Trademark Appeal Case
結合商標の要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90669(T2005−90669/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4899800号商標(以下「本件商標」という。)は、「ナチュラル ピュリファイ」の文字を横書きにしてなり、平成17年1月11日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同年10月7日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第2559113号商標(以下「引用商標」という。)は、「ピューリファイ」及び「PURIFY」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成3年3月1日に登録出願、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、同5年7月30日に設定登録され、その後、同16年7月14日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)理由の要点
本件商標は、以下のア及びイに該当するものであるから、その登録を取り消されるべきである。
ア 商標法第4条第1項第11号該当
本件商標は、その構成中、「ナチュラル」 の部分についてみると、英語「natural」の発音表記に相当し、 英語の「natural」を直感させるものである。英語の「natural」 は、「自然の、自然のままの、生まれつきの、普通で」等の意味を有し(甲第2号証)、既に「自然なさま、天然」との意味を有する語として日本語化している言葉である(甲第3号証)。したがって、「ナチュラル」は、英語の「natural」を直感させ、商品「化粧品、せっけん類、歯磨き、香料類」に関して使用された場合、これら商品が「自然の製法或いは原料」からなるものとの意味合いを感得させ、いわゆる顕著性がない言葉である。
そして、このことは、商品「化粧品、せっけん類、歯磨き、香料類」に関する「ナチュラル」若しくは「natural」を含む商標が、いわゆる顕著性がないとして拒絶されている多数の審査例からも明らかである(甲第4〜15号証)。
すなわち、本願商標の「ナチュラル」の部分は、いわゆる顕著性がなく、商標としての出所識別機能を有しない部分である。よって、本件商標の要部である出所識別機能を発揮しうる部分は「ピュリファイ」にあるものと思料される。
そうすると、本件商標「ナチュラル ピュリファイ」と引用商標「ピューリファイ/PURIFY」とは、「ピュリファイ」「ピューリファイ」の部分において一致し、称呼、外観、観念を同じくするものであるから、消費者、需要者において出所の混同を生ずるおそれがあり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に該当し、商標登録を受けることができない。
イ 商標法第4条第1項第15号該当
本件商標は、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれのある商標であって、商標法第4条第1項第15号の規定に該当し、商標登録を受けることができない。
3 当審の判断
(1)本件商標は、「ナチュラル ピュリファイ」の文字からなるところ、その構成する「ナチュラル」及び「ピュリファイ」の各文字は、同じ書体、同じ大きさをもって外観上まとまりよく一体に表現されていて、しかも、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、たとえ、構成中の「ナチュラル」の文字が「自然の、自然のままの」等の意味を有する英語の「natural」を想起させ、化粧品、せっけん類等において当該商品が「自然の原料を用いたもの」等であることを理解させるとしても、その構成中の「ピュリファイ」の文字も「汚れなどを除く、浄化する」等の意味を有する英語の「PURIFY」を想起させ、肌の汚れ、メイクアップの汚れを除くための商品について「ナチーバスパ
プリファイ
ハーブソープ」「リストレーション
ピュリファイ
ブライトクレンザー」等のように使用されている実情もみられることから、「ピュリファイ」の文字は、他の文字と結合して使用された場合には自他商品の識別力が比較的弱いことがあり得るといえるものであることからすると、「ピュリファイ」の文字は、「ナチュラル」の文字と結合して「自然の原料を用いて汚れを除く、あるいは、汚れを除き自然の状態にする」程度の意味合いを暗示させる不可分一体の商標として把握、認識されるとみるのが自然であって、構成文字全体によって自他商品の識別標識として機能を果たしているものというべきである。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「ナチュラルピュリファイ」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。
一方、引用商標は、構成文字に相応して「ピューリファイ」の称呼を生じるものである。
しかして、本件商標の称呼と引用商標の称呼とは、前半において「ナチュラル」の音の有無という顕著な差異により明瞭に区別し得るものである。
また、本件商標は、親しまれた特定の観念を有するものとは認めがたく、引用商標と観念について比較すべくもない。
さらに、両商標の構成は前記のとおりであり、外観において容易に区別し得るものである。
してみると、本件商標は、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標であると判断することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)つぎに、申立人は、登録異議申立書において「本件商標は、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれのある商標であって、商標法第4条第1項第15号の規定に該当する。」旨述べるにとどまり、異議申立理由補充書においてその詳細な理由や証拠を提出していないので、引用商標が、本件商標の出願時において、その需要者の間で広く認識されるに至っていたものと認めることができない。
さらに、本件商標が引用商標に類似する商標といえないことは、前記(1)のとおりであり、両者を更に関連付けてみるべき理由はないから、結局、両者は、別異の出所を表示するものとして看取されるというのが相当である。
してみると、本件商標をその出願時において指定商品に使用したとしても、当該商品に接する需要者が引用商標を想起し連想して、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあったと判断することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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