Trademark Appeal Case
称呼・外観の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−12003(T2006−12003/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「BICS」の欧文字を横書きしてなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし、平成16年7月13日に登録出願された商願2004−68897号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同17年7月12日に登録出願されたものである。
そして、その後、指定商品については、当審における同18年6月12日付け提出の手続補正書により、第5類「医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次の(1)ないし(11)のとおりである。
(1)登録第1197301号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和47年2月14日に登録出願、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、同51年4月26日に設定登録され、その後、3回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、平成18年11月29日に、指定商品を第16類「紙類,文房具類」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第2138123号商標(以下「引用B商標」という。)は、「B−ex」の欧文字と「ビークス」の片仮名文字を筆記体風に二段に併記してなり、昭和61年10月14日に登録出願、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、平成1年5月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第2174131号商標(以下「引用C商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和58年10月28日に登録出願、第19類「台所用品(電気機械器具、手動利器および手動工具に属するものを除く)日用品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、平成1年9月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(4)登録第2474025号商標(以下「引用D商標」という。)は、「B−ex」の欧文字と「ビークス」の片仮名文字を筆記体風に二段に併記してなり、昭和61年10月14日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成4年11月30日に設定登録、その後、商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、平成16年3月17日に、指定商品を、第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第21類「家事用手袋」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,マフラー,保温用サポーター,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(5)登録第3221771号商標(以下「引用E商標」という。)は、「ピクス」の片仮名文字を横書きしてなり、平成6年3月15日に登録出願、第16類「紙類」を指定商品として、同8年11月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(6)登録第4065477号商標(以下「引用F商標」という。)は、「PICS」の欧文字を横書きしてなり、平成7年12月20日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、同9年10月3日に設定登録されたものである。
(7)登録第4119008号商標(以下「引用G商標」という。)は、「BEEX」の欧文字と「ビークス」の片仮名文字を二段に併記してなり、平成8年4月5日に登録出願、第12類「船舶並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車,自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,車いす,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」を指定商品として、同10年2月27日に設定登録されたものである。
(8)登録第4657566号商標(以下「引用H商標」という。)は、「BEEX」の欧文字を標準文字で書してなり、平成14年3月19日に登録出願、第12類「船舶並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,車いす,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の軸・軸受け・軸継ぎ手・ベアリング,陸上の乗物用の動力伝導装置,陸上の乗物用の緩衝器・ばね,陸上の乗物用の制動装置,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはりつけ片,乗物用盗難警報器」を指定商品として、同15年3月28日に設定登録されたものである。
(9)登録第4686983号商標(以下「引用I商標」という。)は、「VIX」の欧文字を標準文字で書してなり、平成14年9月13日に登録出願、第25類「水泳着,サロン,カバーアップ,ビキニ,帽子,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同15年6月27日に設定登録されたものである。
(10)登録第4710953号商標(以下「引用J商標」という。)は、「ヴイックス」の片仮名文字と「VICKS」の欧文字を二段に併記してなり、平成8年12月20日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として、同15年9月19日に設定登録されたものである。
(11)登録第4793508号商標(以下「引用K商標」という。)は、「VICKS」の欧文字を標準文字で書してなり、平成12年11月28日に登録出願、第10類「医療用蒸気吸入器,その他の医療用機械器具」を指定商品として、同16年8月13日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用I、J及びK商標の類否について
本願商標は、「BICS」の欧文字よりなるところ、該文字が特定の意味合いを有する既成語とはいえないことから、これに接する取引者、需要者は、この種欧文字に接する場合の通例として、わが国において最も親しまれている英語又はローマ字式の読み方をもって、これを「ビックス」と読み、その称呼をもって取引に資するとみるのが相当である。
他方、引用I、J及びK商標は、前記2に示したとおりの構成よりなるところ、いずれも特定の意味合いを有する既成語を表したものとはいえないものであって、その構成文字に相応して、「ビックス」又は「ヴィックス」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用I、J及びK商標とは、「ビックス」の称呼を共通にするものであり、また、引用I、J及びK商標から生ずる「ヴィックス」の称呼との関係においても、「ビックス」と「ヴィックス」の両称呼は、語頭音の「ビ(bi)」の音と「ヴィ(vi)」の音のみに差異を有するものであるところ、子音「v」は日本語の発音には元々存在していなかった音であるから、日本人としては、「v」音の発音や聴別が必ずしも容易ではなく、日本国内における日常会話や一般商取引の場等において、子音「v」を含む語(外国語又は外来語)が用いられる場合においても、その綴りの部分が正確に発音され難く、むしろ、古来より日本語に存在していて日本人にとってなじみ深く、しかも「v」音と発音が極めて近似する子音「b」による発音が「v」音による発音に取って代わり、これに伴って、その表記においても、本来の「ヴァ」、「ヴィ」、「ヴ」、「ヴェ」、「ヴォ」の片仮名文字に代わって、「バ」、「ビ」、「ブ」、「べ」、「ボ」の片仮名文字が使用されることが一般的に普及していることよりすれば、「ビ」の音と「ヴィ」の音の差異が称呼全体に及ぼす影響は、決して大きいものということができず、「ビックス」と「ヴィックス」の両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、互いに相紛れるおそれがあるものというべきである。
また、本願商標と引用I、J及びK商標とは、いずれも通常の欧文字及び片仮名文字をありふれた字体で横書きしたものにすぎず、外観において特段強い印象を与えるものではなく、かつ、いずれも造語というべきものであって、特段の観念を生ずるものではないことから、観念については比較することができない。
さらに、本願指定商品を取り扱う分野において、電話等の口頭による商取引が普通に行われているというべきであり、この点も考慮すれば、本願商標と引用I、J及びK商標とは、その外観の点について考慮しても、称呼における類似性を凌駕するほどの差異を有するものとはいえないから、結局、これらは、外観、称呼、観念について総合的に考察するに、互いに相紛わしい類似の商標といわざるを得ない。
(2)本願商標と引用A、B及びE商標の類否について
本願商標は、その指定商品について前記1のとおり補正された結果、引用A、B及びE商標の指定商品と同一又は類似する商品は、すべて削除されたと認められるものである。
してみれば、本願商標と引用A、B及びE商標の商標の類否について検討するまでもなく、引用A、B及びE商標との関係においては、本願の拒絶の理由は解消しているものである。
(3)本願商標と引用C商標の類否について
本願商標は、前記(1)のとおりであるのに対し、引用C商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなるところ、その構成中に表された「VIC」の欧文字部分は、英語で、「男子の名:Victor」の別称、「罪人」の俗称等の意を有するものであるとしても、かかる構成においては、前記のような意味合いを認識するというよりは、むしろ、一種の造語として認識されるものというのが自然であり、その構成文字に相応して、「ビック」の称呼を生ずるものというのが相当である。
そして、本願商標より生ずる「ビックス」の称呼と、引用C商標より生ずる「ビック」の称呼とを比較するに、前者は促音を伴う3音構成、後者は促音を伴う2音構成という、それぞれ極めて短い音構成からなるところ、両者は、語尾における「ス」の音の有無の差異を有するものであり、かかる短い音構成においては、語尾における「ス」の音の有無の差異といえども、称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼するときはその語調、語感が相違し、十分に聴別し得るものというのが相当である。
また、本願商標と引用C商標とは、前記の構成よりみて、その外観においても区別し得るものであり、観念については比較することができない。
してみれば、本願商標と引用C商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点よりみても、互いに類似しない商標というのが相当である。
(4)本願商標と引用D、G及びH商標との類否について
本願商標は、前記(1)のとおりであるのに対し、引用D、G及びH商標は、前記2に示したとおりの構成よりなるところ、いずれも特定の意味合いを有する既成語を表したものとはいえないものであって、その構成文字に相応して、「ビークス」の称呼を生ずるものである。
そして、本願商標より生ずる「ビックス」の称呼と、引用D、G及びH商標より生ずる「ビークス」の称呼とを比較するに、本願商標は、促音を伴う3音構成よりなるところ、称呼の識別上重要な要素を占める語頭において、「ビ」の音が、促音を伴うことにより、強く明瞭に発音されるのに対し、引用D、G及びH商標は、長音を含めた3音構成よりなるところ、語頭の「ビ」の音に長音を伴うことによって、なめらかに発音されることとなり、両商標をそれぞれ一連に称呼するときは、その音調、音感が異なり、互いに聞き誤るおそれはないものというのが相当である。
また、本願商標と引用D、G及びH商標とは、前記の構成よりみて、その外観においても区別し得るものであり、観念については比較することができない。
してみれば、本願商標と引用D、G及びH商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点よりみても、互いに類似しない商標というのが相当である。
(5)本願商標と引用F商標との類否について
本願商標は、前記(1)のとおりであるのに対し、引用F商標は、前記2に示したとおりの構成よりなるところ、これも特定の意味合いを有する既成語を表したものとはいえないものであって、その構成文字に相応して、「ピックス」の称呼を生ずるものである。
そして、本願商標より生ずる「ビックス」の称呼と、引用F商標より生ずる「ピックス」の称呼とを比較するに、両者は共に促音を伴う3音構成よりなるところ、称呼の識別上重要な要素を占める語頭において、「ビ」の音と「ピ」の音の差異を有するものであり、かかる短い音構成においては、濁音と半濁音の差異といえども、語頭に位置することとあいまって、称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼するときはその語調、語感が相違し、十分に聴別し得るものというのが相当である。
また、本願商標と引用F商標とは、前記の構成よりみて、その外観においても区別し得るものであり、観念については比較することができない。
してみれば、本願商標と引用F商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点よりみても、互いに類似しない商標というのが相当である。
(6)まとめ
以上よりすれば、本願商標は、引用A、B及びE商標との関係においては、拒絶の理由が解消し、引用C、D、F、G及びH商標との関係においては、非類似の商標といい得るとしても、結局、引用I、J及びK商標との関係においては、互いに相紛らわしい類似の商標といわざるを得ず、かつ、本願商標の指定商品中には、引用I、J及びK商標の指定商品と類似の商品が含まれているものである。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張しているが、商標の類否の判断は、審理終結時に当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比によって、個別、具体的に判断されるものであり、過去の登録事例をもって本願商標の登録の適否を判断するのは必ずしも合理的とはいえず、結局、請求人の主張は採用することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。