Trademark Appeal Case
「本舗」の識別力と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−12806(T2006−12806/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「きのこ王国本舗」の文字を横書きしてなり、第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,豆,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,その他の即席みそ汁,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,食用たんぱく」を指定商品として、平成17年6月6日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第2538507号商標(以下「引用商標1」という。)は、「キノコの王国」の文字を横書きしてなり、平成2年6月21日に登録出願、第32類「きのこ」を指定商品として、同5年5月31日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がされるとともに、同15年6月18日に第31類「きのこ」を指定商品とする書換登録がなされたものである。
同じく、登録第4370354号商標(以下「引用商標2」という。)は、「きのこ王国」の文字を標準文字で表してなり、平成10年12月7日に登録出願、第29類「きのこの缶詰,きのこの瓶詰,きのこの漬物,乾燥きのこ,その他のきのこの加工品」を指定商品として、平成12年3月24日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1に記載のとおり、「きのこ王国本舗」の文字を書してなり、その構成中の「きのこ王国」の文字部分は、「きのこ王国という国」程度の意味合いを認識させるとみるのが相当である。
また、同構成中「本舗」の文字部分は、「本店。特定商品を製造販売する大元の店。」(株式会社岩波書店「広辞苑第五版」)の意味を有するものとして一般に使用されている語であるから、本願商標は、「きのこ王国」及び「本舗」の両語を結合して構成されたものと容易に認識されるものである。
そして、本願商標を構成する「きのこ王国本舗」の文字全体として直ちに特定の意味合いをもって一般に親しまれているとは認められず、また、常に一体のものとしてのみ把握しなければならない格別の事情も見いだせないものである。
ところで、本願の指定商品を含む食品を取り扱う業界においては、商品名又は商標に「本舗」の文字を付して商店の名称としたり、製造元を表すものとして使用されているものであり、「本舗」の文字以外の文字部分をもって、商品の出所を表示することが行われている。
これらのことは、例えば、以下のインターネットのホームページ等に記載の事実により窺い知ることができる。
(1)「株式会社 まるなか本舗」のホームページにおいて「味づくり三代」の文字とともに「まるなか」の文字を含んだ図形標章及び「桃の節句のお返しに まるなかの 桃かまぼこ」の記載。(http://www.marunakahonpo.co.jp/)
(2)「ええもん直販」の見出しのもと「京の雪本舗」の取扱商品のパッケージに「京の雪 京あげ」、「京の雪 田楽豆腐」の記載。(http://www.ee-mon.com/kyouyuki/yudofu.html)
(3)「株式会社梅丹本舗」のホームページにおいて、「梅丹 梅肉」のラベルが貼られた商品、「梅丹・中国産天日塩」の表示。(http://www.meitanhonpo.jp/sonotakikaku.html)
(4)「有限会社 福梅本舗」のホームページにおいて「福梅本舗のこだわり・・・福梅の商品はすべて白浜の工場から作られます。・・・」の記載。(http://www.meitanhonpo.jp/sonotakikaku.html)
(5)「浅草・仲見世商店街公認通販サイト」の見出しのもと、「海老屋總本舗・・・海老屋の佃煮は浅草名物のひとつ・・・」の記載。(http://www.nakamise-tu.com/tenpo/ebiya.html)
以上の実情にかんがみると、本願商標の構成中「本舗」の文字部分は、自他商品識別標識としての機能を果たしていないか、あるいは、その機能は極めて弱いものと見るのが相当である。
してみれば、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中「きのこ王国」の文字部分を自他商品の識別標識としての機能を発揮する主要な部分ととらえて取引に資することも少なくないといい得るものであって、本願商標からは、その構成文字全体より「キノコオウコクホンポ」の一連の称呼を生ずるほか、構成中の「きのこ王国」の文字部分に相応して、単に「キノコオウコク」の称呼をも生ずるといわなければならない。
そして、「きのこ王国」の文字部分は、一体的に把握されるものであるから、該文字全体として「きのこ王国という国」程の観念を生ずるものである。
他方、引用商標2は、「きのこ王国」の文字よりなるところ、その構成文字に相応して、「キノコオウコク」の称呼が生じること明らかであり、構成文字全体から、同様に「きのこ王国という国」程の観念が生ずると認められる。
そうすると、引用商標1との類否について判断するまでもなく、本願商標と引用商標2とは、「キノコオウコク」の称呼を共通にし、「きのこ王国という国」の観念を共に生ずるものであり、また、本願商標中、「きのこ王国」の文字部分と引用商標2の「きのこ王国」の文字とは、その構成文字を同一にするものであるから、外観においても、その一部において類似するものであって、両商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であるといわざるを得ず、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標2の指定商品と同一又は類似する商品を含むものである。
なお、請求人(出願人)は、過去の登録例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似である旨主張しているが、出願された商標と引用商標との類否判断は、該商標の構成態様と指定商品又は指定役務とに基づいて、個別具体的に判断されるものであり、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではないから、上記、請求人の主張は、採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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