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Trademark Appeal Case

周知商標の混同判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90437(T2006−90437/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4957812号商標の指定商品中、第8類「手動利器(「刀剣」を除く。)」についての商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4957812号商標(以下「本件商標」という。)は、「Habilis」の欧文字と「ハビリス」の片仮名文字とを二段に横書きしてなるものであり、平成17年10月19日に登録出願、「手動利器(「刀剣」を除く。)」他の第8類に属する商品のほか、第3類、第5類、第10類、第11類、第12類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同18年6月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点

「ハビリス」「Habilis」は、登録異議申立人である「ユジン メタルリルジク ドゥ ヴァロルブ エス.アー.」(以下「バローベ社」又は「申立人」という。)が、その取扱商品「ヤスリ」に使用している商標[「ハビリス」、「Habilis」又は「HABILIS」](以下、これらをまとめて「引用商標」という。)として本件商標の登録出願(平成17年10月19日)前より当該分野の需要者に広く知られている。

よって、本件商標をその指定商品中、「手動利器(「刀剣」を除く。)」に使用する行為は、商標法第4条第1項第10号に該当し、かかる使用は申立人の業務に係る商品と混同を生ぜしめるおそれがあるから、同法第4条第1項第15号に該当する。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、「手動利器(「刀剣」を除く。)」について取り消されるべきである。

3 当審において通知した取消理由

(1)「ハビリス」、「Habilis」又は「HABILIS」という申立人の引用商標がその取扱商品「ヤスリ」に使用されている事実について

(ア)1983年(昭和58年)12月14日付けの「輸入元 シイベル機械株式会社」のカタログ中の「スイス・バーロベ社の精密やすり」という表題下の6頁(2枚目)には、「組ヤスリ(鉄工タイプ5本組)“ハビリス”」、「“ハビリス”」というように引用商標がヤスリの写真とともに表示されている(甲第4号証)。

(イ)2000年(平成12年)3月17日、同月27日、同年7月17日、同年9月25日、同年11月8日、2001年(平成13年)2月19日、同月19日、同年4月30日、同年9月18日、同年12月3日、2002年(平成14年)4月25日、同年6月12日、同年10月2日、同年11月26日、2003年(平成15年)9月30日、同年11月4日、2004年(平成16年)5月11日、同年6月29日、同年8月31日、同年11月23日、2005年(平成17年)4月5日及び同年6月29日の各日付けで、申立人から、現在の日本輸入総代理店「シイベルヘグナー社」(英文表記:SIBER HEGNER & CO.AG)に対して、商品「ヤスリ」(記号番号LH2501−1,LH2601−00〜−1,LH2602−00〜−1,LH2607−00〜−1,LH2608−00,LH2627−00〜−1,RA2727−3,LH2901−00)を船便で送付したことを示す21件のインボイス中には、「Quantity/Shipped」(数量/船積み)、「Price」(価格)、「Rebate」(リベート)及び「Amount/Total」(総金額)という各欄への記述のほか、「Item/Description」(商品/記述)欄に、「HABILIS FILE PILLAR」、「HABILIS MULTIFILE PILLAR」、「SET 5 HABILIS FILES」、「HABILIS FILE HALFROUND」、「HABILIS FILE THREE SQUARE」(ハビリス・ヤスリ,ハビリス・多機能ヤスリ,5組セット・ハビリス・ヤスリ,ハビリス・ヤスリ半丸,ハビリス・ヤスリ三角)というように引用商標が表示されている(甲第5号証)。

(ウ)申立人の元日本輸入総代理店である「シイベル機械株式会社」の「新製品」カタログにおける1枚目には、「スイス バローベ社 5本組ヤスリ」という表示及び5本のヤスリの写真とともに、「Habilis ハビリス」という引用商標が大きく表示されている。

また、同2枚目には、「5本組セット」、「単品1ダース箱入り」という表示及び5本のヤスリの写真とともに、「ハビリス ― 機能性に富んだ使いやすい5本組セット」、「ハビリス」、「ハビリス Habilis」又は「The Habilis−vallorbe file」というように引用商標が表示されている(以上、甲第6号証の1)。

同4枚目の「価格表」欄には、「2601平,2602半丸,2610丸,2608角,2607三角,26275種セット」という商品の種類を示す表示の上に、「ハビリス」という引用商標が表示されている(甲第6号証の2)。

(エ)’98年版の「FFC FUKUSHIMA FILE Co.Ltd.」の「世界のヤスリ 総合カタログ」及び’06年版の同カタログ Ver.2の各2枚目(4頁)の各「スイス バローベ社 vallorbe 精密ヤスリの最高峰」という表題下の各3.の項には、いずれも「ハビリス[日本の組ヤスリ(5本組)相当品]というように引用商標が商品名と併せて表示されている(甲第7号証の1及び2)。

同3枚目(5頁)の「鉄工ヤスリ」という表題下にも「スイス バローベ社 5本組(ハビリス)]というように引用商標が商品名と併せて表示されている(甲第7号証の3)。

(オ)「EXCELLENT TOOLS’89優秀工具カタログ」という表題下の2枚目(8頁)の「バローベ社製品」の5〉項には、「ハビリス(日本式の5本組ヤスリ)・ステンレス用」というように引用商標が商品名と併せて表示されている(甲第7号証の4)。

(カ)「THE TOOLS CATALOGUE BY JEWELRY MAKING 宝飾用工具カタログ TOOL」というカタログの3枚目(83頁)の「YA−205」欄には、5本のヤスリの写真とともに、「ハビリス 鉄工ヤスリ 5本セット 2627 スイス・バローベ社製」、「Habilis」及び「vallorbe」というように引用商標が表示されている。

同4枚目(84頁)の「YA−210」欄には、1本のヤスリの写真とともに、「ハビリス マジカットヤスリ」、「Habilis」及び「vallorbe」(スイス製)というように引用商標が表示されている。

同5枚目(85頁)の「YA−335」欄には、5本のヤスリの写真とともに、「ハビリス オニ目ヤスリ 5本セット バローベ社製」、「Habilis」及び「vallorbe」(スイス製)というように引用商標が表示されている(以上、甲第7号証の5)。

(キ)販売店「DAIKI」の「エレクトロニクス/静電対策商品/整備・機械工具/金型・配管関連」というカタログの4枚目(138頁)の5〉欄には、5本のヤスリの写真とともに、「ハビリス(日本式の5本組ヤスリ)・ステンレス用」というように引用商標が商品名と併せて表示されている(甲第7号証の6)。

(ク)ヤスリメーカーの「ツボサン株式会社」の「TSUBOSAN Steel Files Catalogue Vol.6」というカタログの2枚目(64頁)の4項には、5本のヤスリの写真とともに、「ハビリス Habilis」という引用商標が表示されている(甲第8号証の1)。

(ケ)TSUBOMIYAこと、ヤスリメーカーの「株式会社宮中鈩製作所」の「ヤスリ規格表」の2枚目(11頁)の下欄には、「ハビリス(日本式の5本組ヤスリ)・ステンレス用」というように引用商標が商品名と併せて表示されている(甲第8号証の2)。

2005年12月付け同社の「削る・磨く・切る 製品価格・規格表’05」の2枚目(19頁)における「スイス・バローベ社製ヤスリ」欄には、「ハビリス(日本式の5本組ヤスリ)・ステンレス用」というように引用商標が商品名と併せて表示されている(甲第8号証の3)。

(2)以上の事実及び甲第2号証及び甲第3号証の内容をも併せ総合勘案すれば、申立人は、商品「ヤスリ」とりわけ「日本式の5本組ヤスリ」について、「ハビリス」又は「Habi1is」あるいは「HABILIS」という文字よりなる引用商標を少なくとも1983年12月14日以降、継続的に使用しており、その結果、引用商標は、商品「手動利器(刀剣を除く。)」に含まれるわが国の「ヤスリ」関連の取引者、需要者の間において、申立人の出所を表示する標識として広く認識されるに至り、その状況は、本件商標の登録出願時(平成17年10月19日)ないし登録査定時(同18年4月26日)においても継続していたものと認めることができる。

(3)本件商標と引用商標との類否

そこで、本件商標と引用商標との類否について判断するに、本件商標は、上述1のとおり、「Habilis」の欧文字と「ハビリス」の片仮名文字とを二段に横書きした構成よりなるから、これよりは「ハビリス」の称呼を生ずるものである。

他方、申立人の引用商標「ハビリス」又は「Habi1is」あるいは「HABILIS」からも、同様に「ハビリス」の称呼を生ずることは明らかである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、「ハビリス」の称呼を同じくする同一又は類似の商標といわなければならず、しかも、本件商標の指定商品中の「手動利器(刀剣を除く。)」は、申立人が引用商標を使用する商品「ヤスリ」を包含する同一又は類似の商品と認められるものである。

そうとすれば、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似する商標であって、その使用に係る商品又はそれに類似する商品について使用をするものといわなければならない。

したがって、本件商標は、その指定商品中の「手動利器(刀剣を除く。)」の登録について、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものである。

4 当審の判断

本件に関し、審判長は、商標権者に対し、平成19年2月23日付けで上記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もなかった。

そして、上記3の取消理由は妥当なものと認められる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものといわなければならないから、本件商標の登録は、この取消理由によって、その指定商品中、第8類「手動利器(刀剣を除く。)」について、商標法第43条の3第2項の規定に基づき取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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