sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼類似と観念の差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90548(T2006−90548/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4974539号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4974539号商標(以下「本件商標」という。)は、「SEIKYO」の欧文字と前記欧文字よりやや小さく「セイキョー」の片仮名文字とを上下二段に書した構成からなり、平成18年1月6日に登録出願、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同年7月28日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次に掲げるとおりである。

(1)登録第175840号商標

商標の構成:SEIKO

登録出願日:大正14年1月19日

設定登録日:大正14年12月2日

更新登録日:平成17年10月4日

書換登録日:平成18年4月12日

指定商品 :第14類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(2)登録第1822607号商標

商標の構成:SEIKO

登録出願日:昭和57年7月30日

設定登録日:昭和60年11月29日

更新登録日:平成17年8月16日

書換登録日:平成18年6月28日

指定商品 :第3類、第6類、第8類、第11類、第14類、第17類、第18類、第20類、第21類、第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(3)登録第3302583号商標

商標の構成:SEIKO/セイコー

登録出願日:平成6年9月22日

設定登録日:平成9年5月9日

更新登録日:平成19年5月15日

指定商品 :第14類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

以下、これらを一括して「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)本件商標は、引用商標と称呼及び外観上類似するものであり、その指定商品と引用商標の指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)申立人が時計について使用する引用商標は、申立人の商号の略称のみならず、申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者間に広く認識されている。そして、本件商標は、使用商標とは、末尾部における「Y」の有無は、その構成全体から見れば僅かな差異にすぎず、使用商標と外観上相紛れるおそれのある程に構成全体が近似しているものであるから、申立人の業務に係る商品と同一又は類似である本件商標の指定商品に本件商標が使用されたときは、申立人を想起させ、当該商品が申立人の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)周知著名な使用商標に類似する本件商標が使用されると、申立人の長年の努力によって築き上げた使用商標の周知・著名性が希釈化され、その名声を毀損させる目的があると推認し得るものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断

(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は「SEIKYO」の文字を大きく顕著に表し、その下段にこれより小さなゴシック体風の「セイキョー」の文字を併記した構成よりなるから、その構成文字に相応して「セイキョー」の称呼を生ずるものである。

ところで、生活協同組合(一定の地域又は職域の組合員で組織する非営利法人で、消費者生活協同組合法による)が、「生協」と略称され、かつ、「セイキョー」と称されて普通に使用されていることはよく知られた事実といい得るところ、本件商標は「SEIKYO」「セイキョー」の文字構成からして、これに接する取引者、需要者は、前記「生協」の欧文字表記及び片仮名表記を表したものと容易に認識し理解されるとみるのが自然であり、本件商標は「生協(生活協同組合)」の観念を想起せしめるものというべきである。

一方、引用商標は、それぞれ「SEIKO」及び「SEIKO」「セイコー」の文字よりなるところ、申立人の提出に係る証拠によれば、申立人が時計について使用する商標として、周知著名となっているものといい得るものであり、これよりは「セイコー」の称呼を生ずると共に、時計の製造販売会社として著名な申立人「セイコー社」の観念を想起せしめるものというべきである。このことは、本件商標の指定商品に係る取引者、需要者の間にあってもいえる。

しかして、本件商標から生ずる「セイキョー」の称呼と引用商標から生ずる「セイコー」の称呼とは、語頭部において「セイ」の音を共通にし、共に比較的短い音構成よりなるにしても、両商標は上記のとおり、その観念に明らかな差異を有することから、それぞれを一連に称呼するときは全体の語調語感が異なり、相紛れるおそれはないものであり、また、本件商標は、時計の製造販売会社として著名な申立人「セイコー社」の観念を想起せしめるものであるのに対し、引用商標は、「生協(生活協同組合)」の観念を想起せしめるものであるから、両商標は観念においても明らかな差異を有するものである。

そして、本件商標と引用商標とは、外観において語尾部の欧文字部分「Y」の有無であるとしても、実際の取引の場において両商標に接する取引者、需要者は、上記のとおり両商標が観念において明らかな差異を有することからすれば、それぞれの全体から受ける印象が異なるものとなり、直ちに引用商標を想起するものとはいい難く、外観において紛れるおそれはないものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について

上記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異のものというべきであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものというのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(3)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について

上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは別異のものであり、本件商標をその指定商品に使用しても出所の混同を生ずるおそれがないものであるから、申立人に係る引用商標の周知著名性が希釈化されたり、その顧客吸引力が毀損されるおそれもないとうべきであって、本件商標は不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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