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Trademark Appeal Case

接頭語「お」の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−19159(T2006−19159/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、第9類に属する願書に記載のとおりの商品を指定して、平成17年3月17日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、同年11月24日付の手続補正書において、第9類「普通眼鏡,コンタクトレンズ,運動用ゴーグル,サングラス,水中マスク,水中眼鏡,鼻眼鏡,防じん眼鏡,コンタクトレンズ用容器,つる,鼻眼鏡のマウント,鼻眼鏡用鎖,鼻眼鏡用ひも,眼鏡ケース,眼鏡ふき,レンズ,枠,紫外線透過ガラス,赤外線吸収ガラス,レンズ用ガラス,耳栓,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,計算尺」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4105349号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成8年6月24日に登録出願、第9類「眼鏡」を指定商品として、同10年1月23日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲(1)に示したとおり、筆を用いてフリーハンドで書したかの如き態様をもって「OMATSURI」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、その綴り字からみれば、「お祭り」の文字をローマ字(ヘボン式)をもって表したものと容易に理解・認識し得るものである。

一方、引用商標は、別掲(2)に示したとおり、筆文字をもって「祭」の漢字を上段に、ゴシック体で「MATSURI」の欧文字を下段に表したものであるところ、この「MATSURI」の文字もその綴り字からみれば、上段に書されている「祭」の文字をローマ字(ヘボン式)をもって表したものと理解・認識し得るものである。

そこで、本願商標と引用商標との類否についてみるに、本願商標は、上記したとおり、「お祭り」の文字をローマ字をもって表したものと理解・認識し得るものであるところ、その構成中、語頭の「O」の文字部分は、「お天気、お菓子」などのように「広く事物に冠して丁寧の気持ち」を表す接頭語である「お」をローマ字表記の「O」で表したものと理解し得るものであるから、全体として「祭」の観念を生ずるものと認められる。

一方、引用商標は、上記したとおり、「祭」の漢字と「MATSURI」のローマ字からなるものであるから、「祭」の観念を生ずるものである。

したがって、本願商標と引用商標とは、「祭」の観念を同じくする類似の商標といわなければならない。

次に、両者の称呼についてみるに、本願商標は、その構成文字に相応して「オマツリ」の称呼を生じ、引用商標は「マツリ」の称呼を生ずるものであるから、両者は、語頭音において「オ」の音の有無の差異が認められる。

しかして、一般的には、比較的短い音構成における語頭音の差異が両称呼に与える影響は少なくないものということができるが、本願商標における語頭音の「オ」は、丁寧の気持ちを表す接頭語として知られ、日常一般においても広く用いられている「お」の音部分と容易に理解・認識されるものであり、しかも、「まつり」の語に冠せられた丁寧語の「お」と理解されるものであることとも相俟って、該称呼に接する取引者・需要者は、極めて印象の強い「マツリ」の音部分に注意を惹かれるものとみるのが自然である。

そうとすれば、本願商標と引用商標とは、「オ」の音の有無という差異を有するものではあるが、その差異が両称呼に与える影響は然程大きなものとはいえないから、称呼においても彼此相紛らわしい類似の商標というべきである。

更に、両商標の外観についてみるに、両商標は、それぞれ別掲(1)及び別掲(2)に示したとおりの構成からなるところ、全体の外観において差異のあることは否定できないとしても、「MATSURI」の綴り字自体は同じであり、しかも、本願商標のローマ字の表現方法も顕著にデザイン化されたものともいえないから、その差異は、上記した観念及び称呼上の類似性を凌ぐ程のものとまではいえない。

そして、本願商標の指定商品中の「普通眼鏡,コンタクトレンズ,運動用ゴーグル,サングラス,水中マスク,水中眼鏡,鼻眼鏡,防じん眼鏡,コンタクトレンズ用容器,つる,鼻眼鏡のマウント,鼻眼鏡用鎖,鼻眼鏡用ひも,眼鏡ケース,眼鏡ふき,レンズ,枠」と引用商標の指定商品である「眼鏡」とは、同一又は類似のものである。

おって、請求人は、広辞苑(甲第1号証)を引用して、「御(オ)」を付した語とこれを付さない語とが全く別異の語として認識される場合は数多くあるとして、例えば、「お守り」と「守り」、「御蔭」と「影」、「御忍び」と「忍び」、「御情け」と「情け」、「御開き」と「開き」等々の例を挙げながら、「オマツリ」は「神社の祭礼」の意味を表すのに対して、引用商標の「祭」及び欧文字「MATSURI」は「まつること。祭祀。」を意味するものであるから、両者は、彼此比照すべくもなく相紛れるおそれはない旨主張し、また、「御」の有無により区別されて登録されている例も多くあるとして甲第2号証ないし甲第48号証を提出している。

しかしながら、広辞苑に記載されている「まつり(祭り)」の語義には、「まつること。祭祀。」以外にも「祭礼」等の語義も記載されており、これは、「おまつり」の語義として記載されている「神社の祭礼」にも通ずるものといえる。また、広辞苑以外の辞典をみれば、例えば、株式会社小学館発行の「国語大辞典(1995年1月10日発行)」によれば、「まつり」の項には、「神仏をまつること。神仏・祖霊等に奉仕して慰撫・鎮魂したり感謝・祈願するための儀式。祭儀。祭祀。祭礼。」等とあり、「おまつり」の項には、「(祭りを敬っていう語)神霊をまつること。また、祭礼。」等と記載されている。更に、株式会社講談社発行の「日本語大辞典(1989年11月6日発行)」によれば、「まつり」の項には、「神霊を迎え、供え物などをして祈願する儀式。生産強化や通過儀礼、祖霊信仰によるもの、観光的なものなど、その目的はさまざま。祭祀。祭礼。祭典。」等と記載されており、「おまつり」については、特に見出しを設けての記載はない。

上記した各種辞典によれば、「おまつり」と「まつり」の語との間に、本来的な意味合いとしての差異があるとしても、同様の意味合いと理解される記載もされているところであり、しかも、商標における観念を考察する場合は、辞書上の厳密な意味合いがどのようなものであるかということよりも、一般的な取引者・需要者の平均的な知識水準に照らして、どのように理解・認識されているかということが重要である。この観点からみれば、小学館発行の「国語大辞典」にも記載されているように、「おまつり」の語は、「まつり」を敬っていう語として理解・認識されているものとみるのが相当である。

そして、請求人は、「御(オ)」の語の有無により全く別異の語として認識されている例として「お守り」と「守り」、「御蔭」と「影」、「御忍び」と「忍び」等々を挙げているが、それらの例は、辞書に記載されている意味合いが明らかに異なるばかりでなく、一般的な取引者・需要者においても別異の意味合いを表す語として理解・認識されているものであり、また、「御」の有無により区別されて登録されている例も本件とは商標の構成を異にするものであって、いずれも本件とは事案を異にするものというべきであるから、請求人の主張は採用できない。

以上のとおり、本願商標と引用商標とは、観念を共通にし、称呼においても彼此相紛らわしい類似の商標であり、かつ、本願の指定商品には、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品を含むものである。

したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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