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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の同一性判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−30471(T2006−30471/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第869436号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第869436号商標(以下「本件商標」という。)は、「LOTUS」の文字と「ロータス」の文字とを二段に横書きしてなり、昭和43年6月12日に登録出願、第27類「喫煙用具、マッチ」を指定商品として、同45年8月19日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は継続して3年以上に亘り、使用されてない。

(2)答弁に対する弁駁

(ア)提出に係るホームページは、いずれも平成18年8月28日に印刷されたものであって、予告登録日前3年以内に使用されたことが立証されていない。

(イ)被請求人は、欧文字「LOTUS」を使用している旨主張しているが、乙第1号証からは、かかる欧文字を判別し得る使用態様が見当たらない。

(ウ)本件商標は、欧文字「LOTUS」と片仮名文字「ロータス」の二段併記からなるものであるところ、これら各文字は相互に互換し得るものではない。即ち、「ロータス」の表音からなる欧文字は「LOTUS」に限らず、「LOTAS」「ROTAS」「ROTUS」等々がある。したがって、仮に片仮名文字「ロータス」の使用を主張、立証し得たとしても、商標法第50条第1項にいう社会通念上同一と認められる商標には該当しない。

(エ)商標として使用されているというためには、自他商品識別機能を発揮し得る態様で使用されていなければならないところ、万が一、同ホームページのプリントアウトされたものの内、「5」の数字が付されたライターに欧文字「LOTUS」が付されていたとしても、かかる表示は、商品「ライター」の自他商品識別標識として使用されているのではなく、商品「ライター」のデザインとして使用されているにすぎない。したがって、仮に商標法第2条第2項にいう「標章の使用」に該当するものであったとしても、同法第50条第3項にいう「登録商標の使用」には該当しない。

なお、被請求人の主張(2)については、商標法第50条第1項に「何人も」と規定されている以上、請求人としては、多言を要しないところである。また、本件審判事件と、国際登録に対して、被請求人が争うこととは、何等の関連性もないところである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。

(1)被請求人は、添付した「登録商標の使用説明書」に示すように、本件商標の指定商品である喫煙具の1つである「ライター」について商標「LOTUS」を継続して過去3年以上に亘り使用している。

本件商標の所有者の「日本における正規輸入総代理店」の代理店であるカワハラカーズ リミテッドは、「登録商標の使用説明書」の「6.商標の使用の事実を示す書類」の「(1)カワハラカーズ リミテッドのホームページ内のロータスコレクションのVol.2のプリントアウト」に示す、商標「LOTUS」が付されたライターを「ロータスシガレットライター」として1999年から現在に至るまで、そして「(2)カワハラカーズ リミテッドのホームページ内のロータスコレクションのVol.5のプリントアウト」に示す、商標「LOTUS」が付されたライターを「ロータスエリーゼライター」として2000年から現在に至るまで、カワハラカーズ リミテッドのホームページに広告を掲載して注文販売している。そして商標「LOTUS」は、「LOTUS」と「ロータス」とを上下に配置してなる本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。

当該ホームページを主催する有限会社河原自動車(カワハラカーズ リミテッド)の証明書を乙第3号証として提出する。

被請求人は、本件商標の指定商品である喫煙具の1つである「ライター」について本件商標を継続して過去3年以上に亘り使用しているので、本件審判請求には理由がない。

(2)現行商標法第50条には、何人も所謂商標登録不使用取消審判を請求できると規定されているが、請求人の本件審判請求はフェアでなく、極論すると権利の乱用に当たる。請求書には「名称 ユィガル・コーエン・ハレル」と記載されているが、特許庁に提出された包括委任状をみる限り自然人であると判断される(法人であるならば、法人格を立証されたい)。

一方、請求書の写が、国際登録第852709号に関して平成18年4月19日に提出された意見書に添付されて提出され、その意見書の中で「平成18年4月19日付けで、不使用に基づく登録取消審判を請求しました」と述べられている。しかし、国際登録第852709号の出願人は、ドイツ国在住の「Hanoch Yosef」(自然人)であり、請求人とは別人格である。国際登録第852709号の出願人が、国際登録第852709号を日本で登録させるために本件商標に対して他人名義で「不使用に基づく登録取消審判」を請求することはフェアでない。更に、本件商標は、自動車のブランドとしては長い歴史を有しており、所謂自動車愛好家の間では著名なブランドである。自然人に過ぎない国際登録第852709号の出願人が、そのような著名ブランドと同一の商標に係る国際登録第852709号の日本での登録を目指すことは、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもって使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)」(商標法第4条第1項第19号)に相当することであり、自動車の著名ブランド「LOTUS」にかかわる本件商標の取消を求めることは、何人も請求できる不使用取消審判の権利の乱用である。

(3)弁駁に対する反論

(ア)乙第1号証及び乙第3号証の第1枚目からは、ライター以外のスピンバッチ、メタルバッチ、ブロックパッド、コーヒーマグカップなどから、「円の中に、円弧が下に位置するように四分円が描かれ、四分円の円弧に沿って、欧文字『LOTUS』が書かれると共に、その上に図形が描かれてなるマーク」が付されていることは十分判別できる。そして、このマークが、色が異なる場合もあるが、ライターのみならず、スピンバッチ、メタルバッチ、ブロックパッド、コーヒーマグカップに付されていることも十分判別できる。これらを総合的に勘案すれば、欧文字「LOTUS」がライターに使用されていることは分かる。

(イ)本件商標は、欧文字「LOTUS」の下にその表音を片仮名文字「ロータス」で表した商標であり、欧文字の商標を日本で登録するに際してるる選択される態様であることは、請求人も理解されていると思料する。本件商標は、「ロータス」と表音される商標を保護するものである。従って、正に商標法第50条第1項にいう社会通念上の本件商標の使用態様には、欧文字「LOTUS」のみからなる商標も、片仮名文字「ロータス」のみからなる商標も含まれる。乙第1号証ないし乙第3号証の第1枚目の「ロータスシガレットライター」すなわち「ロータス」の「シガレットライター」との記載は、片仮名文字「ロータス」の使用を主張、立証しているものであり、かつ片仮名文字「ロータス」の指定商品「シガレットライター」(喫煙用具)への使用は、本件商標の使用に該当する。

(ウ)請求人の主張は、一方的な主張に過ぎず、ライターに付された欧文字「LOTUS」が商品「ライター」の自他商品識別標識として使用されているのではないと言うのみで、ライターに付された欧文字「LOTUS」が商品「ライター」の自他商品識別標識機能を果たしていないとは言っていない。商標がデザインとして使用されることは屡々あることであり、そのこと自体が商標の自他商品識別機能を阻却するものでない筈である。乙第1号証ないし乙第3号証が、世界的に著名なスポーツーメイカーであるLOTUS自動車の「日本における正規輸入代理店」の代理店であるカワハラカーズ リミテッドのホームページの宣伝であることを考え合わせるならば、乙第1号証ないし乙第3号証に示すライターに付された欧文字「LOTUS」は、LOTUS自動車のブランドの下に、商品「ライター」の自他商品識別標識機能を果たしており、商標法第50条第3項にいう「登録商標の使用」に該当するものである。

4 当審の判断

被請求人は、乙第1号証ないし乙第3号証を提出し、本件商標の指定商品である喫煙具の1つである「ライター」について本件商標を継続して過去3年以上に亘り使用している旨主張している。

そこで、被請求人の提出に係る前記証拠についてみるに、乙第1号証の登録商標の使用説明書によれば、商品「ライター」(以下「使用商品」という。)等が紹介されており、使用商品は、本件商標の指定商品中の「喫煙用具」の範疇に属するものと認められる。

しかしながら、前記乙第1号証に添付されている「商標の使用の事実を示す書類」によれば、そのホームページ上に掲載されている使用商品には製造年月日等の表示はなく、ホームページの作成日とみられる「06/08/28」が印刷されているにすぎず、また、答弁書中において、商標「LOTUS」が付されたライターを「ロータスシガレットライター」として1999年から現在に至るまで、そして商標「LOTUS」が付されたライターを「ロータスエリーゼライター」として2000年から現在に至るまで、ホームページに広告を掲載して注文販売している旨の被請求人の主張のみであって、使用商品がいつ製造され、いつ販売されたのか見出すことができない。

また、乙第2号証は、別件国際登録第852709号に関して平成18年4月19日に提出された意見書等にすぎない。

乙第3号証は、乙第1号証のホームページに掲載されているLotus Collectionが、2000年1月7日からホームページ掲載されていることを、有限会社河原自動車のHP運営統括責任者が証明した証明書と認められる。

しかしながら、乙第3号証からは、乙第1号証のホームページ上に掲載されている使用商品が2000年1月7日より有限会社河原自動車のホームページ上に掲載されていることが窺えるのみであり、使用商品「ライター」がいつ製造され、いつ販売されたのか見出すことができない。

また、被請求人は、前記乙第1号証ないし乙第3号証のほか、本件商標の使用の事実について、何等立証していないから、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標をその指定商品について使用していたものということはできない。

してみれば、被請求人又は通常使用権者により使用されていたことを証明する証拠とはなり得ないものであるから、本件商標は、被請求人又は通常使用権者により、継続して本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品について使用していなかったものといわなければならない。

なお、被請求人は、乙第2号証を提出し、種々述べ、本件商標の取消を求めることは、何人も請求できる不使用取消審判の権利の乱用である旨主張しているが、前記のとおり乙第2号証は別件国際登録第852709号に関しての意見書等にすぎず、それをもって本件の判断を左右するものとは認められないから、この点に関する被請求人の主張は採用の限りでない。

以上のとおりであるから、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが本件商標の指定商品について、本件商標を使用していたことを証明し得なかったのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていないといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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