Trademark Appeal Case
称呼類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90566(T2006−90566/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4975720号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成17年8月1日に登録出願され、第32類「ビール」を指定商品として、同18年8月4日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
(1) 引用商標
登録異議申立人サントリー株式会社(以下「申立人」という。)は、平成17年3月3日に登録出願され、「SUNTORY AQUAVITAE」の欧文字と「サントリー アクアヴィーテ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第33類「ウィスキーその他の蒸留酒」を指定商品として、同17年9月9日に設定登録された登録第4893472号商標(以下、「引用商標」という。)を引用している。
(2) 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、図形、アラビア文字及び「Aqua Vita」の文字を三段に併記してなり、「アクアヴィタ」或いは「アクアヴィテ」という称呼で特定される。一方、引用商標は「SUNTORY AQUAVITAE」と「サントリー アクアヴィーテ」とを二段に併記してなる。引用商標を構成する「SUNTORY」及び「サントリー」は引用商標権者の商号部分を表すものであり「AQUAVITAE」と「アクアヴィーテ」の部分が単独でも識別機能を発揮する。よって、本件商標と引用商標とは称呼を共通にするか、少なくとも語尾音において、同行音「タ」と「テ」の相違があるに過ぎないし、「Aqua Vita」と「AQUAVITAE」は、「命の水」という同一の観念を有するが故に、両商標は称呼及び観念において類似し、指定商品「ビール」と「ウイスキー」は類似する商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、本件登録は取り消されるべきものである。
3 当審の判断
本件商標は、別掲のとおり図形の下にアラビア文字、その下に「Aqua Vita」の欧文字を横書きしてなるところ、構成中の「Aqua Vita」の欧文字は、太字で斜めに傾斜をさせた書体でそれ自体が独立して目立つように書されているものであるから、該文字部分より生ずる「アクアヴィタ」の称呼をもって取引に資されるものとみるのが自然である。
そうすると、本件商標は、「Aqua Vita」の文字に相応して、「アクアヴィタ」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。
そして、本件商標の構成中の「Aqua」の文字はラテン語で「水」、「Vita」の文字は「命」をそれぞれ意味するものではあるが、「Aqua」の文字は一般に知られているとしても、「Vita」の文字は「命」を意味する語として一般に知られているとはいえないものであるから、これに接する取引者・需要者は「Aqua Vita」の構成文字全体を特定の意味を有しない一種の造語として認識し、把握するとみるのが相当である。
一方、引用商標は、前記に示すとおり「SUNTORY AQUAVITAE」の欧文字と「サントリー アクアヴィーテ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるところ、下段の片仮名文字は、上段の欧文字の読みを表したものと容易に理解できるものであるが、構成各文字は、同書・同大で外観上、まとまりよく一体的に表されており、これより生ずる「サントリーアクアヴィーテ」の称呼もよどみなく一気に称呼し得るものである。
そして、その構成中の「AQUAVITAE」の文字は、「火酒:ウィスキー、ブランデーなど」〔小学館ランダムハウス英和大辞典第二版(1999年1月10日発行)〕を意味することからすると、指定商品「ウィスキーその他の蒸留酒」との関係においては、自他商品の識別標識としての機能が極めて弱いといえるものであるから、かかる構成においては、引用商標は、構成中の「SUNTORY」及び「サントリー」の文字が申立人の商号として一般に知られているとしても、構成中の「AQUAVITAE」及び「アクアヴィーテ」の文字のみが独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮し、この文字部分をもって取引に資されるものとは認め難いものである。
そうであるならば、引用商標は、「アクアヴィーテ」のみの称呼は生じないとみるのが相当であり、「サントリー火酒」程の観念を生ずるとみるのが相当である。
してみれば、引用商標から「アクアヴィーテ」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼において類似するということはできない。
また、本件商標と引用商標は、観念において比較することはできないものであり、それぞれの構成に照らし外観上明らかに区別し得る差異を有するものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても非類似の商標といわなければならない。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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