結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2006−90314(T2006−90314/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4940924号商標(以下「本件商標」という。)は、「ロータリーリンクコネクタ」の文字を標準文字で表してなり、平成17年8月17日に登録出願、第9類「光コネクタ,電気コネクタ,接続器」及び第16類「印刷物」を指定商品として、同18年3月31日に設定登録され、その後、その指定商品中の「リンクコネクタ」以外の商品について、商標権の一部放棄による抹消の登録が同19年6月27日にされているものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、(1)本件商標の指定商品中、「リンクコネクタ」以外の第9類の指定商品については、商標法第4条第1項第16号に該当する。(2)指定商品中、第16類「印刷物」については、同法第4条第1項第11号に該当する旨主張し、本件商標は、同法第43条の2第1項により、取り消されるべきである旨述べ、証拠方法として、甲第1ないし第8号証を提出している。
本件商標は、「ロータリーリンクコネクタ」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、コネクタを取り扱う業界において、「リンクコネクタ」の語は、「リンクコネクタ」を表示するものとして普通に使用されている事実があることから、本件商標をその指定商品中「リンクコネクタ」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
(1)引用商標
申立人が引用する登録第397098号商標(以下「引用商標」という。)は、「ROTARY」の欧文字と「ロータリー」の片仮名文字とを二段に書してなり、昭和24年11月21日に登録出願、旧々第66類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同26年3月3日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品及び商品区分については、第16類「書画,写真及び印刷物」とする書換登録が平成13年4月11日にされたものである。
(2)本件商標と引用商標は、「ロータリー」の称呼を共通にする類似のものであり、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、取り消すべきものである。
当審は、商標権者に対し、意見書を提出する期間を指定して、平成19年1月26日付けで商標登録の取消の理由を通知した。その要旨は、次のとおりである。
(1)住友スリーエム株式会社のホームページの製品案内(甲第2号証)には、「リンクコネクタ」と表示して、商品現物の写真が掲載されている。
(2)NECフィールディングのホームページ(甲第3号証)には、サプライ品のリンクケーブルが掲載され、その仕様等の欄に「両端にリンクコネクタHがついた・・」との記載がある。
さらに、当審において職権をもって調査したところ、以下の事実が認められる。
(3)公開特許公報(特開2003−262103)のフロントページには、発明の名称の欄に「Uリンクにリンクコネクタを結合するための方法及び装置」とあり、その要約の項では、約13行の文章中に「リンクコネクタ」の語が7回使用されている。
(4)ネット販売のホームページ(www.kyoho.com/densite/page025.html)には、コネクタの項に「リンクコネクタ」として、値段や簡単な説明とともに、3つの製品の写真が掲載されている。
(5)住友スリーエム株式会社のホームページの製品カタログ(http://products3.3m.com/catalog/jp)には、「3M リンクコネクタ」として商品写真が掲載されるとともに、「電線の中継・分岐が自由自在にできる雌雄同体の圧接型コネクタです。」との記載がある。また、その「PDF文章」には、「リンクコネクタ」として、「特殊治工具不要、電線前処理不要。電線を・・・簡単・確実な一括圧接リンク」等の記載とともに、製品の写真及びその構造図が掲載されている。
(6)上記以外にも、PCの付属部品等として「リンクコネクタ(ー)」の語が表示されている(例えば、株式会社エニイワイヤ「Product Information」、「【Gefen】USB Extenderシリーズ」)。
そうとすれば、本件商標を、第9類の指定商品「光コネクタ,電気コネクタ,接続器」中「リンクコネクタ」以外の商品に使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。
上記第3の取消理由に対して、商標権者は、その意見を要旨次のように述べた。
本件商標の登録に関し、指定商品中、「リンクコネクタ」以外の商品について一部抹消登録申請書を提出したので、取消理由は解消したものと思料する。
本件商標を構成する「リンクコネクタ」の文字は、前記第3(取消理由の通知)で認定したとおり、コネクタを取扱う業界において取引上「雌雄同型ないしは一体の圧接型コネクタ」を表示するものとして普通に使用されているとみるべきである。
したがって、本件商標についてした先の取消理由は妥当なものであって、本件商標の登録は、第9類の指定商品「光コネクタ,電気コネクタ,接続器」中「リンクコネクタ」以外の商品については、商標法第4条第1項第16号に違反するものとして、取り消すべきものである。
なお、商標権者は、本件商標については商標権の一部放棄を理由にその取消理由が解消する旨意見(上記第4)を述べているが、登録異議の申立てにおいては、「取消決定が確定したときは、その商標権は、初めから存在しないものとみなす」(商標法第43条の3第3項)と規定されていることから、いわゆる、取消の効果は登録時まで遡及するものというべきである。
他方、商標権の権利放棄の効果は、専ら当該放棄に係る権利の抹消登録後において発生するものであって、放棄前にまでその効果が遡及するものと解すべきではないから、本件商標の登録後にされた商標権の一部放棄の事由は、本件商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとした先の取消理由の認定判断に何ら影響を及ぼすものではない。
本件商標は、前記第1に記載したとおり「ロータリーリンクコネクタ」の文字からなるところ、構成各文字ともに、まとまりよく一体的に表されており、その指定商品中の「印刷物」との関係においては、いずれの部分が強く印象され、それより生ずる称呼・観念をもって、取引に資されるとすべき格別の理由も見出せない。
また、構成全体より生ずる称呼「ロータリーリンクコネクタ」も冗長といえず、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、これよりは、「ロータリーリンクコネクタ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないとするのが相当である。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して「ロータリー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
そうすると、両称呼は、その構成音数において明確な差異を有するから、判然と区別し得るものであり、また、観念については、比較することができないものである。
さらに、両商標は、それぞれの構成において明らかに相違するから、外観上相紛れるおそれもないものである。
してみると、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点よりしても、引用商標と類似する商標と判断することはできない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第16類「印刷物」について、商標法第4条第1項第11号に違反するものとして取り消すべきものとすることはできない。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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