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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の証拠

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−30122(T2006−30122/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4399996号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4399996号商標(以下「本件商標」という。)は、「SCHLOSS VOLLRADS」の文字を標準文字で表してなり、平成11年3月18日に登録出願、第33類「日本酒,中国酒,薬味酒,洋酒,果実酒」を指定商品として、同12年7月14日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の要旨

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

1 請求の理由

本件商標は、指定商品である「日本酒,中国酒,薬味酒,洋酒,果実酒」について、今日に至るまで継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した実績がないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

被請求人が乙各号証により立証を試みているのは、本件商標権者が、平成15年11月27日に、コニャック及びワインの試飲会(以下「試飲会」という。)を日本国内で開催し、そこで本件商標を使用した、という点である。

しかし、乙各号証及び答弁書の全趣旨に鑑みても、上記事実は一切証明されていない。また、仮に上記事実が証明されたとしても、当該試飲会においての本件商標の使用は名目的なものにすぎず、商標法第2条第3項各号に規定する商標の使用には該当しない。

(1)試飲会開催の事実等が証明されていないことについて

(ア)乙第1号証及び乙第2号証について

乙第1号証は、試飲会のリスト(表)とされ、「平成15年11月27日」の日付が記載されているが、このような文書は如何様にでも作成できるものであり、これをもって同日に試飲会が開催されたこと等の証明にはならない。

また、乙第2号証は、試飲会のリスト(裏)とされるが、リスト(表)には3種類のコニャックの名称及びそれらの説明が記載されているにもかかわらず、リスト(裏)には1種類のコニャックのラベルしか示されていないのは極めて不自然であるし、リスト(表)と同様、如何様にでも作成することが可能であるから、何の証明にもならない。

(イ)乙第3号証及び乙第7号証について

いつ、どこで、何を撮影した写真であるか全く不明であり、他の証拠と関連付けることは不可能である。乙第3号証のワインのボトルと主張しているもののラベル部分は、極めて不鮮明、不自然であるし、乙第2号証に示されたワインのラベルと整合しない。また、乙第7号証にはコニャックのボトルしか撮影されていないことは、被請求人も認めているところである。

(ウ)乙第4号証ないし第6号証について

乙第4号証は、書類の上部が示されておらず、そもそもこれが請求書であるのか何であるのか不明である。乙第5号証は、2003年11月27日の日付があり、23人分の料理の請求書のようではあるが、それ以上のことを示すものではない。乙第5号証及び乙第6号証に記載された「Markus Comte de Matuschka−Greiffenclau」と本件商標権者の関係も立証されていない。

乙第4号証ないし乙第6号証は、いずれも試飲会が開催されたことを証明する証拠足り得ない。

(エ)乙第8号証について

陳述書に署名した犬房春彦なる人物が何人であるか不明であり、かかる陳述書は単なる作文にすぎないのであって、信憑性がない。これによって試飲会の開催、当該試飲会に於ける本件商標の使用を立証することはできない。

(2)上記主張をまとめると次のとおりである。

(ア)被請求人の主張は第一答弁書から第二答弁書に渡って、「譲渡がなされた」、「登録商標を付した指定商品を、販売を目的として試飲用に提供した」、等々二転三転しており、その主張が不明確であるが、少なくとも提出された証拠から「譲渡」がなされた事実は何ら証明されていないことは明らかである。

全体から類推すると、被請求人は、本件商標を付したワインの試飲会が開催され、その中で、売買契約申込みの誘引がなされた、すなわち「譲渡のための展示」がなされたと主張したいのであろう。

しかしながら、提出された証拠の中で、立証が明らかな事実は、ホテルにおいて23人分の飲食がなされ、その請求先がMarkus Comte de Matuschka−Greiffenclauであるということだけである。そしてMarkus Comte de Matuschka−Greiffenclauが本件商標権者と同一視できる立場の者であるとするならば(この点は立証されていない)、本件商標権者が何らかのディナーの場を主催したらしい、ということが辛うじて推測される程度である。

その場が、単なるワイン同好の志の閉鎖的会合ではなく、商標法の意図する「譲渡のための展示」であることの確たる証拠は何もない。

例えば、前述の如く、提出された写真も不鮮明、かつ、どこで撮影されたとも定かでなく、試飲会の写真との裏付けはない。また、リストと称するものも、コンピューターで如何様にも作成できる紙一枚であり、裏のラベルも前述のように不自然である。しかも上記各証明相互の関連性も立証されていない。

(イ)また、陳述書(乙第8号証)の陳述事項「三」は、これが唯一、被請求人の主張する「譲渡のための展示」の根拠となるものであるが、何ら客観的裏付けがない。このような陳述書において抽象的に述べられている主張のみで「商標法上の使用」を認めることは許されないというべきである。さらに、「譲渡のための展示」にいう「展示」とは、商品を店頭に陳列したり、展示会に出品したりして、そのものを一般に示すこと、すなわち不特定の者に売買契約申込みの誘引がなされたことをいうと解されるところ、答弁書によれば、当該試飲会と称されるものに出席したのは主催者側が招待した者のみであり、これが本当に被請求人が主張する類の試飲会であったとしても、特定人を対象とした単なるマーケティングにすぎない。これは、商標法第2条第3項第2号に該当しないことはいうまでもなく、その他いずれの規定にも該当するものではない。

(ウ)以上述べたとおり、仮に被請求人がさらなる立証を行い、試飲会の開催等の事実が証明できたとしても、この試飲会における本件商標の使用は名目的なものにすぎず、商標法第2条第3項各号に規定する商標の使用には該当しない。

(3)したがって、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人が、本件商標の指定商品について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を使用しているとは認められず、被請求人は本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標を日本国内で使用していたことを証明していないというべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。

1 被請求人による本件商標の使用について

被請求人が、本件審判の請求の登録(「平成18年2月10日」とあるが、「平成18年2月14日」の誤りと認める。以下同じ)前3年以内に日本国内において請求に係る指定商品「ワイン(洋酒)」についての本件商標「SCHLOSS VOLLRADS」の使用をしていたことを証明するため、「マチューシカコニャックとワイン試飲会のリスト(表)、(裏)」を乙第1号証及び乙第2号証とし、「コニャック及びワインの写真」を乙第3号証としてそれぞれ提出する。

被請求人は、本件審判の請求の登録(平成18年2月14日)前3年以内である平成15年11月27日に、コニャック及びワインの試飲会を日本国内で開催した。

この試飲会の出席者に配布されたのが、「マチューシカコニャックとワイン試飲会のリスト(表)、(裏)」である。乙第1号証(リストの表)には、試飲会が開催された日付け(平成15年11月27日)、及び試飲会において試飲されたコニャック及びワインの名称並びに説明が記載されている。乙第2号証(リストの裏)には、試飲会で試飲されたコニャックのボトルに付されたラベル(左のラベル)、及びワインのボトルに付されたラベル(右のラベル)がそれぞれ現されている。

(1)乙第1号証(リストの表)の符号「4.」では、名称「Schloss Vollrads,Malbec 2001」の赤ワインについて説明がされている。そして、文末には「蔵出し卸し価格5ユーロ(予定)」と記載されており、さらに下には「*上記蔵出し卸価格は...ボトル1本あたりの価格です。... にてお問い合わせください。」と記載されている。これらの記載から、試飲会では、名称「Schloss Vollrads,Malbec 2001」の赤ワインが販売されていたことが明らかである。なお、「Schloss Vollrads,Malbec 2001」の「Malbec 2001」の箇所は、ブドウの種類及びワインの製造年を現していることは、一般的によく知られている。

(2)乙第2号証(リストの裏)の右のラベルには、上部に「SCHLOSS VOLLRADS」と記載され、その下に「MALBEC 2001」と記載されている。このことから、当該ラベルが乙第1号証(リストの表)の符号「4.」で説明した名称「Schloss Vollrads,Malbec 2001」の赤ワインに付されていたことが理解される。

すなわち試飲会では、本件商標「SCHLOSS VOLLRADS」が付された名称「Schloss Vollrads,Malbec 2001」という赤ワインが販売されていたということは明らかであり、これは、本件商標の使用(商標法第2条第3項第1号)に該当する。

(3)乙第3号証(コニャック及びワインの写真)では、試飲会で試飲されたボトルが並べて写されており、右端のボトルが、乙第1号証(リストの表)の符号「4.」で説明した名称「Schloss Vollrads,Malbec 2001」のボトルである。この乙第3号証(コニャック及びワインの写真)からも理解されるように、「ワイン(洋酒)」に本件商標「SCHLOSS VOLLRADS」が付されて試飲会で提供されていたことは明らかである。

(4)以上のことから、本件商標権者の被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において本件商標「SCHLOSS VOLLRADS」を付して「ワイン」を譲渡していたことが理解され、これは商標法第2条第3項第1号の使用に該当する。

2 コニャック及びワインの試飲会の開催の事実について

(1)被請求人は、平成15年11月27日にコニャック及びワインの試飲会を開催している。この試飲会の内容を具体的に説明する。

すなわち、被請求人主催のワインとコニャックの試飲会は、平成15年11月27日の午後、ホテルニューオータニ大阪内のレストラン「SAKURA」において開催され、そこには23名の招待者が出席している。各招待者には、特別料理と共に、本件商標「SCHLOSS VOLLRADS」の付された赤ワインとコニャックとが、これらの販売を目的として試飲用に提供された。したがって、このワインの試飲会が本件商標の使用(商標法第2条第3項第2号、8号)に該当することは明らかである。

(2)被請求人は、試飲会が開催された平成15年11月27日に、ホテルニューオータニ大阪の部屋(部屋番号1520)に宿泊していたが、このことは、乙第4号証の左上端に日付「2003/11/27」が記載され、支払い金額の下に「ROOM 01520−11」が記載され、署名欄に被請求人のサインが記載されていて、これらより明らかである。

また、試飲会は、ホテルニューオータニ大阪内のレストラン「SAKURA」で開催され、そこには23名の招待者が出席しており、招待者には特別料理が振舞われたが、このことは、乙第5号証に日付「2003/11/27」が記載され、23名分の料理の料金「115,000」が記載され、署名欄に被請求人の氏名が記載されていて、これらより明らかである。

さらに、この特別料理の料金請求は被請求人にされたが、このことは、乙第6号証の請求先に「フランスボルドー県リストラック村シャトーヤンダー(試飲会当時の被請求人のマチューシカコニャック本社の住所)」が記載されていることから明らかである。

(3)試飲会では、特別料理と共に本件商標「SCHLOSS VOLLRADS」の付された赤ワインとコニャックとが試飲用に提供されたが、このことは、乙第7号証のコニャックのボトルと乙第3号証(第1答弁書で提出)のコニャックのボトルとが同じであり、乙第3号証の右端に本件商標「SCHLOSS VOLLRADS」が付された赤ワインが写されていることから明らかである。

なお、上述した事実は、乙第8号証の犬房春彦の「試飲会が平成15年11月27日にホテルニューオータニ大阪で開催されたこと」、「試飲会がワインなどの販売目的で行われていたこと」、及び「赤ワインにはSCHLOSS VOLLRADSのラベルが付されていたこと」の陳述からも明らかである。

(4)以上のことから、本件商標権者の被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内の平成15年11月27日に、日本国内(ホテルニューオータニ大阪内のレストラン「SAKURA」)において本件商標「SCHLOSS VOLLRADS」を付した指定商品「ワイン」を販売を目的として試飲用に提供しており、これは少なくとも商標法第2条第3項第2号の内容に該当する。

3 よって、本件商標は、商標法第50条第2項の規定に該当するものではなく、その登録は取り消されるべきではない。

第4 当審の判断

1 被請求人は、本件商標をその指定商品中の「ワイン(洋酒)」について使用している旨述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出しているので、以下検討する。

(1)乙第1号証ないし乙第3号証について

乙第1号証及び乙第2号証は「マチューシカコニャックとワイン試飲会のリスト(表)、(裏)」であり、甲第3号証は「コニャック及びワインの写真」であるところ、乙第1号証(リストの表)には、その右上に試飲会が開催された日付けと推認される「平成15年11月27日」、及び「3.Cognac Comte de Matuschka−Greiffenclau Grand reserve」の項目には、「樫樽のバニラ香が濃厚なアルコール度数40%のコニャックです。蔵出し卸価格60−70ユーロ(予定。)」、「4.Schloss Vollrads,Malbec 2001」の項目には、「アルゼンチンからのパワフルな赤ワインです。マチューシカ伯爵ご自身の選択で・・・蔵出し御価格5ユーロ(予定)。」との各記載が認められ、また、乙第2号証(リストの裏)には、試飲会で試飲されたコニャックのボトルに付されたラベルの写しと思われる表示があり、その左のラベルの写しと思われる表示は、「COGNAC/Comte de/MATUSCHKA/GREIFFENCLAU/Grande Reserve(「Re」の「e」にはアクサングラブが付されている。)」の記載と表示が認められ、右のラベルの写しと思われる表示には、「SCHLOSS/VOLLRADS/MALBEC 2001」の記載が認められる。

乙第3号証は、洋酒の瓶の写真であり、そのラベルの記載は不鮮明で詳細は確認し得ない。

上記事実よりすると、乙第1号証及び乙第2号証から、平成15年11月27日の日付が記載され、本件商標と同一の文字である「SCHLOSS/VOLLRADS」の表示が認められるとしても、「ワイン試飲会のリスト」としては、あまりにも貧弱な内容であり、しかも、如何なる者が開催したかも不明である。また、乙第3号証は、洋酒の瓶及びグラスの写真であるが、撮影者、年月日、場所も明らかでないし、洋酒の瓶ラベルはすべて不鮮明で明確に確認し得ないものである。

(2)乙第4号証ないし第8号証について

乙第4号証は、請求書であり左上に「2003/11/27」の日付、お支払い金額 GRAND TOTALの欄には、「¥110,775」、「ROOM 01520−11」、下段中央には、「ホテルニューオータニ大阪」の記載が認められる。

乙第5号証は、上段中央に「SAKURA/THE RESTAURANT」の記載、DATEの欄に「2003/11/27」の日付、お支払い金額 GRAND TOTALの欄に「¥120,750」、ご署名欄に「サイン」がされている。また、下段中央に「ホテルニューオータニ大阪」の記載が認められる。

乙第6号証は依頼書であり、右上に「03年11月27日」の日付、依頼者欄に「サクラ」、請求先の「請求先/氏名/住所電話」の欄に、「サイン等」がされている、また、下段中央に「株式会社ニューオータニ」の記載が認められる。

上記事実よりすると、乙第4号証には、2003年11月27日の日付と推認できる表示、部屋番号、支払金額、署名、ホテルニューオータニ大阪の記載は認められるが、本件商標の表示は確認できないし、直接的には本件商標の使用を証明するものとはいえないものである。また、乙第5号証もほぼ甲第4号証と同様で2003年11月27日の日付と、「SAKURA」(レストラン名)、金額、署名、ニューオータニ大阪の記載は認められるが、直接的には本件商標の使用を証明するものとはいえないものである。さらに、乙第6号証もほぼ甲第4号証と同様で2003年11月27日の日付と「サクラ」(レストラン名)、請求先として氏名、住所、電話、株式会社ニューオータニの記載は認められるが、直接的には本件商標の使用を証明するものとはいえないものである。

(3)乙第7号証は、レストラン内の写真と認められ、シェフ一人とボーイ二人及び3名の人物(客)がテーブルを挟んで会食している写真であり、中央やや左に洋酒のボトルが一本と空のグラスが数個置かれているが、ボトルの銘柄は確認できない。

(4)乙第8号証は、陳述書であり(a)試飲会に参加したこと、(b)マチューシカコニャックとワイン試飲会のリストが配布されたこと、(c)参加者は希望するコニャック/ワインをEメール若しくはFAXで注文することができること、(d)試飲会で試飲されたコニャック及びワインには「Schloss Vollrads,Malbec 2001」という赤ワインが含まれており(リスト4番目に記載)そのボトルには、登録商標「SCHLOSS VOLLRADS」が記載されたラベルが貼られていたことを陳述していることが認められるが、犬房春彦(被請求人との関係は不明)の陳述書で、上記内容を陳述していることが認められものの、この陳述書は、あらかじめ内容を印刷したもので、署名と印鑑のみ記載、押印する形式のものであって、陳述者は、「一.私は、大阪府大阪市におりまして、...」と印刷されており、さらに上記内容を陳述しており、「SCHLOSS VOLLRADS」の表示が登録商標であると明言しており、遡ることほぼ三年前の一試飲会における洋酒のラベルを登録商標として記憶しているという、これらの陳述内容からすると、かえって直ちには信用できないといわざるを得ないものである。

2 被請求人は、上記「ワインの試飲会」で、「Schloss Vollrads,Malbec 2001」という赤ワインが販売されていたことは明らかであり、これは、本件商標の使用(商標法第2条第3項第1号)に該当し、さらに、被請求人が日本国内において登録商標「SCHLOSS VOLLRADS」を付して指定商品「ワイン」を譲渡していたことが理解され、これは商標法第2条第3項第1号の使用に該当すると答弁書(第一回)で述べ、続いて答弁書(第二回)では、上記「ワインの試飲会」が本件商標の使用(商標法第2条第3項第2号、8号)に該当することは明らかであると述べ、さらには、被請求人が日本国内において本件商標「SCHLOSS VOLLRADS」を付して指定商品「ワイン」の販売を目的として試飲用に提供しており、これは少なくとも商標法第2条第3項第2号の内容に該当する旨述べている。

しかしながら、「商品又は商品の包装に標章を付する行為」(商標法第2条第3項第1号)を実際に何時行ったとする裏付け、例えば、ラベルを印刷業者に注文した注文書等は何ら提出していないし、また、「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為」(商標法第2条第3項第2号)については、これも、実際に譲渡が行われたことを証明する具体的証拠、例えば、注文書、納品書等の裏付けになる証拠は、上記のとおり何ら提出していない。

また、商標法上の「展示のための譲渡」といえる不特定の者を対象にした展示には、上記証拠よりすると、被請求人のいう上記「ワインの試飲会」は極めて限定された特定の者を対象としており、しかも、写真は不鮮明で商品が明確に把握できないし、陳述書も上記のとおりである。

さらに、「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、...」(商標法第2条第3項第8号)についても、上記乙各号証では「広告」「価格表」「取引書類に標章を付して」に直ちには当てはまらず、これらを裏付ける、例えば、ラベル等の印刷業者への注文書等も何らの提出もないものであるから、これらの乙各号証によっては、被請求人が商標法第2条第3項第1号、同第2号及び同第8号に該当する使用をしていたとは認めることができないものである。

3 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが本件商標の指定商品について、本件商標を使用していたことを証明し得なかったのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていないといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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