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Trademark Appeal Case

不使用取消の証拠性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−31228(T2006−31228/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1801629号商標の指定商品中、第19類「コンクリートタイル,セメントモルタル製タイル及びこれらに類似する商品」についての登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1801629号商標(以下「本件商標」という。)は、「ナチュラタイル」の文字を書してなり、昭和57年9月16日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年8月29日に設定登録、その後、平成7年8月30日及び同17年7月19日の2回にわたり商標権存続期間の更新登録、そして、指定商品及び商品の区分については、同18年6月14日に第6類「建築用金属製タイル」及び第19類「建築用タイル(金属製のものを除く。)」とする書換の登録がなされ、さらに、同19年4月9日に、書換後の指定商品中、第19類「コンクリートタイル,セメントモルタル製タイル」の登録について、一部放棄による抹消の登録がされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品中、第19類「コンクリートタイル,セメントモルタル製タイル及びこれらに類似する商品」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実がないから、上記商品についての登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

被請求人は、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号を含む。)を提出し、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者によって、商品「軽量骨材・セメントをベースにしたタイル」について使用されていると主張する。

しかしながら、乙第1号証ないし乙第3号証は、上記被請求人主張の事実を何ら証明するものでない。

(ア)乙第1号証について

乙第1号証は、通常使用権者が作成し、平成17年9月及びそれ以降に社外に配布した営業用チラシである。

当該チラシには、本件商標が表示され、その文中には、石積み(ストーン)や古煉瓦(ブリック)の自然な風合いを、軽量骨材・セメントをベースに特殊技術を用いて、よりリアルに再現したと記載されており、これをもって、被請求人は、本件商標が使用されていると主張するが、これによって、本件商標が使用されているとは到底認められない。

(a)被請求人は、乙第1号証を通常使用権者が作成したと主張するが、単なる主張のみでは、乙第1号証が真正であるか否かは明らかでなく、作為的に加工したものとも考えられ、乙第1号証の成立そのものを認めることができない。

通常の取引の実情からすれば、乙第1号証のような営業用チラシは、印刷業者に作成させるものであって、乙第1号証を作成した業者に対する依頼書、発注書等あるいは業者からの納品書、請求書等は、容易に提出することができ、客観的に証明できる筈である。

それにもかかわらず、被請求人は、乙第1号証を通常使用権者が作成したと主張するのであれば、その事実を客観的に証明すべきである。

(b)また、被請求人は、通常使用権者が乙第1号証を平成17年9月及びそれ以降に社外に配布したと主張するが、下記(イ)でも述べるとおり、これらの日時の事実関係は、全く証明されていない。

このように、乙第1号証と被請求人の主張のみでは、甚だ客観性に乏しく、被請求人は、本件商標の使用事実を立証し得ていない。

(イ)乙第2号証について

乙第2号証は、乙第1号証の配布を受けた事実を示す証明書であり、被請求人は、これによって、本件商標を使用していると主張するが、これをもって、本件商標が使用されているとは到底認められない。

(a)まず、ゼンテリア株式会社(以下「ゼンテリア(株)」という。)及びスポットと被請求人あるいは通常使用権者との関係が何ら明らかにされていない。

しかも、ゼンテリア(株)は、被請求人の100%子会社である(甲第2号証)ことからすれば、スポットも被請求人あるいは通常使用権者と密接な取引関係にある者と思われるが、乙第2号証の1及び2は、全く同じ文面の画一的な証明書であって、被請求人と関係を有する取引者の代表者が署名捺印したものであり、いかなる根拠によって、証明し得たものかが明らかでないから、乙第2号証は、証拠として到底認められない。

しかも、乙第2号証に捺印されている印は、代表者印でなく社印であり、通常、このような証明書に代表者印でなく社印を押すことはあり得ないから、両社の代表者が本当に証明書に記載の事実を知ったうえで捺印したのか不明である。

(b)被請求人は、乙第2号証の1によって、ゼンテリア(株)が、また、乙第2号証の2によって、スポットがそれぞれ通常使用権者から乙第1号証の配布を受け、前者は平成17年9月〜平成18年1月に、後者は平成17年9月〜12月に、それぞれ乙第1号証を業務上社外に配布したと主張するが、両社は、いつ通常使用権者から乙第1号証の配布を受けたのか明らかでない。

乙第2号証には、「同時に」との記載がされているが、一般的な事業活動を考えると、両社が通常使用権者から乙第1号証の配布を受けると同時に、社外に配布することなどはあり得ない。

さらに、通常使用権者の一取引者にすぎないゼンテリア(株)及びスポットが、いくら乙第1号証を社外に配布したとしても、両社は、通常使用権者ではないから、被請求人が本件商標を使用したことにはならない。

被請求人は、通常使用権者が乙第1号証を配布したと主張するのであれば、客観的な証拠をもって、被請求人あるいは通常使用権者と密接な関係を有しない第三者に配布したことを明らかにすべきである。

したがって、乙第2号証をもってしては、被請求人が本件商標の使用をした事実は、立証されていない。

(ウ)乙第3号証について

乙第3号証は、乙第1号証の配布に伴う営業活動の一部を示す「サンプル依頼書」(写)及び「サンプル出荷のお願い書」(写)であり、被請求人は、これによって、乙第1号証を配布し、本件商標を使用したことを主張していると考えられるが、乙第3号証においても、本件商標を使用したとは到底認められない。

(a)「サンプル依頼書」(乙第3号証の1)及び「サンプル出荷のお願い書」(乙第3号証の2)は、FAX文書と思われるところ、それらを通常使用権者が受け取っていれば、当然、その外枠にFAX通信の日時等を示す表示があるはずであり、当該通信日時のある書面が提出されず、原本と思われるこのような書面が提出されていることは、明らかに不自然である。このようなワープロ文書など後からいくらでも作為的に作成できる。

(b)また、乙第3号証が仮に真正なものであったならば、サンプルを当然出荷しているのであるから、それを示す出荷書、納品書等が提出されるべきである。

そもそも、本件商標を使用した商品の注文等が被請求人あるいは通常使用権者と密接な関係を有しない第三者からなされて然るべきであるのに、乙第2号証と同様に、被請求人あるいは通常使用権者と密接な取引関係にある者からの証拠しか提出されていないから、本件商標が使用されているとは到底認められない。

したがって、乙第3号証をもってしては、被請求人が本件商標の使用をした事実は、全く立証されていない。

(エ)通常使用権者及びゼンテリア(株)について

(a)請求人が通常使用権者及びゼンテリア(株)のホームページ等を確認したところ、通常使用権者のホームページ上には、本件商標が建築用天然石材の総称ブランドとして使用されており、エルドラードストーン及びエルドラードブリックには本件商標は表示されていないことが判明した(甲第1号証)。

(b)また、ゼンテリア(株)は、被請求人の100%子会社であり、ゼンテリア(株)のホームページ上でも、エルドラードストーン及びエルドラードブリックには本件商標は表示されていないことが判明した(甲第2号証)。

(c)さらに、財団法人建設物価調査会発行の雑誌「建設物価」2006年3月号によれば、本件商標は、「建築用石材天然大理石」に使用されている(甲第3号証)。

(d)このように、乙第1号証と甲各号証とでは、本件商標を使用した商品が全く相違する。

一般的な事業活動において、商標が使用される商品が媒体によって変わるなどということが本当にあり得るのか全く理解できない。

(e)したがって、乙第1号証は、作為的に加工したものであり、真正なものでなく、通常使用権者が本件商標を使用していないのは明白である。

(オ)むすび

以上のとおり、被請求人提出の乙第1号証ないし乙第3号証をもってしては、本件取消請求に係る指定商品「コンクリートタイル,セメントモルタル製タイル及びこれらに類似する商品」について、本件商標が日本国内において使用された事実は全く証明されていない。

したがって、本件商標に係る上記商品の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号を含む。)を提出したほか、平成19年3月27日付けの上申書を提出した。

(1)本件商標の使用

本件商標「ナチュラタイル」は、商品「軽量骨材・セメントをベースにしたタイル」の商標として、平成17年9月及びそれ以降に使用された。

本件商標の使用者は、商標権者(株式会社エービーシー商会:以下「(株)エービーシー商会」又は「商標権者」という。)の子会社である株式会社エービーシーセラミックス(住所:東京都千代田区永田町2−12−14)(以下「(株)エービーシーセラミックス」又は「通常使用権者」という。)であり、(株)エービーシーセラミックスは、(株)エービーシー商会から通常使用権の許諾を受けて、本件商標を上記商品に業務上使用していた。

(2)本件商標を使用した商品「軽量骨材・セメントをベースにしたタイル」は、本件取消請求の対象である「コンクリートタイル、セメントモルタル製タイル」に含まれる。

仮に、それが「コンクリートタイル、セメントモルタル製タイル」に含まれないとされたとしても、使用商品は、「軽量骨材・セメントをベースにしたタイル」であるから、「これら(コンクリートタイル、セメントモルタル製タイル)に類似する商品」の範疇に属することは明白である。

被請求人は、上記の使用事実を示す書類として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。

(ア)乙第1号証は、(株)エービーシーセラミックスが作成し、平成17年9月及びそれ以降に社外に配布した営業用チラシ(広告の一種)であり、商品「軽量骨材・セメントをベースにしたタイル」について、本件商標「ナチュラタイル」が使用されている。

(a)詳細にいえば、当該チラシは、本件商標「ナチュラタイル」に関するチラシであり、それは本件商標「ナチュラタイル」(包括商品商標)を使用した製品シリーズ中の「エルドラードストーン&エルドラードブリック」(個別商品商標)(タイル)に関するものである。

(b)該チラシの文中に示されているように、石積み(ストーン)や古煉瓦(ブリック)の自然な風合いを、軽量骨材・セメントをベースに特殊技術を用いて、よりリアルに再現したタイルが本件商標の使用対象商品である。

(c)このことから、本件商標が使用された商品は、「軽量骨材・セメントをベースにしたタイル」であることは明白である。

また、該チラシ中の写真は、当該タイルで施工した建築物を示したものである。

(イ)乙第2号証の1及び2は、乙第1号証のチラシの配布を受けた事実を証する証明書である。

(a)乙第2号証の1は、ゼンテリア(株)(本社:東京都千代田区永田町2−12−14)が(株)エービーシー商会から販促用ツールとして上記チラシの配布を受け、当該チラシを平成17年9月〜平成18年1月に、業務上社外に配布した事実を証明するものである。

(b)乙第2号証の2は、上記(a)と同様に、(会社)スポット(本社:渋谷区代々木1−47−17、代表者葦澤明敏)が(株)エービーシーセラミックスから上記チラシの配布を受け、当該チラシを平成17年9月〜12月に、業務上社外に配布した事実を証明するものである。

(ウ)乙第3号証の1及び2は、乙第1号証のチラシの配布に伴う営業活動の一部を示す「サンプル依頼書」(写)、「サンプル出荷のお願い書」(写)である。

(a)乙第3号証の1は、乙第2号証の1のとおりに営業用チラシを受け取り、それを配布したことの営業活動を示す書面であり、ゼンテリア(株)の営業所(新宿区四谷1−5新四谷駅前ビル)の社員である學之 徹氏から(株)エービーシーセラミックスに発注したサンプル依頼書である。

(b)乙第3号証の2は、上記と同様に、スポットの葦澤氏から(株)エービーシーセラミックスに宛てたチラシ記載以外(別色など)の現物サンプルについてのサンプル出荷のお願い書である。

(3)上記のとおり、(株)エービーシー商会は、上記(株)エービーシーセラミックスに本件商標の使用を許諾しており、(株)エービーシーセラミックスは、本件商標を平成17年9月及びそれ以降、商品「軽量骨材・セメントをベースにしたタイル」すなわち「コンクリートタイル、セメントモルタル製タイル及びこれらに類似する商品」に使用しているから、本件商標は、商標法第50条の規定により取り消されるべきではなく、本件審判請求には理由がない。

(4)平成19年3月27日付けの上申書

被請求人は、平成19年3月27日付けで、本件商標に係る指定商品中の「コンクリートタイル、セメントモルタル製タイル」について、商標権の一部放棄による一部抹消登録申請書を提出したので上申する。

4 当審の判断

(1)被請求人は、上記3(4)に記載のとおり、第19類に属する指定商品中の「コンクリートタイル,セメントモルタル製タイル」について、一部放棄による一部抹消登録の申請をした旨上申しており、それにより本件審判請求は成り立たない旨の審決がなされることを暗黙裡に期待したものと解されるが、本件取消請求に係る指定商品は、第19類「コンクリートタイル,セメントモルタル製タイル及びこれらに類似する商品」であって、これは「コンクリートタイル,セメントモルタル製タイル」のみに限定されているものでない。

そうすると、たとえ、本件取消請求に係る指定商品中の「コンクリートタイル,セメントモルタル製タイル」について、一部放棄による一部抹消登録がなされていても、本件審判請求の予告登録日(平成18年10月17日)後になされた一部放棄による一部抹消登録(同19年4月9日登録)の効力は、該登録日から将来に向けて発生しても、本件審判請求の予告登録日に遡及するものではない。

したがって、被請求人は、本件審判請求の予告登録日前3年以内に日本国内において、本件取消請求に係る指定商品「コンクリートタイル,セメントモルタル製タイル及びこれらに類似する商品」のいずれかについて、本件商標の使用をしていることを証明し又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、商標法第50条の規定により、その登録の取消しは免れない。

そこで、以下、被請求人提出の乙各号証について検討する。

(2)被請求人(商標権者)である(株)エービーシー商会は、その子会社であって、通常使用権者の(株)エービーシーセラミックスが商品「軽量骨材・セメントをベースにしたタイル」すなわち「コンクリートタイル、セメントモルタル製タイル及びこれらに類似する商品」について、本件商標「ナチュラタイル」を平成17年9月及びそれ以降、業務上使用した旨主張している。

その根拠として、被請求人が提出した壁装材としての記載がある乙第1号証は、通常使用権者が作成し、平成17年9月及びそれ以降、業務上社外へ配布されたものと推認されるところ、たとえ、当該チラシに本件商標が表示されており、該チラシ中に「石積み(ストーン)や古煉瓦(ブリック)の自然な風合いを、軽量骨材・セメントをベースに特殊技術を用いて、よりリアルに再現した。」という文面があるとしても、請求人提出の甲第1号証及び甲第2号証(通常使用権者及びゼンテリア(株)の各ホームページ)や甲第3号証(財団法人建設物価調査会発行の雑誌「建設物価」2006年3月号)の記述よりすれば、通常使用権者及びゼンテリア(株)がそれぞれ開設しているホームページ上では、本件商標「ナチュラタイル」は、商品「軽量骨材・セメントをベースにしたタイル」すなわち「コンクリートタイル、セメントモルタル製タイル及びこれらに類似する商品」ないしは「エルドラードストーン及びエルドラードブリック」に使用された事実は見当たらず、むしろ、本件商標が取消請求に係る商品と全く異なる商品「建築用天然石材」又は「建築用石材天然大理石」に使用されていたことが認められる。

上記事実のほか、一般的な事業活動において、全く異なる商品に同じ商標が使用されるとは解し難いとの請求人主張の妥当性等を勘案すると、被請求人提出の乙第1号証は、本件商標が取消請求に係る商品について現実に使用されたことの信憑性に乏しい。

(3)さらに、被請求人は、通常使用権者が乙第1号証の営業用チラシを平成17年9月及びそれ以降、業務上社外へ配布したと主張するとともに、それを証明する証拠として乙第2号証を提出しているが、該チラシの配布を受けたというゼンテリア(株)及びスポットと被請求人及び通常使用権者との関係を明らかにした証拠はない。

また、通常使用権者から乙第1号証の配布を受けたと被請求人が主張するゼンテリア(株)は、被請求人の100%子会社である(甲第2号証)ことから、スポットも被請求人や通常使用権者とどのような関係にあるのか定かではないが、請求人主張によれば、スポットもまたゼンテリア(株)と同様に、被請求人や通常使用権者と取引関係を有する者であると推測し得る。

そのような状況下で、被請求人は、本件取消請求に係る指定商品中の「コンクリートタイル,セメントモルタル製タイル」の登録を一部放棄により一部抹消登録をした。

それに加え、通常使用権者からゼンテリア(株)及びスポットが乙第1号証の営業用チラシの配布を受けた証明書(乙第2号証の1及び2)というものは、全く同じ文面の画一的な内容の証明書であるところ、被請求人の子会社のゼンテリア(株)の代表者又はスポットの代表者のいずれもが、それぞれ証明書に記名捺印しているものの、捺印された印は、代表者印でなく社印であり、通常、証明書に証明者である代表者の印でなく社印を押すことはあり得ないとの請求人の主張は、至極当然である。

また、ゼンテリア(株)とスポットの代表者が、いかなる根拠により、当該証明書に記載の内容を確認し、その上で代表者印でなく社印を捺印し、併せて記名したのかは皆目不明であり、乙第2号証もまた本件商標が使用された事実を客観的に裏付ける証拠として認めるには足りないものといわざるを得ない。

それにもかかわらず、被請求人は、乙第2号証の1によりゼンテリア(株)が、また、乙第2号証の2によりスポットが、いずれも通常使用権者から乙第1号証の配布を受け、前者は平成17年9月〜平成18年1月に、また、後者は平成17年9月〜12月に、それぞれ業務上社外に配布した旨主張している。

しかしながら、被請求人の主張では、ゼンテリア(株)とスポットが通常使用権者から乙第1号証の配布を受けた年月日が全く不明であり、その配布が実際にあったことすら証明されていないために、甚だ信憑性に乏しい。

しかも、乙第2号証には、「同時に」という記載があるところ、一般的な事業活動を考えれば、ゼンテリア(株)とスポットが通常使用権者から乙第1号証の営業用チラシの配布を受けると同時に、業務上社外に配布することなどは考えられない。

そして、被請求人は、通常使用権者が乙第1号証を作成し、被請求人や通常使用権者と関係を有しない第三者に対し、該乙第1号証をいつ配布したかについて客観的に裏付ける証拠を提出して証明すべきところ、その提出はなく、当該事実は何ら明らかにされていないとの請求人主張に対し、被請求人は、実質的に応えるところがない。

したがって、乙第1号証及び乙第2号証をもってしては、被請求人が本件商標を使用した事実を認めることはできない。

(4)被請求人の主張によれば、乙第3号証は、乙第1号証の配布に伴う営業活動の一部を示す「サンプル依頼書」(乙第3号証の1)及び「サンプル出荷のお願い書」(乙第3号証の2)というものであるが、これらはいずれもFAX文書であるところ、該文書を通常使用権者が受領したのであれば、当然、該文書の外枠部分にFAX通信の日時等を示す表示がある筈にもかかわらず、当該通信日時の記載が乙第3号証にないことは、明らかに不自然であり、こうしたワープロ等による文書の類いは、後日、どのようにでも作成し得る。

仮に、乙第3号証が真正なものであったとすれば、サンプルを当然出荷している以上、その事実を示す出荷書、納品書等を提出すべきであるし、本件商標を使用した商品の注文等が、被請求人や通常使用権者と何らの関係もない第三者からあって然るべきにもかかわらず、乙第2号証と同様に、被請求人や通常使用権者と関係のある者による証拠しか提出されていない。

したがって、乙第3号証もまた、被請求人が本件商標を使用していた事実を客観的に裏付けるに足りる証拠ということはできない。

(5)むすび

以上のとおり、被請求人提出の乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号を含む。)をもってしては、被請求人又は通常使用権者が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件取消請求に係る指定商品「コンクリートタイル,セメントモルタル製タイル及びこれらに類似する商品」について、本件商標を使用した事実を認めることができず、また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。

したがって、本件商標の指定商品中、第19類「コンクリートタイル,セメントモルタル製タイル及びこれらに類似する商品」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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