sokuhyo

Trademark Appeal Case

未登録商標の周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90151(T2006−90151/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4921481号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4921481号商標(以下「本件商標」という。)は、「モッチーニ」及び「もっちーに」の文字を二段書きしてなり、平成17年5月24日に登録出願、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,みそ,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として、平成18年1月13日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立ての理由の要点

1 商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、その構成文字に相応して、「モッチーニ」の称呼が生じ、指定商品には、第30類「菓子及びパン」を含むものである。

他方、引用商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、商品「パン」に使用している商標(標章)は、「モッチーニ」であって、広く一般に知られているものである(甲第2号証ないし甲第13号証)。

2 商標法第4条第1項第19号について

本件商標権者は、製粉会社であって、パンメーカーなどにその原材料を納入するものである。本件商標は、申立人の商標として、広く知られている(甲第2号証ないし甲第13号証)ことから、それが登録されていないことを奇貨として原材料の購入を強要する目的で登録したものである。

3 本件商標の登録は、証拠方法(甲第2号証ないし甲第17号証)からも明らかなように、商標法第4条第1項第10号及び同第19号に該当するから、指定商品中「菓子、パン」については、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである。

第3 当審の判断

申立人は、「モッチーニ」の商標(標章)が申立人の業務に係る商品「パン」について使用され、広く一般に知られているものである旨主張し、これを立証するものとして甲第2号証ないし甲第13号証を提出しているので、「モッチーニ」の商標(標章)が申立人の業務に係る商品「パン」について使用され、広く一般に知られているかどうかについて検討する。

一般に、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標に該当するかどうかは、実際に使用している商標及び商品又は役務、使用開始時期、使用期間、使用地域、生産、証明若しくは譲渡の数量又は営業の規模(店舗数、営業地域、売上高等)、並びに広告宣伝の方法、回数及び内容などの事情を総合勘案して判断するのが相当である。

また、商標法第4条第1項第10号については、「かかる全国的に流通する日常使用の一般的商品について、商標法第四条第一項第一〇号が規定する『需要者の間に広く認識されている商標』といえるためには、それが未登録の商標でありながら、その使用事実にかんがみ、後に出願される商標を排除し、また、需要者における誤認混同のおそれがないものとして、保護を受けるものであること及び今日における商品流通の実態及び広告、宣伝媒体の現況などを考慮するとき、本件では、商標登録出願の時において、全国にわたる主要商圏の同種商品取扱業者の間に相当程度認識されているか、あるいは、狭くとも一県の単位にとどまらず、その隣接数県の相当範囲の地域にわたって、少なくともその同種商品取扱業者の半ばに達する程度の層に認識されていることを要するものと解すべきである。」旨判示されるところである〔東京高判昭和58年6月16日判決言渡 昭和57年(行ケ)第110号〕)。

これを本件についてみるに、申立人が提出した甲第2号証ないし甲第13号証によって、「モッチーニ」の文字からなる商標(標章)(甲第13号証の4、甲第13号証の6、 甲第13号証の9、甲第13号証の18及び甲第13号証の20)、及び「モッチーニ」の文字を含む標章、「セサミモッチーニ」(甲第2号証ないし甲第5号証、甲第9号証の1、甲第10号証、甲第12号証、甲第13号証の1、甲第13号証の14)、「のりモッチーニ」(甲第7号証、甲第8号証、甲第13号証の3、甲第13号証の5 甲第13号証の12、甲第13号証の13)、「チーズモッチーニ」(甲第11号証、甲第13号証の2)、「ねぎみそモッチーニ」(甲第13号証の7)、「豆モッチーニ」(甲第13号証の8)、「紫いもモッチーニ」(甲第13号証の8)、「海苔モッチーニ」(甲第13号証の10)、「くるみモッチーニ」(甲第13号証の15、甲第13号証の17)、「枝豆モッチーニ」(甲第13号証の16)、「エビモッチーニ」(甲第13号証の16)、「クリモッチーニ」(甲第13号証の16)等と「モッチーニ」の文字からなる商標(標章)及び「モッチーニ」の文字を含む商標(標章)をパンに使用した事実を書籍、雑誌、及びインターネット情報等によって認めることはでき、本件商標の登録出願前に、申立人によって製造・販売され、ある程度市場に出回っていたものと推認される。しかしながら、提出された証拠によっては、本件商品に関する宣伝広告の回数も少なく、その規模も大きなものではないし、本件商品に関する取扱量も不明といわざるを得ない上に、その売上高、同種商品の業界におけるシェア等も明らかでないから、上記商標(標章)が本件商品に使用する商標として我が国の需要者間に広く認識されるに至っていたことを認めるには十分なものではない。

そうすると、申立人の上記商標(標章)は、我が国の需要者間に広く認識されている商標とはいえないから、本件商標は、商標の構成において申立人の上記商標(標章)と類似し、その指定商品が本件商品と同一又は類似する商品であるとしても、商標法第4条第1項第10号に該当するということはできない。

また、「商標登録出願の時において、全国にわたる主要商圏の同種商品取扱業者の間に相当程度認識されているか、あるいは、狭くとも一県の単位にとどまらず、その隣接数県の相当範囲の地域にわたって、少なくともその同種商品取扱業者の半ばに達する程度の層に認識されていることを要するものと解すべきである。」旨の前記判例に照らしてみても、上記商標(標章)が本件商品に使用する商標として我が国の需要者間に広く認識されるに至っていたことを認めるはできない。

さらに、外国における需要者の間に広く認識されていたものとする証左は見出せないし、他にこれを認めるべき証拠はない。

してみれば、「モッチーニ」商標(標章)の周知性が我が国又は外国において認められないこと、本件商標権者は、製粉会社であって、パン業界団体の監事会社や賛助会員として名を連ねている(甲第14号証の1及び甲第14号証の2)、申立人会社等は製粉を原材料として菓子、パンなどを製造する製パン菓子メーカーであって、直営店方式の菓子・パン製造会社として国内最大規模であって(甲第15号証)、パン業界でも6位の大手の製パン業者(甲第16号証)と認められるとしても、だからといって、不正の目的をもって本件商標を出願し、登録を受けたものといい得る理由は見出せないことから、本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当するということはできない。

したがって、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品「菓子、パン」について、商標法第4条第1項第10号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。