Trademark Appeal Case
「脳年齢」の役務識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900115(T2007−900115/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5008222号商標(以下「本件商標」という。)は、「脳年齢」の文字を標準文字で書してなり、平成18年2月2日に登録出願、第16類、第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年12月8日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標は、「脳年齢」の漢字を普通に用いられる方法で表示した標章のみからなるものであるところ、甲第1号証ないし甲第26号証から明らかなように、「脳年齢」の語は、「脳年齢」を題材とする書籍や「脳年齢」を測定するための学習用教材・ゲームソフトや玩具類が多く販売されたことにより、我が国の社会に広く浸透した言葉となっている。テレビや新聞・雑誌等のメディアは「脳年齢」をテーマとする番組を企画・放送して高視聴率を記録し、ゲームや玩具メーカーは「脳年齢」ゲームをテーマとするゲームイベントを開催して人気を博している。
このように、「脳年齢」の語は、これをテーマとする書籍類、ゲームソフト、おもちゃ類、放送番組、ウェブアンケートやゲームイベント等を通じて、「脳の働きなどを表す年齢」を指す語として、我が国の一般取引者及び需要者間でよく知られるに至ってきたものであるから、本件商標は、これを第41類の指定役務のうち「脳年齢」を内容とする役務に使用したとしても単に役務の質(内容)を表示するとどまり、自他役務識別標識としての機能を果たし得ない。また、該役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。
よって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、第41類の指定役務について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。
第3 当審の判断
(1)「脳年齢」の語について
本件商標は、前記のとおり、「脳年齢」の文字を書してなるものであるところ、甲第1号証ないし甲第26号証を総合すれば、我が国の社会全体が高齢化を迎えている実情において、身体の機能のみならず、脳の機能の衰えに対する危惧を払拭しようとする風潮の中で、脳の機能を活性化する、あるいは脳の機能年齢を測定するなどのゲームおもちゃ及びそのソフトウエア、学習ドリル、数字パズル等が市場に多数出回り、中高年層をはじめとする国民一般の間に人気を博していることが認められ、このような商品について、「脳年齢をチェックする」、「あなたの脳年齢はいくつ?」、「話題の脳年齢診断系ゲーム」、「脳年齢がわかります」などのように、「脳年齢」の語が、本件商標の査定前より使用されている事実が認められる。
しかしながら、本件登録異議の申立てに係る第41類に属する指定役務について、「脳年齢」の語が役務の質等を表示するためのものとして、本件商標の査定前より普通に使用されているという事実を認めるに足る証拠は見出せない。
そうすると、本件商標は、これを登録異議の申立てに係る指定役務のいずれについて使用しても、役務の質を直接的、かつ、具体的に表示するものではないから、自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであって、役務の質の誤認を生じさせるおそれもないものといわなければならない。
この点に関し、登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の指定役務中、第41類には、「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く),娯楽施設の提供,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与」が含まれる。ゲームに関連していえば、「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く)」には、「ゲームイベントの企画・運営又は開催」が含まれ、「娯楽施設の提供」には、「ゲームの提供」が含まれる。また、「おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与」には、「ゲーム機・ゲームプログラムを記憶させた媒体の貸与」が含まれるから、本件商標は、「脳年齢」をテーマとするゲームイベントや、「脳年齢」を内容とするゲームソフトウェア及びゲーム機の貸与について自他役務識別力がない旨主張する。
しかし、申立人のいう上記役務に本件商標を使用したとしても、前記認定のとおり、本件商標は、役務の質(内容)を直接的に表示するものでない。なお、付言すれば、「娯楽施設の提供」に「ゲーム施設(場)の提供」が含まれるとしても、「ゲームの提供」が含まれる、とする申立人の主張は適切とはいえない。したがって、上記申立人の主張は理由がない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、本件登録異議の申立てに係る指定役務について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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