Trademark Appeal Case
「和じゅれ」の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90306(T2006−90306/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4941560号商標(以下、「本件商標」という。)は、「和じゅれ」の文字を標準文字で表してなり、平成17年8月23日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同18年3月31日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
本件商標は、「和風」ということの表現に使用される「和」の文字と、「ゼリー(jelly)」と同義に係る仏語「gelee」の表音「ジュレ」を平仮名文字により表した「じゅれ」とを結合したものと認められる。そして、「和」、「じゅれ」の各文字については、本件指定商品を取り扱う分野において、「商品の風味が和風であること」、「ゼリー」をそれぞれ意味するものとして普通に使用されている(甲第2号証ないし甲第10号証)。
さらに、「和風」とされる「ジュレ」なるものについても少なくなく(甲第11号証及び甲第12号証)、また「和風のゼリー」というべき商品について、「和ジュレ」の文字の使用例をみることもできる(甲第13号証)。
そうとすると、「和じゅれ」の文字は、その指定商品との関係上、「和風のジュレ」ないし「和風のゼリー」ということを理解させるにすぎず、よって、本件商標は、これをその指定商品中の「和風のジュレ」ないし「和風のゼリー」に使用するときは、これに接する者に当該商品の品質を認識させるにとどまり、他方、これをその指定商品中の前記商品以外の商品に使用するときは、当該商品があたかも「和風のジュレ」ないし「和風のゼリー」であるかのように、その品質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 本件商標に対する取消理由
当審において、平成19年3月1日付けで商標権者に対して通知した取り消し理由は、要旨次のとおりである。
登録異議申立人提出に係る証拠及び職権による調査によれば、以下の事実が認められる。
(1)「和」の文字が日本製や日本風などの意を表す語であることは顕著な事実(例えば広辞苑参照)といい得るところである。そして、菓子業界においては、「和プリン」「和スイーツ」のように「和〇〇」として、商品の普通名称等の「〇〇」の前に「和」の文字を冠して、和風の商品であることを表すのに「和」の文字が使用されていること(甲第2号証ないし甲第7号証)。
(2)「ジュレ」が仏語「gelee」に由来し、ゼリー(菓子)の意を表すこと(甲第1号証、甲第8号証)。
(3)「青梅と特製黒糖を使用した和風ジュレ」(甲第11号証)、「葛と寒天を使って仕上げた和風ジュレはみずみずしさ満点!」(甲第12号証)のように、「和風ジュレ」と称する商品が現に取引場裡に存在すること。 (4)和風のジュレについて、当該商品を「和ジュレ」と表記している事実があること(甲第13号証)。
(5)そして、「プリン」を「ぷりん」というように、片仮名表記が通例と思われる商品名を平仮名で表記している例があること(甲第6号証)。
以上よりすれば、「和じゅれ」の文字は、菓子等の取引者・需要者によって、和風のゼリーの意をもって容易に理解されるものというのが相当である。
そうしてみると、本件商標をその指定商品中「和風のゼリー」に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、これを商品の品質を表示したものとして把握・理解するに止まり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきである。また、本件商標を、その指定商品中前記以外の商品に使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
平成19年3月1日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。そして、前項3の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものと認められる。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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