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Trademark Appeal Case

BTXの品質表示性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−13348(T2005−13348/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「BTX」の文字を標準文字で書してなり、第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年2月3日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、原審における同年9月21日付け並びに同月27日付け及び当審における平成17年12月21日付けの手続補正書により、最終的に、第3類「アルジルリンを含有する化粧品・その他の化粧品」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『ベンゼン−トルエン−キシレン』を表す『BTX』の文字を書してなるところ、『日本汎用化粧品原料集第四版((株)薬事日報社発行)』によれば、化粧品種別許可基準収載の粧原基品の一つとして、『キシレン』(93頁)、『トルエン』(226頁)の表記があり、また、『化学大辞典(縮刷版)8』の『ベンゼン』の項(491頁)に、『各種化学製品の基礎物質であり、・・・、合成洗剤・・・などが誘導される。』等の記述があることからすれば、本願指定商品中『合成洗剤,化粧品』等に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の原材料を表したものとして看取、把握するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋

当審において、平成19年5月9日付けで審尋を発し、期間を指定して、請求人に意見を述べる機会を与えた。

該審尋の要旨は、以下のとおりである。

(1)当審も、本願商標は、原査定と同様に、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものと判断するが、その理由の要点は、以下のとおりである。

すなわち、本願商標を構成する「BTX」の文字は、化粧品業界においては、後記(2)で詳述するとおり、「肌に塗るだけで、『ボトックス』と同様の効果が得られる『アルジルリン(アルジレリン)』(成分名:アセチルヘキサペプチド−3)配合の化粧品」程の意味合いで認識され、使用されているものと解するのが相当であるから、本願商標をその指定商品中「アセチルヘキサペプチド−3を含有する化粧品」に使用する場合は、商品の品質を表示するにすぎず、また、前記商品以外の商品に使用する場合は、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。

したがって、これについて意見があれば提出されたい。

(2)本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する理由について

ア 本願商標は、「BTX」の欧文字を標準文字で書してなり、補正後の指定商品を第3類「アルジルリンを含有する化粧品・その他の化粧品」とするものである。(なお、指定商品中の「アルジルリン」の語に関しては、後記(3)を参照のこと。)

イ 本願商標を構成する「BTX」の文字(語)並びに指定商品の表示に使用されている「アルジルリン」の文字(語)に関して、当審が職権をもって調査したところ、インターネットの検索結果(平成19年4月23日検索エンジン「Google」により検索)として、別掲(ア)ないし(タ)に記載の各事実が認められる。

ウ これらの事実によれば、

a)ボツリヌス菌毒素をシワ部分に注射し、筋肉を収縮させる伝達物質を抑制させ、筋肉を弛緩させてシワをなくすという美容整形の治療などで知られている「ボトックス」と同様の効果を有し、しかも、その使用方法は、注射によらず、肌に塗るだけでよいとされる新成分が開発され、話題となったこと、

b)その話題の新成分とは、「アルジルリン(アルジレリン)」と称されているものであって、「Argireline」をその原語とし、化粧品の成分表示上の名称を「アセチルヘキサペプチド−3」とするものであること、

c)肌に塗るだけで、上記「ボトックス」と同様の効果が得られるとして話題となった当該「アルジルリン(アルジレリン)」(成分名:「アセチルヘキサペプチド−3」、以下同じ。)を配合した美容液「BTXジェル」が製造販売され、かなりの人気商品となったこと、

d)前記商品以外にも、当該「アルジルリン(アルジレリン)」を配合した美容液やクリーム等の化粧品が製造販売されているが、それらは、「BTXビートエクスエッセンス」、「アイクリーム-BTX」、「BTXクリアエッセンス」、「BTX 美容液パック[BTX-1]」、「BTX 10 エッセンス(美容液)」及び「クロスリンクルBTX」のように、商品名の一部に「BTX」の文字が使用されていること、

e)当該「アルジルリン(アルジレリン)」を配合した美容液やクリーム等の化粧品は、肌に塗るだけで、上記「ボトックス」と同様の効果が得られることから、「塗るボトックス」とも呼ばれていること、

f)美容外科用語集としてまとめられたものではあるが、「BTX」の語について、「ボトックス。最近では塗るタイプでボトックスと似た薬理作用を持つものをこう称することが多い。」と説明している(別掲(ス))ものがあること、

が認められるものである。

エ そうすると、「BTX」の文字は、化粧品業界においては、「塗るボトックス」すなわち「肌に塗るだけで、上記ウa)に記載の『ボトックス』と同様の効果が得られる『アルジルリン(アルジレリン)』配合の化粧品」程の意味合いで認識され、使用されているものと解するのが相当であるから、当該「BTX」の文字のみからなる本願商標を、補正後の指定商品中「アセチルヘキサペプチド−3を含有する化粧品」に使用した場合、これに接する取引者・需要者に、本願商標がその商品の品質を表示するものと認識され得るものであり、かつ、本願商標は、前記商品の取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものと認められるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないというべきである。

また、本願商標をその指定商品中、前記商品以外の商品に使用する場合には、取引者・需要者をして、その商品が「肌に塗るだけで、上記ウa)に記載の『ボトックス』と同様の効果が得られる『アルジルリン(アルジレリン)』配合の化粧品」であるかのように、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわざるを得ない。

オ したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものというべきである。

(3)本願商標の指定商品の記載について

本願商標は、補正後の指定商品を第3類「アルジルリンを含有する化粧品・その他の化粧品」とするものであるが、商標の構成を「ARGIRELINE」(標準文字)とし、指定商品を第1類「化粧品製造用化学品,その他の化学品」とする件外他人の登録商標が現に有効に存続しているものである(平成17年10月20日登録出願、同18年11月17日設定登録された商標登録第5004178号)から、その表音に相当する「アルジルリン」の語を、化粧品原料を表す一般的名称であるかのように指定商品の表示に使用するのは適当でない。したがって、この審尋に対し、回答書(意見書)を提出する際には、本願商標の指定商品の表示を「アセチルヘキサペプチド−3を含有する化粧品・その他の化粧品」のように補正されたい。

4 審尋に対する意見

前記3の審尋に対し、請求人は何ら意見を述べるところがない。

5 当審の判断

前記3の審尋において述べたとおりであって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものというべきであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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