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Trademark Appeal Case

じんわりの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−14269(T2006−14269/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「じんわり」の文字を標準文字で表してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、平成17年8月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は「本願商標は、『じんわり』の文字を標準文字により書してなるところ、株式会社岩波書店が発行した『広辞苑(第5版)』によれば『じんわり』の語は『おだやかにじっくりと進行または圧迫するさま』を意味するものであるから、指定商品との関係においては『化粧品の効果がおだやかにじっくりと進行する』程度の意味合いを容易に看取させるものであり、これを指定商品中上記文字に照応する商品、例えば『クリーム等の化粧品』に使用するときは、単に、商品の品質、効能を表示したものと理解されるにとどまり、自他商品の識別標識として機能し得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨を認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり「じんわり」の文字よりなるところ、該文字は、「おだやかにじっくりと進行または圧迫するさま。じわり。」(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)又「ゆっくり少しずつ確実に、物事が進んだり、現象が表れたりする様子。『じわり』のように圧迫感はなく進み方がゆっくりでやわらかい感じを伴う。」(暮らしのことば 擬音・擬態語辞典)の意味を有する語として、一般に理解され、使用されているものである。

そして、本願の指定商品中、化粧品等との関係においても、「じんわり」の語は、その効果がゆっくり発揮する様子を表すものとして使用されているものであり、このことは、例えば、平成17年12月15日付け刊行物等提出書に記載の他にも、以下のインターネットのホームページ及び商品の宣伝広告等の記載により首肯することができるものである。

(1)「【楽天市場】お肌に張りと潤い!じんわり集中保湿!エルファーCQ10フェイスマスク:ゴールドマジック」の見出しのもと「そのまま5分〜10分置きます。じんわりと潤い成分が浸透していきます。」(http://item.rakuten.co.jp/cbc-kyoto/qm-120/)の記載。

(2)「チェンジ エッセンスホワイト (昼夜用美容液)」の見出しのもと「従来品よりも、さらに美容成分CoQ10(コーキューテン) が加わりパワーアップ!お肌に潤いをじんわり届け、透明感あるお肌をサポートします。」(http://www.shopch.jp/ComDetailShow.do?requestNo=225780)の記載。

(3)「ホットクリア 温熱毛穴 おそうじジェル 6回分」の見出しのもと「発熱効果で、小鼻の毛穴をじんわり開く。」(http://www.kenko.com/product/item/itm_8451182072.html)の記載。

(4)「日本商品の海外向け通販カテゴリ別−化粧品 花王ソフィーナ−メイクアップ−AUBE」の見出しのもと「とろりとやさしくのびて、贅沢なうるおいが、じっくり、じんわり、くちびるに浸透。」(http://www.japantown.jp/?mode=2&category=m23&id=4300)の記載。

(5)「「ケンコーコム」のホームページにおいて「M-VCジェル・・・商品説明文・・・温感ジェルがじんわり浸透してくすみに働きかけます。」(http://www.kenko.com/product/item/itm_8321781072.html)の記載。

これらの事実を総合的に勘案すれば、本願商標「じんわり」の文字は、化粧品等がその温熱や浸透性により、おだやかにじっくりと効果・効能を発揮すること程の意味合いを端的に表すものとして普通に使用されている実情にあると認められるものである。

してみれば、本願商標を指定商品中、例えば、美容液のように温熱効果や浸透性により、おだやかにじっくりと効能を発揮する商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質、効果、効能を表したものとして認識、理解するに止まるものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たす商標とは把握し得ないものといわなければならない。

また、本願商標をその指定商品中、前記したおだやかにじっくりと効果が発揮される商品等以外の商品について使用した場合には、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものというべきである。

なお、請求人(出願人)は、「本願商標は、漠然としたイメージを想起させるにすぎないものであって、特段の意味合いを直ちに想起させるものではない。」と述べるとともに、登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張している。

しかしながら、商標法3条1項3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきであり、本願商標は、前記認定のとおり、商品の品質、効能等を記述したものとして理解されるものである。そして、同号の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、指定商品の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるべきものであって、過去の登録例に拘束される理由はないものであるから、上記、請求人の主張は、採用することができない。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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