Trademark Appeal Case
工法名称の識別力と周知性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900023(T2007−900023/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4997792号商標(以下「本件商標」という。)は、「パイプフォーメーション工法」の文字を標準文字で書してなり、平成18年4月26日に登録出願、第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成18年10月20日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
(1)本件商標は、「パイプフォーメーション工法」の文字を普通に用いられる方法で表示する標章であって、その指定役務に慣用されている商標である。また、本件商標は、その指定役務の態様、提供の方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。さらに、本件商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第1号ないし同第3号及び同第6号に該当する。
(2)また、本件商標は、他人の業務に係る役務を表示するものとして需要者間に広く認識されている商標をその指定役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)よって、本件商標の登録は、取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第1号ないし同第3号及び同第6号について
甲第2号証(「下水道管路施設 維持管理積算資料〔改訂版〕」平成4年10月1日、下水管路維持協会発行)及び甲第3号証(「下水道管路施設 維持管理マニュアル〔後編〕」1997年5月1日、(社)日本下水道管路維持管理業協会発行)によれば、「パイプフォーメーション工法」の語が使用されている事実が認められる。
しかしながら、上記証拠に記載された「パイプフォーメーション工法」の語は、甲第2号証の「序にかえて」において、「広範にわたる各種工法が、必ずしも満足できるほど実績として存在しているものでないだけに、積算内容がすべての実態に“適合”するか、となれば、かなり厳しい選択にせまられることも考えられます。したがって、ご利用になられる関係者においても、このような事情を十分に精査,研究のうえ、後顧に憂いを残さないよう適切工法をご採択されることを念願するものであります。」と記載されているように、管路施設の補修・改築における工法の一つを紹介するものと認められるところ、各種工法ごとに、その工法を実施しようとする工事施工業者を会員とする業界団体が設立されているこの種役務の取引の実情を考慮すれば、ただ単に「パイプフォーメーション工法」の語が記載されている頁のみを抜粋して複写した上記証拠のみをもって、直ちに「パイプフォーメーション工法」の語が、下水道工事の普通名称であるとか、その業界において慣用的に使用されている商標であるとか、あるいは役務の質を表示するものであるということはできないし、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標ということもできない。他に上記認定を覆すに足る証拠は見出せない。
したがって、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の上記条項に関する主張は、失当というべきものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
申立人は、申請者を申立人とする平成18年12月22日付け「建設工事施工実績証明書」(甲第4号証)を提出し、申立人が工事請負した下水道修繕工事に「パイプフォーメーション工法」を用いたから、本件商標は、他人の業務に係る役務を表示するものとして需要者間に広く認識されている商標をその指定役務について使用するものであって、商標法第4条第1項第10号に該当する旨主張する。
しかし、前記(1)のとおり、本件商標の指定役務の分野においては、各種工法ごとに、その工法を実施しようとする工事施工業者を会員とする業界団体が設立され、会員であれば、「パイプフォーメーション工法」なる工事を施工することが可能であるばかりでなく、甲第4号証のみをもって、「パイプフォーメーション工法」が申立人の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、この種役務の分野において、広く認識されていたものとは到底認めることができない。
したがって、申立人の上記主張も失当である。
(3)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第1号、同第2号、同第3号及び同第6号並びに同法第4条第1項第10号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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