Trademark Appeal Case
称呼の類似性と一体性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900065(T2007−900065/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5000894号商標(以下「本件商標」という。)は、「EZ ESPRIT」の文字を標準文字により表してなり、平成15年5月15日に登録出願され、第3類「洗剤」を指定商品として平成18年11月2日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次の(1)ないし(3)のとおりである。
(1)登録第473625号商標は、「エスプリ」及び「Esprit」の文字を上下2段に普通に用いられる方法で書してなり、昭和30年2月5日に登録出願され、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として昭和30年11月30日に設定登録され、その後、商標権の更新登録が、昭和52年10月3日、同61年2月19日、平成8年10月30日及び同17年8月16日の4回に亘ってされたものである。
(2)登録第3298421号商標は、別掲のとおりの構成からなり、平成5年6月30日に登録出願され、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成9年4月25日に設定登録され、その後、同19年4月24日に商標権の更新登録がされたものである。
(3)登録第4749666号商標は、「ESPRIT」の文字を横書きしてなり、平成11年11月22日に登録出願され、第3類及び第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成16年2月20日に設定登録されたものである。
以下、これらを一括して「引用商標」という。
3 登録異議申立の理由の要点
(1)本件商標と引用商標とは、称呼において同一であり、類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)本件商標が周知著名である引用商標と称呼において類似していることから、混同のおそれが生じるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第第11号の該当性について
本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、構成各文字は外観上まとまりよく一体的に看取し得るものであって、しかも、これより生ずる「イージーエスプリ」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼できるものである。また、仮に、構成中の「EZ」が「簡単な」等を意味する英語の「easy」の略語であり、商品の品質を表示する等、自他商品識別標識としての機能が弱い部分であるとしても、かかる構成にあっては、殊更「ESPRIT」の文字部分を分離抽出し観察すべき特段の事情はないと判断するのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「イージーエスプリ」の称呼のみを生ずるものといえる。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して「エスプリ」の称呼を生ずるものといえる。
しかして、本件商標より生ずる「イージーエスプリ」の称呼と引用商標より生ずる「エスプリ」の称呼とは、その音構成及び音数に明らかな差異が認められるものであるから、称呼上、両者は容易に区別し得るものである。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、さらに、本件商標及び引用商標は、親しまれた既成の観念を有しない一種の造語と認識させるものであるから、観念上両者を比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号の該当性について
本件商標は、上記(1)のとおり、一体不可分の、親しまれた既成の観念を想起し得ない、一種の造語として認識し把握されるものであって、引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれにおいても類似することのない別異の商標というべきである。
また、本件商標の指定商品「洗剤」と申立人の業務に係る商品「眼鏡」とは、商品の製造、販売部門、商品の品質、用途等を著しく異にするものである。
そうすると、本件商標は、一体不可分の一種の造語として認識されるものであって、引用商標とは別異の商標であり、かつ、本件商標の指定商品「洗剤」は、申立人の業務に係る商品「眼鏡」と著しく異なる商品であることからすれば、たとえ、企業の多角経営の実状及び引用商標の周知著名性を考慮したとしても、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者が引用商標を印象、連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同するおそれもないといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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