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Trademark Appeal Case

アオバ称呼・外観類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−15604(T2000−15604/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲(1)のとおり、「青葉」、「アオバ」、「あおば」及び「AOBA」の文字を四段に併記してなり、第5類「薬剤」を指定商品として、平成11年7月27日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、当審における同17年12月19日付け提出の手続補正書において、第5類「ホスチアゼートを主成分とする医薬用外劇物に相当する液状の殺線虫剤」に補正されたものである。

第2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4127549号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成8年9月12日に登録出願、第1類「土壌改良剤」を指定商品として、同10年3月20日に設定登録されたものである。

そして、その後、商標登録の取消し審判により、指定商品中「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」について取り消すべき旨の審決がされ、同17年10月17日にその確定審決の登録がされたものである。

第3 当審の判断

1 商標の類否について

本願商標は、別掲(1)のとおり、「青葉」、「アオバ」、「あおば」及び「AOBA」の文字を四段に併記してなるところ、「青葉」、「アオバ」、「あおば」及び「AOBA」の文字より「アオバ」の称呼を生じ、「青葉」の文字より「緑色の木の葉。新たに芽ざした葉。若葉。また、若葉の茂ったもの。新緑。」(広辞苑第5版)の観念を生ずるものである。

他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、「アオバの」、「土壌改良用」及び「パウダー」の文字を三列に書してなるところ、一列目の 「アオバの 」の文字部分に含まれる「の」は、所有又は所属を表す助詞と理解され、また、二列目及び三列目の「土壌改良用パウダー」の文字部分は、指定商品との関係においては、商品自体を表すものと理解されるから、引用商標中自他商品識別標識としての機能を有するのは「アオバ」の文字部分であるというのが相当であり、これに照応して、引用商標からは、「アオバ」の称呼を生ずるものである。

また、本願商標と引用商標は、全体が横書きと縦書きという相違があるものの、片仮名文字で表された「アオバ」の構成文字を等しくするものである。

してみれば、本願商標と引用商標は、「アオバ」の称呼を共通にし、自他商品識別標識としての機能を有する「アオバ」の片仮名文字部分において、外観上も相紛らわしい、互いに類似する商標というのが相当である。

2 商品の類否について

(1)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品について

本願商標の指定商品は、上記第1のとおり、登録出願時における第5類「薬剤」であったものであるが、手続補正書により、第5類「ホスチアゼートを主成分とする医薬用外劇物に相当する液状の殺線虫剤」に補正されたものであるから、補正後の上記商品は、第5類の「薬剤」中に含まれる商品であることは明らかである。

他方、引用商標の指定商品は、上記第2のとおり、商標権設定登録時の第1類「土壌改良剤」から、「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤以外の土壌改良剤」が取消し審判により取り消されたものであって、言い換えると、現時点における引用商標の指定商品は「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤」ということになるが、上記の本願商標の指定商品の場合と同様に取り消し後の商品は、設定登録時の第1類の「土壌改良剤」に含まれる商品であることは明らかである。

(2)本願商標登録出願時の指定商品である第5類「薬剤」中に包含されている「ホスチアゼートを主成分とする医薬用外劇物に相当する液状の殺線虫剤」について

本願商標登録出願時における第5類「薬剤」は、商標法施行規則別表(以下「省令別表」という。)及び「商品及び役務の区分」に基づく類似商品・役務審査基準(以下「類似商品・役務審査基準」という。)に例示されているものである。

そして、「ホスチアゼートを主成分とする医薬用外劇物に相当する液状の殺線虫剤」は、「線虫」の防除を目的とした液状の薬剤であり、いわゆる「農薬」の一種と解されるものであって、第5類「薬剤」の概念下に例示される「殺虫剤」の範ちゅうに属する商品というのが相当である。

(3)引用商標の指定商品である第1類「土壌改良剤」中の「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤」について

引用商標設定登録時の指定商品である「土壌改良剤」は、省令別表及び類似商品・役務審査基準において、「植物育成剤」「植物ホルモン剤」「発芽抑制剤」と同様に、第1類「植物成長調整剤類」の概念に属するものとして例示されている。

そもそも、「土壌改良剤」とは、「土壌を、耕作に適する状態に改良するために施用する薬剤。」(広辞苑第5版)、「土壌改良剤(材)→土壌改良資材 土壌の物理・化学的及び生化学的の性質を改善する物をいう。」(肥料用語事典 改訂四版 肥料協会新聞部発行)とされるものであって、また、インターネット等の情報によれば、実際の取引においても、さまざまな原材料を用いた「土壌改良剤」が存することが窺われる。

そして、「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤」は、「凝灰質砂岩」をパウダー状にしたもので、これを土壌に散布することによって、土壌の性質に変化をもたらし、耕作に適する状態に改良する商品と解されるものであって、かつ、その商品表示よりして「凝灰質砂岩のパウダー」を用いた「土壌改良剤」であることは明らかであるから、当初の指定商品である「土壌改良剤」の範ちゅうを出るということはあり得ない。

(4)省令別表及び類似商品・役務審査基準における例示について

平成3年商標法改正(平成3年法律第65号)前の省令別表及び類似商品審査基準において、第1類「薬剤」の下位概念の一つとして、「農業用または公衆衛生用薬剤」が記載され、当該「農業用または公衆衛生用薬剤」に属する商品として「殺虫剤」と「土じょう改良剤」とがともに記載されており、「殺虫剤」と「土じょう改良剤」は、審査において、「類似」と推定されていた。

その後、平成3年商標法改正に伴い、農薬のうち、「植物育成剤」「植物ホルモン剤」「土壌改良剤」「発芽抑制剤」等、一般に“植物成長調整剤”と呼ばれているものは、第1類「植物成長調整剤類」に属し、それ以外の農薬が、第5類の「薬剤」の概念に属するものとして、「殺菌剤 殺そ剤 殺虫剤 蒸剤 除草剤 防臭剤(身体用のものを除く。) 防虫剤 防腐剤」等のように例示されることとなった。

このように、「殺虫剤」と「土壌改良剤」とが、異なった類に属することとなったのは、我が国がニース協定で定める国際分類を採用するにあたり、これに即した分類体系を採用したことに伴うものであるが、ある商品の類似の範囲は各国で定められるものであって、我が国において、個別商品はともかく、基本的に商品の類似の範囲を変更しているものではない。

(5)「殺虫剤」と「土壌改良剤」について

「殺虫剤」とは、「害虫の防除に用いる薬剤。」(広辞苑第5版)であり、「土壌改良剤」とは、前記(3)のとおり、「土壌を、耕作に適する状態に改良するために施用する薬剤」及び「それと同様の機能を有する資材的なもの」と解されるところ、両者は、前記(4)のとおり、平成3年商標法改正前の省令別表及び類似商品審査基準において、いずれも第1類「薬剤」の下位概念の「農業用または公衆衛生用薬剤」に属する商品として記載されていたものであり、生産者、販売者、原材料、用途、需要者の範囲等において共通する点が多く、これらに同一又は類似の商標が使用された場合には、取引者、需要者において、商品の出所につき誤認混同を生じさせるおそれがあるというべきである。

してみれば、「殺虫剤」と「土壌改良剤」は互いに類似する商品といわざるを得ない。

(6)請求人(出願人)の主張について

請求人(出願人)は、「ホスチアゼートを主成分とする医療用外劇物に相当する液状の殺線虫剤」と「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤」が、農薬取締法、毒物及び劇物取締法、消防法の規制の対象となるかならないか等の差異を有すること及び引用商標の指定商品「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤」が薬剤としての「土壌改良剤」というよりは「土壌改良用の資材」というべきであること等を根拠として、両商品は非類似商品である旨主張している。

しかし、これらの法律と商標法とは法の目的が相違するものであるから、これらの法律上の規制に商標法上の商品の類似の概念が拘束されなければならない必然性はなんら見受けられないものであり、また、前記(3)のとおり、商標法における「土壌改良剤」とは、「土壌を、耕作に適する状態に改良するために施用する薬剤」及び「それと同様の機能を有する資材的なもの」と解すべきものであるから、たとえ、「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤」が薬剤としての「土壌改良剤」というよりは「土壌改良用の資材」というべきものであったとしても、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、共に農業用に用いられる商品であり、農業関係者を需要者にするものと解されること等からすれば、その本質において、これらを非類似の商品であるとすることは妥当ではない。

したがって、請求人(出願人)の主張を採用することはできない。

(7)まとめ

以上の点を総合勘案すれば、本願商標の指定商品「ホスチアゼートを主成分とする医療用外劇物に相当する液状の殺線虫剤」と引用商標の指定商品「凝灰質砂岩のパウダーよりなる土壌改良剤」とは、互いに類似する商品であるというべきである。

3 むすび

以上のとおり、本願商標と引用商標とは、外観及び称呼において類似する商標であり、かつ、その指定商品も互いに類似するものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことはできない。

なお、請求人(出願人)は、本件審判の審理終結通知発送日と同日付けで、手続補正書を提出し、本願指定商品を、第5類「ホスチアゼートを主成分とする医薬用外劇物及び危険物に相当する液状の殺線虫剤」に補正するとともに、該商品は、消防法の危険物とされるものを使用しており、その製造、保管等についても「消防法」による厳しい規制がなされている等の主張を繰り返しているが、この主張を勘案しても、かかる補正は、「ホスチアゼートを主成分とする医療用外劇物に相当する液状の殺線虫剤」を「ホスチアゼートを主成分とする医薬用外劇物及び危険物に相当する液状の殺線虫剤」のように、該商品が「危険物に相当する」ものであるという文言を加えるのみであって、これまで請求人(出願人)が主張してきた指定商品の本質を実質的に変更するものではないというのが相当である。

してみれば、本願商標の指定商品を「ホスチアゼートを主成分とする医薬用外劇物及び危険物に相当する液状の殺線虫剤」に補正しても、これと引用商標の指定商品とは、その本質において、非類似の商品であるとすることは妥当ではないことに変わりはなく、上記認定を左右するものではない。

よって、結論のとおり審決する。

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