結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−31314(T2006−31314/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4155092号商標(以下「本件商標」という。)は、平成8年11月15日に登録出願され、「DION」の欧文字と「ディオン」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、第3類「化粧品」を指定商品として、同10年6月12日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、登録されてから既に3年以上が経過しているが、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が、指定商品「化粧品」について、被請求人によって使用された事実は見当たらない。
また、本件商標の商標登録原簿には専用使用権者及び通常使用権者の記載はなく、よって、彼等によって本件商標と社会通念上同一と認められる商標が上記請求に係る指定商品に使用されたとも考えられない。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実はなく、かつ、その不使用につき正当な理由は存在しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証(枝番を含む。)ないし乙第5号証を提出した。(1)被請求人の事業について
被請求人は、爪化粧具、化粧用ブラシ、ヘアブラシなどの化粧品、化粧用具やその関連商品を販売している。その中には、後述の商品「クリーンジェル」も含まれる。
なお、被請求人の登記簿上の住所は「東京都大田区中央四丁目13番3号」となっているが、現実の活動拠点は「東京都中央区月島三丁目10番5号島本ビル」である。
(2)被請求人の販売商品「クリーンジェル」について
(ア)被請求人は、乙第1号証の1ないし4で示される商品「クリーンジェル」(以下「本件商品」という。)を、平成15年12月15日に株式会社マスダ増(東京都中央区日本橋横山町7−5)に販売し、また、平成16年3月28日にはオフィス・フミ(東京都品川区南品川6−15−5−203)に販売している(乙第2号証及び乙第3号証)。
なお、本件商品の製造元は、株式会社ニューヘヤー化粧料本舗(東京都千代田区神田東松下町11番地)であり、被請求人は、この製造元から本件商品を平成15年9月8日に仕入れている(乙第4号証)。
(イ)上記(ア)の販売日は、いずれも本件審判請求の登録日(平成18年11月6日)前3年以内である(本件審決注:平成18年11月8日の誤記)。
(ウ)本件商品が本件商標の指定商品「化粧品」に該当することは明らかである。
けだし、本件商品のチューブの表面部分(背面部)には、本件商品の使用方法として「少量を手のひらにとり、両手でのばしてください。すばやく乾燥し手肌を清潔にします。水洗いは不要です。」との記載があり(乙第1号証の2)、これは、特許庁商標課編、社団法人発明協会発行の「商品及び役務区分解説」の第3類の3「化粧品」についての「人体に対する作用が緩慢なものであって、身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つことを目的として、身体に塗擦、散布等の方法で使用するものが含まれる。」の説明に符合するものである。
(エ)本件商品は、同じく上記「商品及び役務区分解説」の「せっけん類」の説明において記される洗浄作用を目的とするものではなく、これに接する利用者、需要者からみた場合、商品区分第3類の「化粧品」として例示される「ハンドクリーム」と同様の作用を有する商品と受け取れるものである。
このことは、本件商品のチューブの表面部分(背面部)の上記記載及び「水のいらない手肌用の清浄ジェルです。・・・手肌を清潔にしてさっぱりします。」との記載からも担保されるものといえる(乙第1号証の2)。
また、本件商品のチューブの表面部分(背面部)には、本件商品の成分も記載されている。
その中のAMP(アデノシン一リン酸二ナトリウムOT)は、保湿性を備えて(メラニン色素を排出する)代謝活性剤として作用し、オキシベンゾン−3は、紫外線吸収剤として作用するが、これらの作用は、まさに化粧品としてのものである。
(オ)本件商品と同じ範疇に入るものとして、井上アタッチメント株式会社が平成16年8月17日に販売した「井上ハンドジェル」がある(乙第5号証)。これも「ご使用後の残留感やべたつきが少なく、爽やかな残香の天然ハーブエキス(カモミール、ローズマリー)と手荒れを防ぐ保湿剤として天然保湿因子(NMF)等を配合しています。」と説明されるように、本件商品と同じ特徴を持つ化粧品である。
(3)本件商標の使用について
(ア)被請求人は、上述のように、本件商品を、平成15年12月15日に株式会社マスダ増に販売し、また、平成16年3月28日にはオフィス・フミに販売している。
(イ)そして、この販売時の納品書には、品名として「ディオンクリーンGel」が記入されている(乙第2号証及び乙第3号証)。
(ウ)また、この販売にともなって市場を流通した本件商品のチューブ及びそれを入れた上述の箱には、それぞれ「Dion」、「Dion/ディオンクリーンジェル」の文字(「Dion」は筆記体状)が記されている。なお、本件商品のチューブには、本件商品の製造元である上述の株式会社ニューヘヤー化粧料本舗及び販売元である被請求人がそれぞれ明記されている(乙第1号証の2)。
(エ)上記(イ)の「ディオンクリーンGel」及び上記(ウ)の「Dion/ディオンクリーンジェル」の「クリーンGel」及び「クリーンジェル」の部分は、それぞれ、手を清浄するためのジェル状のものといった本件商品の性状を示す文字であって、残りの「ディオン」及び「Dion/ディオン」の文字が商標としての出所表示機能を有している。
(オ)そして、これらの「ディオン」及び「Dion/ディオン」の文字商標は、「ディオン」は勿論のこと、「Dion」についても通常使用される範囲の筆記体状であって、本件商標と社会通念上同一の商標といえるものである。
(4)まとめ
以上述べたように、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内の少なくとも平成15年12月15日及び平成16年3月28日に本件商品を販売し、その取引書類である納品書に本件商標と社会通念上同一の商標を付して頒布し(乙第2号証及び乙第3号証)、また、その包装である本件商品のチューブや当該チューブの包装箱に本件商標と社会通念上同一の商標を付したものを譲渡している(乙第1号証の1ないし4)。
したがって、本件商標に係る登録の取消審判請求は、商標法第50条第1項の要件を満たしていないものである。
被請求人の提出した答弁書の全趣旨及び提出証拠である乙第1号証(枝番を含む)ないし乙第3号証を総合勘案すれば、被請求人は、本件審判請求の登録(平成18年11月8日)前3年以内の2003年(平成15年)12月15日及び2004年(平成16年)3月28日(乙第2号証及び乙第3号証)に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標をその取消請求に係る指定商品「化粧品」について使用をしていたものと認められる。
一方、請求人は、被請求人による上記3の答弁に対し、何ら弁駁していない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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