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Trademark Appeal Case

「ゴミの110番」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−11703(T2006−11703/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ゴミの110番」の文字を標準文字で表してなり、第40類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成17年9月22日に登録出願、その後、当審における同18年6月8日付け手続補正書により、指定役務を第40類「廃棄物の収集・分別及び処分,廃棄物の再生,廃棄物圧縮装置の貸与,廃棄物破砕装置の貸与」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『ゴミの110番』の文字を標準文字で書してなるところ、後半の『110番』の文字が、『警察に事件などを通報する時の電話番号。警察緊急通報用電話。比喩的に、電話での相談・要請に応ずる組織を表す接尾語としても使う。』(『広辞苑第5版』 株式会社岩波書店発行)の意味を有する語として、一般に親しまれているものであることからすれば、本願商標に接する取引者・需要者は、これより『ゴミに関する相談・要請に応ずる組織』程度の意味合いを認識するに止まるというのが相当であるから、これをその指定役務中、当該意味合いに照応する役務(例えば「廃棄物の収集・分別及び処分,廃棄物の再生,廃棄物圧縮装置の貸与,廃棄物破砕装置の貸与」)に使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であると認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1) 本願商標の指定役務は、前記1のとおり補正された結果、これをそのいずれの役務に使用しても役務の質について誤認を生じさせるおそれはなくなったものと認められる。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとした原査定の拒絶の理由は解消した。

(2) 本願商標は、前記のとおり「ゴミ」と「110番」の文字を格助詞の「の」で結合して「ゴミの110番」と一連に書してなるものであるところ、構成中の「110番」は、「警察に事件などを通報する時の電話番号。警察緊急通報用電話。比喩的に、電話での相談・要請に応ずる組織を表す接尾語としても使う。」(広辞苑第5版)を意味する語として一般に親しまれているものであるから、構成文字全体からは、「ゴミに関する電話相談窓口」程の意味合いを表したものと認識し、理解されるとみるのが相当である。

ところで、最近では、ゴミの回収は分別収集が普通に行われるようになっており、また、ゴミの有料回収をきらっての粗大ゴミの不法投棄や産業廃棄物処理業者による有害な産業廃棄物の不法投棄、あるいは、資源ゴミの再利用化のための分別回収時において生じる回収業者同士のトラブル等ゴミに関する様々な問題が発生しており、一般の需要者の注目を惹いているところである。

そして、以下にあげる新聞記事及びインターネットホームページからの情報によれば、最近では、ゴミの諸問題に対処するため、「ゴミ110番」、「ごみ110番」、「ゴミの110番」と称するゴミに関する電話相談窓口が各地の市役所等のゴミを担当する部署に設けられている実情にあることを窺い知ることができる。なお、「ごみ110番」「ゴミ110番」と「ゴミの110番」は、「ごみ」と平仮名文字で表されているか「ゴミ」と片仮名文字で表されているかの違いと格助詞「の」の有無にすぎず、いずれも同義とみるのが相当である。

(ア)2003年1月30日付け中日新聞朝刊には、「生ごみ資源化 ガス化研究など提言 検討会が第一次案固める」の見出しのもと、「【愛知県】名古屋市の生ごみ資源化検討会は、二十九日、市に対する『第一次提言』案を固めた。・・・また、自主的に家庭用生ごみ処理機などを使う市民らの相談窓口として『生ごみ110番』の開設も提言している。」の記載。

(イ)2002年4月4日付け朝日新聞西部朝刊には、「分別用のごみ袋が売り切れ 鹿児島・阿久根市(青鉛筆)【西部】」の見出しのもと、「▽1日からプラスチック容器と空き缶の分別収集を始めた鹿児島県阿久根市で、市民から『分別用のごみ袋が売り切れていて買えない』という苦情が殺到している。▽新たに袋をつくったが、生産の遅れで入荷が少なかったようだ。市は従来の袋の使用を呼びかけるが、分別周知用に置いた『ごみ110番』の電話は鳴りやまない。」の記載。

(ウ)2001年4月12日付け毎日新聞地方版/愛知には、「家電リサイクル法施行 不法投棄急増で夜間パトロール−−尾西市/愛知」の見出しのもと、「家電リサイクル法の施行に伴い不法投棄が急増している問題で、尾西市は11日、職員が手分けして夜間パトロールを始めたほか、『ごみ110番』を設置して市民からの情報を呼びかける。・・・情報は市役所内線110番、ごみ対策室の『ごみ110番』で受け付ける。」の記載。

(エ)2000年7月16日付け読売新聞大阪朝刊には、「産廃処分場問題 桜井市、質問状に回答 市民団体『具体性に乏しい』=奈良」の見出しのもと、「桜井市の市民団体『桜井市の環境をまもる会』が同市内の産業廃棄物処分場について長谷川明市長へ提出していた質問状に対し、同市は同団体に回答を出した。・・・さらに、二十四時間体制の『ごみ110番』の設置要望については『二十四時間は無理。その都度、市民からの問い合わせに対して適切対応したい』とし、同会の運動に協力するかどうかについては明言を避けた。」の記載。

(オ)2000年6月13日付け毎日新聞地方版/奈良には、「桜井市の産廃処分場問題 長谷川明市長に対策質問状−−環境をまもる会/奈良」の見出しのもと、「市行政の立場でごみ110番の設置が出来るかなど10項目にわたり質問。」の記載。

(カ)1998年8月4日付け西日本新聞朝刊には、「福岡県/『袋大きい』が最多 市民団体がごみ110番まとめ 北九州市」の見出しのもと、「北九州市職労など二十七団体でつくる『ゴミ・環境問題を考える市民連絡会』は、三日、ごみ有料指定袋制がスタートした七月初めに開設した『ごみ一一〇番』の結果を発表した。これによると、電話件数は六十五件。」の記載。

(キ)1997年10月31日付け毎日新聞地方版/栃木には、「[タウンたうんTOWN]『ごみ110番』設置−−栃木市/栃木」の見出しのもと、「栃木市は27日からごみに関する相談を受け付ける専用電話『ごみ110番』を設置した。・・・分類方法をめぐっての問い合わせが同市環境衛生課に殺到。多いときには1日700件を越えることもある。」の記載。

(ク)1995年1月28日付け静岡新聞朝刊には、「ごみ行政への相談受けます−御殿場市が“110番”開設」の見出しのもと、「来年度から家庭から出るごみの処理を一部有料化する御殿場市は二十七日、市環境衛生課に『ごみ110番ダイヤル』を開設した。ごみ処理の有料化や昨年六月に導入した分別収集などの問い合わせをはじめ、ごみ行政全般への相談を受ける。」の記載。

(ケ)「長野県各種相談窓口一覧(H15.12.25)」を紹介するホームページ(http://park17.wakwak.com/~yodakubo-boukyou/soudannmadoguti.html) には、「相談窓口名称【実施機関】」の項目中に「不法投棄ホットライン(ゴミの110番)【長野県生活環境部廃棄物対策課廃棄物監視指導室】」、その「相談内容」の欄には、「不法投棄に関する情報の受付」の記載。

以上の実情からすると、「ゴミの110番」の文字からなる本願商標は、これをその指定役務について使用しても、これに接する取引者・需要者は、「ゴミに関する電話相談窓口」程の意味合いを表したにすぎないものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を発揮する商標を表したとは認識し得ず、何人かの業務に係る役務であることを認識できないものというのが相当である。

なお、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願もこれらと同様に登録すべきである旨主張しているが、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標の構成や態様と指定商品とに基づいて、個別具体的に判断されるべきものであり、過去の登録例に拘束されるべき理由はない。そして、本願商標は、前記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の上記主張は採用することができないものである。

(3) したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであり、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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