Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−17677(T2006−17677/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「カラーインクセーブ」の文字を標準文字で表わしてなり、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品として、平成17年10月5日登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『カラーインクセーブ』の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中の『セーブ』の文字が『節約』等を意味するものであって、全体として『カラーインクの節約』の意味合いを看取させるものであるから、これをその指定商品中『写真複写機,製図用又は図案用の機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品』に使用するときは、『カラーインクを節約する写真複写機・製図用又は図案用の機械器具・テレプリンター・コンピュータ用プリンタ』を認識させるに止まるものであって、単に商品の品質・機能・内容を表示するものとしか認識されないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標の文字に照応する上記『カラーインクを節約する写真複写機・製図用又は図案用の機械器具・テレプリンター・コンピュータ用プリンタ』以外の『写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品』に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1) 本願商標は、「カラーインクセーブ」の文字からなるところ、構成中の「カラー」の文字は「色。色彩。(モノクロームに対して)色がついていること。」、「インク」の文字は「筆記または印刷に用いる有色の液体。」(いずれも「広辞苑第5版」)、そして「セーブ」の文字は「節約する。抑制する。蓄える。救う。助ける」等の意味を有する語(2006年4月30日株式会社集英社発行「imidas現代人のカタカナ語欧文略語辞典」)としてそれぞれよく知られているものであり、本願商標は、これらの語を組み合わせたものと容易に認識されるものである。そうとすれば、かかる語を結合してなる本願商標からは、それぞれの意味合いからして、全体として「カラーインクを節約する」程の意味合いを容易に想起させるというべきである。
ところで、「写真複写機・製図用又は図案用の機械器具・テレプリンター・コンピュータ用プリンタ」は、最終的にはプリントアウト(コンピュータ等で作成した内容を印刷物として出力すること)するために使用される商品であるが、最近では、会社における資料等の印刷のほか、家庭においても資料、名刺、年賀状等の印刷、さらにはデジタルカメラで撮影した写真の印刷までもが普通に行われている実情にあり、会社、家庭を問わず、カラー印刷が一般的となっている。そして、これらの商品に求められている機能は、印刷がより鮮明にできることはもちろん、そのために使用されるインクの消費量にも、消費者の強い関心がおかれているところであり、例えば、インクの使用量を減らして印刷が可能にできる機能を備えたものがあり、実際に使用されるインクの使用量を節約する機能について、「カラーインクセーブ」、「インクセーブ」、「セーブ」の語を使用している取引の実情があること、さらに、印刷するための機械にインストールすることでインクを節約することができる電子計算機用プログラムも販売されていることについては、請求人自身のものを含めた以下にあげるインターネットホームページの情報から、その一端を窺い知ることができるものである。
(ア)「安川情報システム株式会社」の「公共機関向け節約印刷ソフトウェア/印刷上手ECO」を紹介するホームページ(http://www.ysknet.co.jp/product/type/sc-inet/insatsu/index.html)には、「プリントアウト時のインク使用量を25%〜75%削減します。・・・プリンタのインク・トナー使用量を節約/印字品質を高品位のままにインクをセーブ。プリンタで使うインク量を適切な濃度にコントロールし、インクカートリッジの寿命を延ばし、交換時期を最大4倍に延ばすことができます。(75%セービング時) 写真印刷やドキュメント印刷など、全ての印刷用途に利用可能です。・・・インクセーブ量はいつでも簡単に変更可能です。」及び「こんなに節約/インク削減機能・・・50%インクセーブ印刷すると30円/枚→15円/枚/インク使用量は2分の1に」の記載。
(イ)「RICHOのジェルジェットプリンターIPSiO G/GX」についての「よくあるご質問−FAQ−〉インクを節約して印刷する方法(Mac OS X)」を紹介するホームページ(http://www.ricoh.co.jp/support/faq/geljet/GJ05039.html)には、「Machintoshでインクを節約して印刷するには、『カラーインクセーブ』機能を有効にして印刷を行います。この機能は、ブラックインクを含めた全てのインク量を落として印刷することができます。」の記載。
(ウ)「パイオニアコミュニケーションズ株式会社」の「商品情報/モノクロ印刷用カートリッジ及びカラー印刷用カートリッジ」を紹介するホームページ(http://www.pioneer-pcc.jp/product/LP900/ink.html)には、「ご用途に応じたカートリッジをお使い下さい。・・・ファクシミリ、コピーとしてご活用される際に必要なモノクロ印刷カートリッジは本体に付属しております。PCプリンタとしてカラー印刷を行う場合には、別売りのカラー印刷用カートリッジが必要です。」の記載、さらに、「ファクシミリ/コピー」と「PCプリンタ(カラー印刷)」それぞれの「印刷可能枚数/個」及び「インクコスト」の項目には、「標準」に並んで「インクセーブ」の枚数及び価格が記載。そして、「PCプリンタ(カラー印刷)」の「印字可能枚数/個」には、「標準」では「Color約35枚」に対し「インクセーブ」では「Bk約37枚」、「インクコスト」には、「標準」では「Color.約19.1円」に対し「インクセーブ」では「Bk.約9円」の記載。
(エ)「キャノン株式会社」の「コピー機 MultiPASS.B−20使用説明書を紹介するホームページ(http://cweb.canon.jp/manual/mp/b20/b20guide.pdf)には、「普通紙ファックス仕様」の項目に「インクセーブ機能 エコノミーモード(通常の約半分のインク量で受信ファックスを印刷)(白黒受信のみ)」及び「コピー仕様」の項目に「インクセーブ機能 白黒文字モードのとき、通常の約半分のインク量でコピー」の記載。
(オ)「ベクター」の「inksaver/印刷品位を落とさずにインク代を節約できる、印刷コスト削減ソフト」を紹介するホームページ(http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/040908/n0409086.html) には、「インクジェットプリンタで使用するインクの量をコントロールし、印刷品位を落とすことなく、インクを節約できるソフト。・・・フォト印刷や名刺などはともかく、一般的な文書の多くは常に最高の印刷品質を求められるというわけではない。下書きやレイアウト確認のための印刷などもかなりの頻度になると思うが、こうした文書だけでもインクをセーブできれば、費用削減の効果は決して少ないものではないだろう。」及び「スライドバーの操作で0〜75%までのセーブ率を設定できる。」の記載。
上記実情を総合勘案すると、本願商標を構成する「カラーインクセーブ」の文字は、その指定商品中、「写真複写機・製図用又は図案用の機械器具・テレプリンター・コンピュータ用プリンタ・電子計算機用プログラム」との関係においては、全体として「カラーインクを節約する」という商品の機能・内容を表したものと認識されるに止まり、これに接する取引者・需要者がこれを自他商品の識別標識としては認識し得ないものとみるのが相当である。
(2) 請求人は、「本願商標は、同書・同大・等間隔に表されており、全体から生ずる『カラーインクセーブ』の称呼も冗長に渡らず、一気一連に称呼できるものであり、『カラーインク』と『セーブ』を殊更に分断する理由もないから、一連の造語である」と主張しているが、本願商標は、その指定商品中の「写真複写機・製図用又は図案用の機械器具・テレプリンター・コンピュータ用プリンタ・電子計算機用プログラム」との関係からすると、構成文字全体で商品の機能・内容を表示したにすぎないものであること前記したとおりである。
また、請求人は、過去の登録例を挙げ本願もこれらと同様に登録すべきである旨主張しているが、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標の構成態様と指定商品とに基づいて、個別具体的に判断されるべきものであり、過去の登録例に拘束されるべき理由はないものであるから、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3) してみれば、本願商標は、これをその指定商品中「カラーインクを節約する写真複写機・製図用又は図案用の機械器具・テレプリンター・コンピュータ用プリンタ・電子計算機用プログラム」に使用するときは、単に商品の機能・内容を表示するにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、前記商品以外の「写真複写機,製図用又は図案用の機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に使用するときは、商品の機能の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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