きにおける「トータルケア」の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2005−9086(T2005−9086/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「歯磨きにおける「トータルケア」の識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「TOTALCARE」及び「トータルケア」の文字を二段に併記してなり、第3類「歯磨き」を指定商品として、平成15年12月19日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、「TOTALCARE」及び「トータルケア」の文字を二段に横書きしてなるところ、「TOTAL」及び「トータル」の文字は、「全体的な、総合的な」等の意味を、「CARE」及び「ケア」の文字は、「世話、介護、ケア、手入れ」等の意味を表すものとして、それぞれ一般によく知られた語であり、また、本願指定商品を取り扱う業界においては「歯周病を総体的に予防するための歯・歯茎の手入れ」、「歯周病・虫歯・口臭を全体的に防ぐための口腔の手入れ」程の意味合いを有する語として、しばしば使用されていることからすれば、全体として「(歯・口腔等に関する)総合的手入れ(トータルケア)の一環で用いる商品」であることを表したものとして看取、把握されるにとどまることから、これを本願指定商品に使用するときは、商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「TOTALCARE」及び「トータルケア」の文字を二段に併記してなるところ、これが全体として、「全面看護」又は「完全看護」の意を有することを否定するものではないが、我が国において、「TOTAL」及び「トータル」の文字は、「全体的な、総合的な」等の意を、「CARE」及び「ケア」の文字は、「世話、介護、ケア、手入れ」等の意を表すものとして、それぞれ広く知られている語であることから、全体として「総合的な手入れ」程の意味合いを表すものとして認識され、把握される場合も少なくないものであり、かつ、本願指定商品を取り扱う分野においては、「トータルケア」の語が「歯周病を総合的に予防するための歯・歯茎の手入れ」や「歯周病・虫歯・口臭を全体的に防ぐための口腔の手入れ」程の意味合いで使用されているのが実情であって、このことは、例えば、次の(1)ないし(5)の新聞記事やインターネット情報によっても容易に窺い知ることができる。

(1)「プレゼント マリオン」の見出しのもと、「◆歯のトータルケアセット サンスターが、歯周病に伴う様々な症状に着目したG・U・M(ガム)シリーズの3点セット(写真、1530円)を50人に。歯がしみる人向けの練り歯磨き「デンタルペースト センシティブ」、超コンパクトヘッドで、硬さが普通の歯ブラシ「デンタルブラシ 超・先端極細毛」、テープ状の薄いフロスを手に巻き付けずに、約60回張りかえられる「イージースルーフロッサー」」との記事(2001.10.18 朝日新聞 東京夕刊 5頁)。

(2)「歯周病菌とたたかうG・U・M」の見出しのもと、「従来は「対処療法」が中心であった中で、「原因療法」こそが、歯周病の予防に効果的であるという考えかたのものと、歯周病のトータルケアが出来るラインアップをご用意し、一人一人に合ったオーラルケアをサポートしています。」との記載(http://www.teamgum.net/ins/ins_02/ins_02_01/ins_02_01_010.html)。

(3)「ミクロクリーンライオン」の見出しのもと、「殺菌力が持続し、歯周病・ムシ歯・口臭をトータルケアするハミガキ」との記載(http://www.lion.co.jp/ja/seihin/brand/038/01.htm)。

(4)「薬用シュミテクト トータルケア 110g」の見出しのもと、商品説明文として、「「薬用シュミテクト トータルケア 110g」は、歯がしみるのを防ぎながら、歯周病、歯肉炎、口臭、ムシ歯の発生および進行を予防し、お口を清潔に保つ、トータルケア用の薬用ハミガキです。」との記載(http://www.kenko.com/product/item/itm_8911340072.html)。

(5)「ソニッケアーエリート7800プロフェッショナル(トータルケア)」の見出しのもと、「トータルケアとしてお勧めのセットです。歯磨き剤は、口腔内に成分が広がりやすく泡立ちの少ないチェックアップ(ソフトペースト)。そして、歯を丈夫のして予防効果の高いホームジェルとお2人でご使用したり、予備として替えブラシを、お付けしましたセットです。(より予防効果求める方にはお勧めです。)」との記載(http://www5a.biglobe.ne.jp/~M2BRAND/set1.html)。

そうとすれば、「トータルケア」の片仮名文字とそれを欧文字で表記した「TOTALCARE」の文字よりなる本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が「歯周病を総合的に予防するための歯・歯茎の手入れ」や「歯周病・虫歯・口臭を全体的に防ぐための口腔の手入れ」のために使用する商品である程の意味合いを容易に理解するにとどまるものであり、結局、本願商標は、単に商品の品質、用途を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としては認識されないものというのが相当である。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

なお、請求人は、「TOTALCARE(トータルケア)」は、通常、英語で「完全看護」の意味で用いられる語であり、一般的に「歯磨き」の品質及び用途を表す語として用いられるものではないし、さらに、「トータル」と「ケア」を組み合わせることによって、「トータルケア」の語が「総合的なケア」といった意味合いを想起させ、キャッチフレーズ等の一部として用いられることがあるとしても、それ以上に「歯磨き」の品質を直接的かつ具体的に表示するものと認識し得るものでもない旨主張している。

しかしながら、本願商標から「総合的なケア(手入れ)」といった意味合いが容易に理解され、本願指定商品を取り扱う分野において、前記(1)ないし(5)のように「トータルケア」の語が使用されている実情を併せ考慮すれば、本願商標をその指定商品について使用しても、取引者、需要者に「歯周病を総合的に予防するための歯・歯茎の手入れ」や「歯周病・虫歯・口臭を全体的に防ぐための口腔の手入れ」のために使用する商品である程の意味合いを看取させるにとどまるものであり、結局、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないというのが相当であるから、この点に関しての請求人の主張は採用することができない。

また、請求人は、「トータルケア」の文字よりなり、第21類「化粧用具(電気式歯ブラシを除く。),電気式歯ブラシ」を指定商品とする登録第4087990号の2商標が自他商品識別力を有するものとして登録が認められていることからすれば、本願商標についても自他商品識別力が認められるべきであるし、さらに、本願商標は、2004年9月1日から、知覚過敏者用の歯磨き「シュミテクト」シリーズの新製品の名称として使用されているから、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものである旨主張する。

しかし、現時点においては、前記のとおり、本願商標は、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであって、さらに、知覚過敏者用の歯磨き「シュミテクト」における使用例についても、かかる構成において、「トータルケア」の文字が直ちにそれのみで自他商品識別標識としての機能を果たしているものとはいい難く、むしろ、前記(4)のとおり、「シュミテクト」シリーズの中の「トータルケア用の歯磨き」であると認識される場合も少なくないというのが相当であるから、これらの点についての請求人の主張も採用することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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