Trademark Appeal Case
図形商標の観念と外観
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900154(T2007−900154/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5012674号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成18年3月17日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月22日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4696655号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成14年3月27日に登録出願、第9類及び第38類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年8月1日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立て理由(要点)
申立人は、登録異議申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む)を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標と外観が類似し、観念上同一であるから、両商標は類似する。
また、本件商標と引用商標は、その指定商品も抵触するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人の業務に係る商品又は役務であるかのように商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、申立人の著名商標(引用商標)の名声にただ乗りし、引用商標のもつ識別力・表示力・顧客吸引力を希釈化するものであって、不正の目的をもって使用するものであるから、商標法第4条第1項第19号にも該当する。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおり、赤色に塗られた枝付きの果実の図形及び緑色に塗られた1枚の葉の図形を描くとともに、当該果実の図形部分の中央に白抜きで、やや図案化された「G」の文字を顕著に配してなるものである。
そして、本件商標構成中の図形部分と文字部分とは、軽重の差なく描かれているものであるから、構成全体が一体として認識、把握されるというのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、その構成中の図形部分が、りんごをモチーフにしたものであるとしても、特定の観念を有さない特異な抽象的な図形として看者に強く印象に残るというべきである。
してみれば、本件商標より「りんご」の観念を生ずるとし、これを前提に本件商標と引用商標とが「りんご」の観念において類似するとの申立人の主張は、採用できない。
一方、引用商標は、別掲(2)のとおり、右側に1口大のかじられた窪みを有する黒色のりんご及びそのりんごの上端に右45度程度傾斜した1枚の葉、と思しき抽象的な図形からなると認められる。
そうとすれば、本件商標及び引用商標は、上述のとおり商標を構成する各部(枝の有無、窪みの有無)の差異、配色の差異、やや図案化された「G」の文字の有無等により、それぞれを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上相紛れるおそれはないというのが相当である。
その他、称呼の点においても本件商標と引用商標とが類似するとみるべき理由は見出せない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
引用商標は、申立人が平成19年6月28日付け手続補正書(6頁「(イ)宣伝・販売戦略」)において「右側から一口かじられたアップルに、右上
に向かってついた1枚の葉という独特のデザイン」と記載されているように、「一口かじられたりんご」を特徴の一つとする図形であって、上記特徴を有する引用商標は、申立人の強力な宣伝・販売戦略の下、特にパーソナル・コンピュータ関連分野をはじめとする関連商品において、申立人の商号の略称と相まって、引用商標からは、「りんご」の観念を生ずるまでに世界的に周知・著名になったものと認められる。
しかしながら、本件商標と引用商標は、上記(1)のとおり、別異の商標と認識されるものであるから、本件商標を登録異議の申立てに係る指定商品に使用した場合、これに接する需要者が引用商標を想起又は連想することはきわめて少ないものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、これを登録異議の申立てに係る指定商品について使用しても、需要者をして、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはきわめて低いものといわなければならない。
さらに、本件商標と引用商標との関係は、上記のとおりに解されるものであるから、本件商標は、不正の目的をもって使用するものということもできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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