Trademark Appeal Case
称呼の類似性と近似母音
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−1572(T2006−1572/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ラシーヌ」の文字を書してなり、第3類「化粧品」を指定商品として、平成16年8月5日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3360778号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成7年4月4日に登録出願、第3類「香料類,化粧品」を指定商品として、同9年11月21日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり、「ラシーヌ」の文字を書してなるものであるから、「ラシーヌ」の称呼を生ずるものである。
他方、引用商標は、別掲のとおり「La−Chaine」の欧文字と「ラシェーヌ」の片仮名文字よりなるものであるところ、下段の片仮名文字が上段の欧文字の読みを特定したものとして認識され、フランス語の欧文字綴りであっても無理なく称呼し得るものであり、また、下段の「ラシェーヌ」の語頭の「ラ」の文字と語尾部の「ーヌ」の文字がわずかに太字で表されているとしても、全体として一連一体に表されているものであるから、引用商標よりは「ラシェーヌ」の称呼を生ずるというのが相当である。
請求人は、引用商標は、上段の仏語の定冠詞「La」の存在により称呼上「ラ」と「シェ」にアクセントがおかれ、むしろ、「ラ」が仏語の冠詞であるから「シェ」よりも明瞭にアクセントが置かれる旨主張しているが、語頭音の「ラ」が称呼識別上重要な要素を占めることから、明瞭に発音、聴取されることは認められるとしても、片仮名文字が併記されている引用商標にあって、常に仏語の発音方法に倣い極端に「ラ」を強調し、間を置いて「シェ」の音が発音するとは認め難いから、この点に関する請求人の主張は採用し難い。
また、請求人は、本件商標と引用商標は、その構成中に長音を有することから、長音は、前音に吸収され、前者の「イ」(i)の称呼音及び後者の「エ」(e)の称呼音が長く発音される旨主張されているが、前者の「シ」(sh+i)の音と後者の「シェ」(sh+e)は、長音と結合することにより、前者は「シー」(shi+i)、後者は「シェー」(she+e)の二重母音(複母音)を形成する都合上、前音に吸収され通常より短く発音されるものと認められる。
そこで、本願商標から生ずる「ラシーヌ」の称呼と引用商標から生ずる「ラシェーヌ」の称呼とを比較するに、両称呼は、語頭音の「ラ」、第3音の長音「ー」及び第4音の「ヌ」の各音を同じくし、第2音において「シ」と「シェ」の音に差異を有するものである。
該差異音「シ」と「シェ」の音についてみれば、両音は、無声摩擦子音(sh)を共通にする音で、前者は該子音(sh)と母音(i)と、後者は、無声摩擦子音(sh)と母音(e)とが結合した音であり、また、母音(i)と(e)も近似音であることから、聴感上それぞれの(二重)母音が子音に吸収され「シ」に近い音のように聴取されるものであって、両者を一連に称呼するときは、音感、音調が近似したものとなり、互いに聞き誤らせるおそれがあるというのが相当である。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できず、外観における差異を考慮しても、なお称呼において互いに紛らわしく、両者はその出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標であるといわざるを得ない。
また、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似するものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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