Trademark Appeal Case
指定商品類否と登録経緯
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90030(T2006−90030/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4901853号商標(以下「本件商標」という。)は,平成16年7月1日に登録出願,「seroTec」の欧文字を横書きしてなり,第1類「蛋白質の解析用試薬(医療用及び獣医科用のものを除く),科学研究に用いられる抗体(医療用及び獣医科用のものを除く),その他の化学品」を指定商品として,同17年10月21日に設定登録されたものである。
2 引用商標
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2179558号商標(以下「引用商標」という。)は,「セロテック」の片仮名文字と「serotec」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり,昭和59年11月8日に登録出願,第1類「臨床検査薬,研究用試薬」を指定商品として,平成元年10月31日に設定登録,その後,同11年6月8日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
3 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,その登録を取り消すべきものである。
4 取消理由通知
審判長が商標権者に対し,相当の期間を指定して通知した取消理由は,要旨以下のとおりである。
本件商標と引用商標とは,上記のとおり,「serotec」の欧文字の綴り字を同一にするものであるから,両商標は,その称呼及び観念を共通にする類似する商標といわなければならない。
また,本件商標の指定商品は,上記したとおりであるところ,引用商標の指定商品中の「研究用試薬」は,本件商標の指定商品の「化学品」の範ちゅうに属するものというを相当とする。
したがって,本件商標は,引用商標と称呼及び観念を同一にする類似する商標であり,且つ,指定商品において抵触するものであるから,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
5 商標権者の意見
引用商標の権利化の経緯について詳細に調べたところ,引用商標は,昭和34年法分類「第1類 臨床検査薬,研究用試薬,医療補助品,その他本類に属する商品」を指定商品として,昭和59年11月8日付けにて商標登録出願され,昭和60年11月29日付けで,登録第1393396号商標及び登録第1710269号商標を引用する拒絶理由通知書を受け,昭和61年2月22日付け提出の手続補正書により,指定商品が補正されるとともに,同日付け提出の意見書により,登録第1710269号商標とは,指定商品が抵触せず,登録第1393396号商標とは,商標が非類似である旨述べた結果,登録に至ったものである。
登録第1710269号商標は,「セロタック」の片仮名文字よりなり,指定商品を昭和34年法分類「第1類 化学品(但し、のり及び接着剤を除く)」とするものであり,かかる経緯よりすれば,引用商標は,「化学品」に抵触する指定商品を削除することで登録を得たことが明白である。
してみれば,権利化後に「化学品」の範ちゅうに属する商品に対して権利が及ぶとは考えられず,且つ,当該事情を有するにもかかわらず「化学品」の範囲にとどまる本件商標の登録に異議を申し立てることは,信義誠実の原則に反し,許されないものと確信する。
以上の次第より,本件商標が引用商標と類似するとは,到底判断し得ないものと確信する。
6 当審の判断
本件商標は,前記4「取消理由通知」で述べたとおり,引用商標と称呼及び観念を同一にする類似する商標であり,且つ,指定商品において抵触するものであるから,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
したがって,本件商標は,同法第43条の3第2項の規定に基づき,その登録を取り消すべきである。
なお,商標権者に述べるところがあるが,異議申立制度は,当事者間の争いを解決することを目的とするものではなく,特許庁が自ら登録処分の適否を審理し,瑕疵ある場合には,その是正を図るというものであるから,その登録の経緯その他の事情にかかわりなく,取り消すべき理由がある以上,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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