Trademark Appeal Case
著名商標の類否と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90629(T2006−90629/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4985255号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示した構成からなり、平成18年2月27日に登録出願、第14類及び第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年9月8日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
1 本件商標のアルファベット部分「ROYALVERSACI」は、前半部の「ROYAL」と後半部の「VERSACI」とからなるところ、前半部の「ROYAL」は、「王の。王室の。」というよく知られた英単語であり、後半部の「VERSACI」は、著名商標「VERSACE」の「E」を「I」に置き換えたものである。
そして、本件商標は、下記の著名商標「VERSACE」及び「ベルサーチ」と同様に「ベルサーチ」の称呼を生じる「VERSACI」の文字を含むものであり、あたかも商標登録異議申立人(以下、「申立人」という。)またはその関係者がデザイン、製造、販売するものであるかの如く誤認混同されるおそれが十分ある。
2 本件商標と下記の著名商標とは、称呼上同一又は類似し、その指定商品も同一又は類似する。
3 本件商標は、著名商標「VERSACE」及び「ベルサーチ」の持つ出所表示機能を希釈化させようとするものであり、「VERSACE」及び「ベルサーチ」の名声を利用しようとするものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第10号、同第11号及び同第7号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
記
申立人が著名商標として引用する商標を、以下まとめて引用商標という。
(1)登録第1625119号商標は、「ベルサーチ」の文字と「VERSACE」の文字とを上下二段に書してなり、昭和54年4月24日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年10月27日に設定登録されたものであり、その後、2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がなされ、その指定商品については、平成16年3月3日に第6類「つえ用金属製石突き」、第14類「貴金属製靴飾り」、第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」、第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」、第22類「靴用ろう引き縫糸」、第25類「履物」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」を指定商品とする書換登録がなされたものである。
(2)登録第1562787号商標は、「ベルサーチ」の文字と「VERSACE」の文字とを上下二段に書してなり、昭和54年4月24日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年1月28日に設定登録されたものであり、その後、2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がなされ、その指定商品については、平成15年8月6日に第6類「金属製のバックル」、第10類「耳かき」、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」、第25類「バンド,ベルト」及び第26類「衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,ボタン類」を指定商品とする書換登録がなされたものである。
(3)登録第4023452号商標は、「VERSACE」の文字と「ベルサーチ」の文字とを上下二段に書してなり、平成7年12月22日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年7月4日に設定登録されたものである。
(4)登録第4024005号商標は、「VERSACE」の文字と「ベルサーチ」の文字とを上下二段に書してなり、平成7年12月22日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年7月4日に設定登録されたものである。
(5)登録第4456427号商標は、「VERSACE」の文字を書してなり、平成10年12月18日に登録出願、第8類、第11類、第14類、第16類、第19類、第20類、第21類、第23類、第24類、第25類、第27類、第34類、第37類、第41類、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同13年3月2日に設定登録されたものである。
(6)登録第3231085号商標は、「VERSACE」の文字を書してなり、平成5年2月4日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年11月29日に設定登録されたものであり、その後、同18年10月24日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第第11号について
本件商標は、別掲に表示したとおり、獣の頭部を表したものと認められる図形と「ROYALVERSACI」の文字よりなるところ、文字部分は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で表されていて、外観上まとまりよく一体的に看取し得るものである。
また、該文字部分は、成語とは認められない綴り字からなるものであるから、特定の観念を生じない造語と認められる。
造語を称呼するに当たっては、我が国において最も親しまれている外国語と認められる英語風に称呼するものとみるのが自然である。
本件商標の文字部分中「VER」の文字は、英語において、例えば、「verb」が「バーブ」、「verse」が「バース」、「vertical」が「バーチカル」と発音されることからすれば、「バー」と発音されるものと認められ、本件商標の文字部分中「CI」の文字は、英語において、例えば、「cigarette」が「シガレット」、「cinema」が「シネマ」、「citizen」が「シチズン」、「city」が「シティ」と発音されることからすれば、「シ」と発音されることも決して少なくないものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標の文字部分は、英語風の読みに従って、「ロイヤルバーサシ」と称呼されるものとみるのが自然である。
そうすると、本件商標より「ベルサーチ」の称呼をも生ずるとし、そのうえで本件商標と引用商標とが称呼上類似するものであるとする申立人の主張は、認めることができない。
他に、本件商標と引用商標とが、図形部分を含めて類似するものとすべき理由は見出せない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、十分に区別し得る非類似の商標である。
2 商標法第4条第1項第10号及び第15号について
本件商標は、上記のとおり引用商標とは類似するものではなく、また、図形部分も含めて全体として別異の商標と認められる商標であって、本件商標と引用商標との間に誤認混同を生ずる理由は見出せないといわざるを得ないから、仮に引用商標が本件商標の登録出願時には、申立人の業務に係る商品に使用する商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたとしても、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものである。
3 商標法第4条第1項第7号について
商標法第4条第1項第7号が「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」として、商標自体の性質に着目した規定となっていること、商標法の目的に反すると考えられる商標の登録については同法第4条第1項各号に個別に不登録事由が定められていること及び商標法においては、商標選択の自由を前提として最先の出願人に登録を認める先願主義の原則が採用されていることを考慮するならば、商標自体に公序良俗違反のない商標が同法第4条第1項第7号に該当するのは、その登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に限られるものというべきである。
そして、本件商標は、上記のとおり引用商標とは図形部分も含めて全体として別異の商標であり、商標自体に公序良俗違反のない商標と認められるから、同法第4条第1項第7号には該当しないものとみるのが相当である。
4 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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