1 本願商標
本願商標は、「クロワ」及び「CROIX」の文字を上下二段に横書きしてなり、第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として平成18年3月14日に登録出願、その後、指定商品については、同年9月25日提出の手続補正書により、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」に減縮補正されたものである。
2 引用商標
原審において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4311865号商標(以下「引用商標」という。)は、「ST.CROIX」の文字(標準文字)を横書きしてなり、平成10年9月29日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を指定商品として同11年9月3日に設定登録されたものである。
3 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標が引用商標と称呼上類似し、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定・判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「クロワ」及び「CROIX」の文字を上下二段に横書きしてなるから、該構成文字に相応して「クロワ」の称呼を生ずる。
これに対し、引用商標は、上記2のとおり、「ST.CROIX」の文字を横書きしてなるところ、その構成各文字は、外観上まとまりよく一体的に表されており、これより生ずると認められる「セントクロイクス」又は「セントクロワ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、前半の「ST.」の文字は、「聖人、聖者」を意味する英語「saint」の省略形であって、「セント」と称呼され、しばしば人名に冠して用いられる「St.」の大文字と解すのが自然であるから、これが、例えば、商品の型式、品番、規格等を表示する記号、符号として容易に認識し、把握されるものとは認め難いところである。
そうすると、取引の実際にあっては、かかる構成よりなる引用商標中、前半部の「ST.」の文字部分を省略して、後半部の「CROIX」の文字部分のみが独立して認識され、該文字に相応して「クロワ」の称呼のみが生ずると見るべき特段の事情は見出せない。
むしろ、引用商標は、その構成全体をもって一体不可分のものとして認識し、把握され、これより生ずる「セントクロイクス」又は「セントクロワ」の称呼をもって取引に資されるものというべきであるから、それらの一連の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。
したがって、引用商標から単に「クロワ」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本願商標と引用商標とが称呼上類似するから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。