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Trademark Appeal Case

単数複数形の称呼観念類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90006(T2006−90006/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4900487号の1商標及び同第4900487号の2商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4900487号の1商標は、「HEADS」の文字を標準文字により表してなり、平成16年7月6日に登録出願、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年10月14日に設定登録され、その後、同18年12月13日付けで本権の分割移転があった結果、指定商品を第25類「帽子の枠(骨組),ベレー帽,シルクハット,サンバイザー,その他の帽子,洋服,コート,Tシャツその他のワイシャツ類,セーター類,寝巻類,下着,水泳着,水泳帽,和服,ヘッドバンド,その他の運動用特殊衣服,サンダル靴及びサンダルげた但し、洋服,コート,Tシャツその他のワイシャツ類,セーター類,寝巻類,下着,水泳着,水泳帽,和服,ヘッドバンド,その他の運動用特殊衣服,サンダル靴及びサンダルげたを除く」を指定商品とするものである。

また、同じく、本件登録第4900487号の2商標は、上記本件商標1の分割移転に係る指定商品を第25類「洋服,コート,Tシャツその他のワイシャツ類,セーター類,寝巻類,下着,水泳着,水泳帽,和服,ヘッドバンド,その他の運動用特殊衣服,サンダル靴及びサンダルげた」とするものである。

以下、これらをまとめて「本件商標」という。

2 登録異議の申立ての理由の要旨

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「HEAD」の文字よりなる登録第535543号商標、同第902541号商標、同第1038256号商標、同第1070887号の1商標及び同第1070887の2商標、別掲に表示した構成よりなる図形及び「HEAD」の文字よりなる登録第1513649号商標(以下「引用標章1」という。)及び同第1533062号商標及び「ヘッド」の文字よりなる登録第1526485号商標(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)を引用している。

(2)引用商標の著名性について

申立人は、オーストリア国ケンネルバッハに本社を置くオーストリア法人で、1950年にスキー用具のメーカーとして創業され、1980年には、スキー用具の他にテニスラケット、1987年に運動靴、1987年にスポーツウエア、1990年にゴルフクラブと種々のスポーツ用品の販路を拡大し、「HEAD」を付したスキー用具、スノーボード用具、テニス用具、運動用バッグ、スポーツウエア、アクセサリー等を世界的規模で製造販売してきており、その価値、名声、顧客吸引力は高まり、世界的なブランドとしての地位を確立してきた。また、我が国においても「HEAD」ブランドの宣伝広告を積極的に行ってきている。

すなわち、「HEAD」といえば、本件商標の出願時点で、すでにスキー用具、スノーボード用具、テニス用具、運動用バッグ、スポーツウエア、帽子、アクセサリー等に関する著名商標であったといえる。

(3)本件商標が引用商標と類似する点について

本件商標は、「HEADS」と書してなるから、「ヘッズ」の称呼及び「頭」の観念が生ずるのに対し、引用商標は、「ヘッド」の称呼及び「頭」の観念が生ずることは明らかである。

そうすると、本件商標と引用商標とが観念上同一であることは明白である。また、称呼上も、本件商標と引用商標とは、単数形か複数形かの違いから語尾が「ズ」になるか「ド」かの相違にすぎなく、称呼上紛らわしい類似の商標といわなければならない。

この場合、称呼上の比較においても、他の外観及び観念上の影響を強く受けるものであるところ、外観上及び観念上の顕著な共通性が称呼上の微差による区別をなお一層困難にならしめている。

よって、本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念上類似する商標というべきである。

(4)本件商標は、その出願時点において、申立人の著名な略称「HEAD」を含む商標であり、また、申立人が長年スポーツウエア、帽子に使用してきた結果、需要者の間に広く認識されている商標「HEAD」と類似する商標であるから、商標法第4条第1項第8号及び同第10号に該当していたものである。

また、前記(3)のとおり、本件商標と引用商標は類似の商標であり、指定商品の点でも同一又は類似の商品であるから、本件商標は、同法第4条第1項第11号に該当するものである。

さらに、前記(2)のとおり、「HEAD」ブランドは、申立人の使用する商標として著名であるから、本件商標は、前記著名商標と混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同10号、11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由の要旨

(1)申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、オーストリア国ケンネルバッハに本社を置くオーストリア法人で、1950年にスキー用具のメーカーとして創業され、1980年には、スキー用具の他にテニスラケット、1987年に運動靴、1987年にスポーツウエア、1990年にゴルフクラブと種々のスポーツ用品の販路を拡大し、「HEAD」を付したスキー用具、スノーボード用具、テニス用具、運動用バッグ、スポーツウエア等を製造販売しており、我が国においても「HEAD」ブランドの宣伝広告を行っていることが認められる(甲第43号証ないし甲第109号証)。

また、申立人が主に使用する商標は、別掲に表示した構成よりなる図形及び「HEAD」の文字からなる引用標章1、「HEAD」の文字よりなるもの(以下「引用標章2」という。)ということができる(甲第2号証ないし甲第7号証、甲第9号証等。以下、これらの商標をまとめて「引用標章」という。)。

以上によれば、申立人がスキー用具、テニス用具、運動用バッグ、スポーツウエアに使用する上記構成よりなる引用標章は、本件商標の登録出願前はもちろんのこと登録査定時においても、取引者・需要者の間に広く認識され、著名性を獲得していたものと判断するのが相当である。

そこで、本件商標と引用標章との類否を検討すると、本件商標は、前記のとおり「HEADS」の文字を書してなるところ、該文字からは、「ヘッズ」の称呼を生じ、引用標章は、前記のとおり「HEAD」の文字を有するものであるところ、該文字からは、「ヘッド」の称呼を生ずること明らかであって、両者は、語尾における「ズ」と「ド」の音の差異を有するとしても、該差異音は、実質的に、母音「u」と「o」が相違するだけであり、ともに促音を含めた3音よりなり、称呼における識別上、重要な要素を占める語頭音を含めた2音「ヘッ」を同じくすることを併せ考えれば、本件商標と引用標章の称呼は、近似するものということができる。

さらに、本件商標からは、その構成文字に相応して「頭」の観念を生じ、引用標章は、その文字部分に相応して「頭」の観念を生ずることも明らかであるといわざるを得ない。

そうとすれば、本件商標と引用標章とは、「頭」の観念を共通にし、称呼において近似する類似の商標といわなければならず、また、本件商標の指定商品は、申立人の商品と密接な関連性を有するから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように混同するおそれがあるといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

商標権者は、3の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。

5 当審の判断

平成19年4月17日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。そして、上記3の取消理由は妥当なものと認められる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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