Trademark Appeal Case
外国周知商標の悪意登録
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90618(T2005−90618/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4892751号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成17年2月28日に登録出願、第44類「美容,理容,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,医療用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」を指定役務として、同年9月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立の理由の要点
本件商標は、他人の業務に係る役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている別掲2及び「3HO」の各標章と類似する商標であって、不正の目的をもって使用をするものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に該当するから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。
3 本件商標に対する取消理由(要旨)
当審において、平成18年12月4日付けで商標権者に対して通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
(1)甲第1号証ないし甲第6号証及び登録異議の申立ての理由を総合すると、登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、Kundalini Yoga(クンダリーニ ヨーガ)の師であるYogi Bhajan(ヨギ バジャン)により、1969年(昭和44年)にアメリカ合衆国ニューメキシコ州で設立され、クンダリーニ ヨーガを通して、人々の健康等を手助けする活動を行っている非営利団体であること、申立人は、1976年(昭和51年)に、クンダリーニ ヨーガの指導者の資格を発行する機関であるKundalini Research Institute(クンダリーニ リサーチ インスティテュート;KRI)を設立し、さらに、1994年(平成6年)に、クンダリー ヨーガの指導員のための国際的な協会であるIKYTAを設立したこと、KRI認定の指導者は、アメリカ合衆国を中心に世界各地で活動をしていること(2006年2月14日の時点において、例えば、アメリカ合衆国のニューメキシコ州、カリフォルニア州、ニューヨーク州の3州を合わせ、300人以上存在し、カナダにおいては、約100人存在する。その他、ドイツ、スペイン、オーストラリア、日本などにも存在する。;甲第4号証)、申立人及びKRI認定の指導者は、その活動に係るヨーガを表示するための標章として、(a)ヨーガの姿勢をとる3人の人物図形とその上の円輪郭内に書された(b)とを組み合わせた構成よりなる標章であって、本件商標にきわめて近似する標章、(b)「3HO」の文字よりなる標章を使用していることなどが認められる。
上記状況からすると、上記(a)及び(b)の各標章は、申立人及びKRI認定の指導者の活動に係るヨーガを表示するための標章として、本件商標の登録出願前より査定時に至るまで、少なくともアメリカ合衆国やカナダ等において、その需要者の間に広く認識されていたものとみるのが相当である。
(2)本件商標は、前記(1)で認定したとおり、申立人及びKRI認定の指導者の活動に係るヨーガを表示するための標章として、本件商標の登録出願前より査定時に至るまで、少なくともアメリカ合衆国やカナダ等において、その需要者の間に広く認識されていた前記(a)及び(b)の各標章に類似する商標というべきものである。
(3)甲第4号証(30頁)及び甲第5号証によれば、本件商標権者は、1988年に、アメリカ合衆国ロスアンゼルスにおいて、申立人の活動に参加し、ヨギ バジャンの指導を受け、2005年春よりクンダリーニ ヨーガの一般指導を開始したなどの経歴があり、申立人の活動に深く関わっていたことが認められ、したがって、前記(a)及び(b)の各標章についても熟知していたものと優に推認することができる。
そうすると、本件商標権者は、申立人がわが国において、本件商標の指定役務について、前記(a)及び(b)の各標章を登録していないことを奇貨として、これらと酷似する構成からなる本件商標を先取り的に登録出願し登録を得たものと解さざるを得ない。
(4)以上によれば、本件商標は、申立人の活動に係る役務を表示するものとして、少なくとも外国における需要者の間に広く認識されている標章と類似する商標であって、不正の目的をもって使用するものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものというべきである。
4 当審の判断
本件に関し、審判長は、商標権者に対し、前記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もなかった。
そして、前記3の取消理由は、妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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