結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−30557(T2006−30557/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
第1.本件商標
本件登録第3370625号商標(以下「本件商標」という。)は、平成6年7月11日に登録出願され、「BELRAY」の欧文字を横書きしてなり、第25類「靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。)」を指定商品として、同10年10月30日に設定登録されたものである。
第2.請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証を提出した。
1.請求の理由
請求人の調査したところによると、本件商標は、商標権者である被請求人もしくは使用権者によって、その登録に係る指定商品について、少なくとも継続して過去3年以上に亘り使用されている事実を発見することができなかった。
また、添付した登録原簿によれば、使用権の設定登録もされていない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取消を免れることができないものであるので、請求の趣旨通りの審決を求めるものである。2.弁駁の理由
被請求人が提出した証拠方法によって、本件商標が請求に係る指定商品「靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。)」(以下「本件指定商品」という。)について使用されていることは、証明されていない。その理由を以下に述べる。
本件商標は甲第1号証に記載されている通り、欧文字「BELRAY」を細身の活字体で、全ての文字が同じ大きさの同一書体で、スペースを設けることなく等間隔で横一列に配置されている。かかる外観構成から「BEL」と「RAY」の独立した単語を認識することはできない。そのため、本件商標はワンワードで、何等特定の観念が想起されない造語としてしか認識できない。
乙第1号証の(1)、(2)及び乙第2号証において、商標「BEL−RAY」(以下「本件使用商標1」という。)が「靴」及び「靴の箱」について使用されていることが示されている。
本件使用商標1は、本件商標と異なり、「BEL」と「RAY」の間にハイフンが用いられている。そのため、本件使用商標1が「BEL」と「RAY」の二つの単語で構成されていることが、容易に認識される。「BEL」は英語でIsabel(イザベル)、Arabel(アラベル)の愛称に当たる。また、「RAY」は英語で男の名前又はRaymond(レイモンド)の愛称に当たり、また「光線」の意味もある。そのため、本件使用商標1からは、独立した二つの単語「BEL」と「RAY」が認識され、「ベル」と「レイ」の観念或いは「ベル光線」の観念が想起される。従って、本件使用商標1は、常にワンワードの造語として認識すべきものではなく、特定の観念を想起させることもある。
乙第3号証の(1)は、標題の「[成型物]‘06年春物開発商品一覧表」の文字を除き、英語・中国語しか書かれておらず、日本国内での取引事実を証明するものとは言えない。乙第6号証も、乙第3号証の(1)と同じ形式・同じ標題の文書であることから、日本国内での取引事実を証明するものには当たらない。
更に、乙第3号証の(1)、(2)及び乙第6号証は、それが取引者・需要者に対して配布された事実が立証されていないので、証拠として採用すべきでない。
また、乙第3号証の(1)、(2)及び乙第6号証において、商標「BEL RAY」(以下、「本件使用商標2」と言います。)が「靴」の春物開発商品一覧表・春物商品リストにおいて使用されている。
本件使用商標2は、本件商標と異なり、「BEL」と「RAY」の間にスペースが設けられ、明らかに「BEL」と「RAY」が外観上分離されている。そのため、本件使用商標1の場合と同様に、本件使用商標2からは独立した二つの単語「BEL」と「RAY」が認識され、「ベル」と「レイ」或いは「ベル光線」の観念を想起させる。従って、本件使用商標2は、常に、ワンワードの何等特定の観念が想起されない造語として認識されるとはいえない。
以上に述べたように、本件商標はワンワードで、特定の観念を持たない造語としてしか認識でない。これに対して、本件使用商標1及び2は何れも、常にワンワードで認識されるわけではない。また、本件使用商標1及び2は、それを構成する単語から、「ベル」と「レイ」或いは「ベル光線」の観念をも想起させる。これらの点から、本件使用商標1及び2は、本件商標と社会通念上同一のものには該当しないというべきである。
むしろ、ワンワードで構成される本件商標に対して、本件使用商標1及び本件使用商標2は、双方とも、わざわざ「BEL」と「RAY」が視覚において分離されるような外観構成であることから、これらの商標においては「BEL」と「RAY」のそれぞれの語の独立性が強調されているとみるべきである。従って、本件使用商標1及び本件使用商標2は、ワンワードの造語である本件商標「BELRAY」の同一性の範囲から逸脱していると言うべきである。
上記の証拠方法以外に、本件商標「BELRAY」の使用態様を示す証拠は提出されていない。従って、被請求人は本件商標が本件指定商品について使用されている事実を立証していない。
以上の通り、本件商標は商標権者等によって過去3年以上に亘り本件指定商品について使用されている事実は、被請求人によって証明されていない。 従って、本審判について請求の趣旨通りの審決を求めるものである。
第3.被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第8号証(枝番を含む)を提出している。
1.本件商標の使用事実の要点
本件商標の商標権者である「株式会社トライデント」は、本件審判請求の登録前3年以内に我が国においてその請求に係る指定商品中「靴」について、本件商標を使用している。
2.本件商標の使用の事実
(1)商標の使用者
乙第1号証の(1)の「本件商標が付された「靴」(商品番号MO−10501)に付されている品質表示タグの拡大写真」、乙第3号証の(2)「2006年春物商品リスト(成型)」、乙第4号証「納品書(控)」、乙第5号証請求書」、乙第7号証「出荷指図書」、乙第8号証「納品伝票」に、「株式会社トライデント」「東京都豊島区南池袋2−22−1」「TRIDENT(JAPAN)INC.」が表示されている。
(2)使用に係る商品
乙第1号証及び乙第2号証には、本件商標が「靴」及び「靴」の包装箱に付されていることが明確に示されており、乙第3号証の(1)、(2)及び乙第6号証には、請求に係る指定商品「靴」の商品名(本件商標)及びその品番が記載され、乙第4、5号証、乙第8号証の商品名欄には、乙第3号証及び乙第6号証に記載された品番が記載されている。
(3)使用に係る商標
乙第1号証及び乙第2号証には、本件商標が記載されている。また、乙第3号証の(1)、(2)及び乙第6号証にも、本件商標が記載されている。(4)使用時期
乙第3号証の(1)の[成型物]‘06年春物開発商品一覧表には、「DATE:OCT.24.2005」と記載されている。
乙第4号証の(1)ないし(6)の株式会社三峰への納品書(控)には、「納品日:平成18年3月22日」、「納品日:平成18年3月29日」、「納品日:平成18年3月31日」、「納品日:平成18年4月4日」、「納品日:平成18年4月13日」、「納品日:平成18年4月18日」と記載されている。
乙第5号証の株式会社三峰への請求書には、請求日として「平成18年4月20日」と記載されている。
乙第6号証の[成型物]‘06年春物開発商品一覧表には、「DATE:SEP.02.2005」と記載されている。
乙第7号証の(1)及び(2)の株式会社チョダヘの出荷指図書には「受信日:05/11/17」、「受信日:06/02/17」と記載されている。
乙第8号証の(1)及び(2)の株式会社チョダの納品伝票には、「納入指定日 05年12月12日」、「納入指定日 06年3月13日」と記載されている。
3.むすび
本件商標が付された商品は、商標権者である株式会社トライデントにとって、継続して販売している主要な商品であり、本件商標が重要な商標であることは明らかである。
なお、本件商標の使用に際し乙第1号証及び乙第2号証に示す「靴」と「包装箱」については「BEL‐RAY」の状態で使用しているが、「−」部分の間隔も狭く、一見して「BELRAY」と見受けられる。そして「ベルレイ」の称呼のみ生じるので、商標法第50条第1項に規定する「登録商標と書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって、同一の称呼及び観念を生じる商標、外観において同視される図形からなる商標、その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。」に該当するものである。 そして、乙第3号証及び乙第6号証においては、本件商標と同一の状態で商標を使用している。
以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、指定商品中「靴」について使用していることが明らかであるので、本件審判請求は成り立たない、との審決を求めるものである。
第4.当審の判断
1.被請求人より提出された乙各号証によれば、以下のことが認められる。(1)乙第1号証の1(一頁目)は、「運動靴」の全体写真であり、運動靴には下げ札がつるされている。同(二頁目)は、下げ札の拡大写真で、品質表示と書された下には甲皮の1.使用材、2.底材の種類が記載され、その下部に本件商標権者の商号「(株)トライデント」、住所、電話番号等が表示されている。同(三頁目及び四頁目)は、運動靴の拡大写真で、靴のベロの部分と中敷き部分に、それぞれ商標「BEL‐RAY」が表示されている。
また、乙第1号証の2(一頁目)は、「運動靴」の包装箱の写真であり、同(二頁目)は、包装箱の側面部分の写真と認められるものであり、「BEL‐RAY」の表示のほか、側面部分には商品番号と認められる「MO−10501」、他「COLOR(WHT/NVY)」、「SIZE(25.5)」がそれぞれ表示されている。
同じく乙第2号証(全三頁)は、包装箱を除き乙第1号証と同様に商品番号「JR−6007」の運動靴の写真上に、「BEL‐RAY」の表示のほか、下げ札にバーコード、税込価格(¥1.490)及び前記の商品番号(JR−6007)等が表示されている。
さらに、乙第3号証の1は、「成型物‘06年 春物開発商品一覧表」と表題の付された2005年10月24日付の商品リストと認められるものであり、各種の商品番号が付された運動靴が描かれており、その中に前記の商品番号「MO−10501」が掲載され、「“BEL RAY”」と表示されている。
そして、乙第4号証の1は、平成18年3月22日付けで商標権者「株式会社トライデント」から取引先「株式会社三峯」へ宛てた納品書控(写し)と認められるものであり、この書面には商品名として、商品番号「MO−10501」の商品が300足(数量)納品されたことが記載されている。同じく乙第4号証の2ないし同4号証の6は、他の納品日による納品書控(写し)である。
2.前記(1)で認定した事実によれば、上記の乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む)に添付された各種の運動靴(写真)、同包装箱、2006年の商品一覧表及び納品書(控)等は、その記載内容から本件商標が付された商品「運動靴」について、取引の実際において使用されたと認められるものであり、かつ、それぞれの商品に表示されている「BEL‐RAY」及び「“BEL RAY”」の各商標は、その構成文字全体より「ベルレイ」の自然の称呼が生じるものとみるのが相当であるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認め得るものである。
また、該2006年版商品一覧表の作成日及び各納品書(控)に表示されている年月日は、本件審判の請求の登録日(平成18年5月26日)前3年以内のものであり、使用商標が使用されている商品「運動靴」は、本件商標の指定商品「靴類」に含まれるものである。
そうすると、本件審判の請求の登録日前3年以内に日本国内において、商標権者(被請求人)が、その請求に係る指定商品中「運動靴」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用しているものと認められる。
3.したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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