結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2006−89149(T2006−89149/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4628698号商標(以下「本件商標」という。)は、「ビューティバランス」の片仮名文字を横書きしてなり、平成13年11月5日に登録出願、第3類「せっけん類,薫料,医薬部外品表示のパック化粧品その他の化粧品,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同14年10月15日に登録査定がなされ、同年12月13日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録の無効の理由に引用する登録第632121号商標(以下「引用商標」という。)は、「バランス」の片仮名文字と「BALANCE」の欧文字とを二段に横書きしてなり、昭和37年7月28日に登録出願、第4類「化粧品、香料及薫料」を指定商品として、同38年12月16日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品を第3類「化粧品,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする書換登録が平成16年11月17日になされたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中、「薫料,医薬部外品表示のパック化粧品その他の化粧品」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第7号証の3(枝番を含む)を提出した。
(1)本件商標は、「ビューティーバランス」の文字を書してなるところ、その前半の「ビューティー」(beauty)の文字が「美、美しさ」、後半の「バランス」(balance)の文字が「釣り合い、平衡、均衡」の意味を有する外来語として日本語化する程に一般に親しまれ、使用されているもの(甲第3号証)であるから、「ビューティー」と「バランス」の両文字を結合したことは容易に把握、理解できるものである。
しかしながら、その構成する「ビューティー」と「バランス」の文字がそれぞれ前記の意味を有する語であるとしても、両文字全体をもって、直ちに特定の意味合いを取引者・需要者に理解させるものとも、また、特定の意味合いを有する熟語を構成するともいい難いものである。ちなみに、「ビューティーバランス」(beauty balance)の語は、一般的な外来語辞典や英和辞典にはもちろん、「小学館ランダムハウス英和大辞典」(甲第4号証)にも熟語としては掲載がないものである。
そうとすると、本件商標は、これを観念の点からみて、常に一体不可分のものとしてのみ捉えなければならない理由はないものといわなければならない。
また、二つの語(文字)を結合してなる商標においては、特段の事情が存するときは、これを分離して観察し得るものであり、一方の語が商品の品質、用途を表示する語と認められる場合も、特段の事情に当るものである。
これを本件商標についてみると、「ビューティー」の文字は、「美、美しさ」の意味を有する外来語として知られているばかりでなく、化粧品等を取り扱う業界において、商品が美容用又は化粧用であることを表示するものとして、例えば、「beauty lotion(ビューティーローション)」、「beauty oil(ビューティーオイル)」のように使用されているのが実情である(甲第5号証及び同第6号証)。
そうとすると、本件商標は、その指定商品に使用された場合、これに接する取引者・需要者をして、前半部の「ビューティー」の文字を「美容用又は化粧用の商品」であること、即ち、その商品の品質、用途を表示するにすぎないものと理解し、後半部の「バランス」の文字が自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認識して、これより生ずる称呼、観念をもって取引に当たる場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、その構成中後半の「バランス」の文字部分に相応して、「バランス」(釣り合い、平衡、均衡)の称呼、観念をも生ずるものというべきである。
なお、請求人の上記主張は、「BEAUTY DOCTOR/ビューティドクター」、「NEO BEAUTY COLLABORATION/ネオビューティーコラボレーンョン」、「HOLLYWOOD BEAUTY」の文字よりなる各商標に係る審決や異議決定(甲第7号証の1ないし3)等からみても妥当なものである。
(2)他方、引用商標は、「バランス」と「BALANCE」の文字を上下二段に表してなるものであるから、その構成文字に相応して、「バランス」(釣り合い、平衡、均衡)の称呼、観念を生ずるものである。
(3)したがって、本件商標と引用商標とは、それぞれ生ずると認められる「バランス」(釣り合い、平衡、均衡)の称呼、観念を同じくする互いに類似の商標であって、かつ、指定商品においても、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品「化粧品、香料類」と同−又は類似の商品を包含するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
よって、本件商標の登録は、商標法第46条第1項の規定により、その指定商品中の「薫料,医薬部外品表示のパック化粧品その他の化粧品」について無効とすべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第7号証を提出した。
(1)本件商標構成中の「バランス」の語は、その平衡を保つ対象となる語と組み合わせて、食生活に関する「食事バランス」「栄養バランス」、健康に関する「ホルモンバランス」、経済に関する「収支バランス」、車両に関する「タイヤバランス」、写真に関する「ホワイトバランス」、酸性・アルカリ性の偏りを示す「pHバランス」など、さまざまな分野において「〇〇バランス」の形で用いられるものである。世人にはこれらの語がそれぞれ「食事の均衡」「栄養の均衡」「ホルモンの均衡」「収支の均衡」「タイヤの均衡」などの意の一連不可分な熟語として看取されているが、これらの語全てが辞書に掲載されているわけではない。そのような多くの「〇〇バランス」の語に日常的に接している世人(需要者)が、一連不可分で、かつ、同書同大に書された本件商標「ビューティーバランス」に接したときには、たとえ辞書に掲載されていない語であっても、「美しさの釣り合い(バランス)」の観念を生ずる新たな熟語としてのみ看取するとするのが自然である。
したがって、本件商標は、請求人が引用する「バランス/BALANCE」の商標とは非類似であって、商標法第4条第1項第11号に反して登録されたものではない。
(2)このことは、指定商品中に「化粧品」あるいはその類似品を含み、かつ、引用商標も本件と同一の登録第632121号「バランス/BALANCE」である事件の類否について争われた事例、例えば、「ベビー バランス/BABY BALANCE」、「Natural Balance」、「SWISS/BALANCE」、「エージーバランスローション/AZ:Balance Lotion」において、いずれも、登録第632121号「バランス/BALANCE」とは非類似の商標であると判断されていることからも首肯し得るものである(乙第1号証ないし乙第4号証)。
なお、「〇〇バランス」と「バランス」に関しては、食品の分野においても同様の判断がなされている(乙第5号証ないし乙第7号証)。
(3)以上のとおり、本件商標は、「美しさの釣り合い(バランス)」の観念をもって一連不可分にのみ把握し認識されるとするのが相当であって、引用商標とは非類似であるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(1)本件商標は、前記したとおり、「ビューティバランス」の片仮名文字を横書きしてなるところ、構成各文字は、同書・同大・同間隔に外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「ビューティバランス」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「ビューティ」の語が化粧品等を取り扱う業界において、「beauty lotion(ビューティーローション)」、「beauty oil(ビューティーオイル)」のように、美容用又は化粧用であることを表す語として用いられているとしても、本件商標のような構成においては特定の商品又は商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところである。
そしてまた、本件商標構成中の「バランス」の語は、その平衡を保つ対象となる語と組み合わせて、食生活に関する「食事バランス」や「栄養バランス」、健康に関する「ホルモンバランス」、経済に関する「収支バランス」、車両に関する「タイヤバランス」、写真に関する「ホワイトバランス」、酸性・アルカリ性の偏りを示す「pHバランス」等のように、様々な分野において「〇〇バランス」の形で多用されている実情にある。
そうとすれば、「ビューティバランス」の語からは、極く自然に「美しさのバランス(釣り合い)」程の意味合いを想起し得るものであるから、本件商標は、その構成全体をもって、一体不可分の合成語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
してみれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「ビューティバランス」の称呼及び「美しさのバランス(釣り合い)」程の意味合いのみを生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、前記したとおり、「バランス」の片仮名文字と「BALANCE」の欧文字とを二段に横書きした構成からなるものであるから、該構成文字に相応して「バランス」の称呼及び「釣り合い、平衡、均衡」の観念を生ずるものである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、本件商標から生ずる「ビューティバランス」の称呼と引用商標から生ずる「バランス」の称呼とは、音構成、構成音数において顕著な差異を有するものであるから、称呼上、相紛れるおそれはないものである。
次に、両者の観念についてみるに、本件商標は、全体として特定の観念を有するものではなく、請求人も主張しているように、外来語辞典や英和辞典にも掲載されてはいないが、「ビューティ」の語も「バランス」の語も日本語化する程に一般に親しまれ、使用されている外来語であり、我が国においては、英語の語法にとらわれることなく、適宜、英単語を組み合わせて合成語を作り出している状況にあることからみれば、本件商標においても、上記したとおり、各語の意味合いから「美しさのバランス(釣り合い)」程の意味合いを容易に想起させるものということができる。他方、引用商標は、「釣り合い、平衡、均衡」等の観念を生ずるものである。そうとすれば、本件商標と引用商標とは、観念においても相紛れるおそれのないものといわなければならない。
更に、本件商標と引用商標とは、前記した構成からなるものであるから、外観においても明らかに区別し得る差異を有するものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
なお、請求人は、審決例等を挙げているが、それら審決例等で争われている商標は、いずれも、本件とは商標の構成を異にするものであって、事案を異にするものというべきであるから、上記認定に影響を及ぼすものとは認められない。
(2)以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中の「薫料,医薬部外品表示のパック化粧品その他の化粧品」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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