1 本願商標
本願商標は、「W−SIM」の文字を標準文字として書してなり、第38類及び第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成17年7月6日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定役務については、原審における同18年4月19日付け及び当審における同年10月2日付け手続補正書により、最終的に、同年10月2日付け手続補正書に記載のとおりの指定役務に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標の指定役務のうち、「移動体電話通信・電話通信・電子メール通信の国際ローミング」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められないから、本願商標は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。
(2)本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第4479405号商標(以下「引用商標」という。)は、「E―SIM」の文字を標準文字として書してなり、平成11年11月19日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同13年6月1日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、その指定役務について、前記1のとおり補正された結果、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備するものとなった。
(2)本願商標及び引用商標は、前記1及び2(2)のとおりの構成よりなるところ、それぞれの該文字は、外観上まとまりよく一連一体に構成されているものと認められる。
また、観念上において、両商標は、特別の意味合いを有しない造語よりなるものと認められる。
さらに、称呼上においては、本願商標からは、「ダブリューシム」あるいは「ダブリューエスアイエム」の称呼が生ずるものと認められ、引用商標からは、「イーシム」あるいは「イーエスアイエム」の称呼が生ずるものと認められる。しかして、両商標から生ずる称呼は、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼できるものであり、また、両商標構成中の「W」及び「E」の文字部分が、役務の種別、仕様等を表示する記号・符号の一類型として認識される場合があるとしても、かかる構成においては、「W」及び「E」の文字部分を省略し、構成中の「SIM」の文字部分のみをもって取引に当たるとはいい難く、むしろ構成全体をもって一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが相当であり、他に構成中の「SIM」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情も見出せない。
そうすると、本願商標及び引用商標より、その構成中の「SIM」の文字部分から、「エスアイエム」の称呼をも生ずるとし、その上で両商標が称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当でなく、取消しを免れない。
(3)したがって、本願商標は、前記1のとおり補正された結果、商標法第6条第1項及び第2項に該当するとした原査定の拒絶の理由は解消したものであり、また、同法第4条第1項第11号に該当しない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。