結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−31086(T2006−31086/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2167490号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和62年9月2日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成1年9月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)請求理由
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者によって使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項により取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)証拠について
乙第1号証(写真)には、撮影日、撮影場所が明記されていないので証明力が弱い。また、被請求人は、乙第1号証に「ボンフリーマン株式会社」が表示されていると主張するが、この表示は確認することができず、これが被請求人の商品であると特定することはできない。
被請求人は、乙第4号証により、商標の使用者及び使用時期を証明するとしているが、乙第4号証に記載された、「但し ズボン、ジャケット代金として」の記載は、いかなる商標が使用された商品(ズボン、ジャケット)であるのか明らかでない。
(イ)使用に係る商標について
乙第1号証によれば、本件商標の指定商品に含まれる商品「ズボン」のウエスト部内側に、「GAM」の文字が表されたタグが縫いつけられていることが確認でき、また、乙第2号証及び乙第3号証の各伝票にあっては、「品名」欄に「ズボン(GAM)」、「ジャケット(GAM)」が記載されていることが確認できるから、乙第1号証ないし乙第3号証により、一応「GAM」の商標(以下「使用商標」という。)が使用されていることは確認できる。
しかしながら、本件商標は、片仮名文字「ジャム」と欧文字「GAM」とを2段書きにした態様であって、欧文字「GAM」のみの態様ではないから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものではない。
すなわち、本件商標の主たる称呼は、片仮名文字で特定された「ジャム」である。一方、使用商標は、「GAM」のみの構成よりなるものであるから、これより生ずる自然の称呼は、「ガム」又は「ギャム」というべきであり、欧文字3文字を羅列したものと理解された場合には、「ジーエイエム」と発音されることとなり、使用商標からは、通常「ジャム」の称呼が生じることはないのである。
また、本件商標は、片仮名文字より「果物に砂糖を加えて煮詰めた保存食品(ジャム)」の観念を生じる場合があるのに対し、使用商標からは、食品「ジャム」の観念が生ずることもない。
したがって、使用商標は、本件商標とは称呼及び観念を共通にするものではない。
(ウ)以上のとおりであるから、本件商標は、本件審判の請求の登録日より過去3年以内に使用されておらず、その登録は、取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
(1)使用の事実
以下に述べるとおり、本件商標の通常使用権者である「ボンフリーマン株式会社」は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る「被服」について、本件商標を使用している。
(ア)商標の使用者
乙第1号証(写真)には、「ボンフリーマン株式会社」が、乙第2号証(仕切書控)、乙第3号証(請求書控)及び乙第4号証(領収書控)には 、「ボンフリーマン株式会社」、「東京都港区新橋3丁目4番8号」が表示されている。
(イ)使用に係る商品
乙第1号証は、指定商品中の「被服」であり、乙第2号証の「品名」欄には、請求に係る指定商品中の「被服」が記載され、乙第3号証の「品名」欄には、乙第2号証に記載された製品名が記載されている。
(ウ)使用商標
乙第1号証には、本件商標ネームがある。乙第2号証及び乙第3号証の「品名」欄には本件商標が記載されている。
(エ)使用時期
乙第2号証には、「納品日 平成16年2月19日」と記載され、乙第3号証には、「請求日 平成16年3月1日」と記載されている。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により指定商品中の「被服」について使用されたことが明らかであるから、請求人の主張は理由がない。
(1)乙第1号証ないし乙第4号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)乙第1号証は、ズボンの写真と認められるところ、そのウエスト部分の内側には、「GAM」の文字が表示された織りネームが付されている。しかし、写真は、全体的に不鮮明であるため、「ボンフリーマン株式会社」の文字は確認することができない。
(イ)乙第2号証は、東京都港区新橋3−4−8に所在のボンフリーマン株式会社(以下「ボンフリーマン」という。)がエスエス有限会社(以下「エスエス」という。)に宛てた平成16年2月19日付け「仕切書控」(エスエスの宛名の下に「下記の通り納品しました」旨記載のある伝票)であるところ、その「品名」欄には、「マーク」の異なる5種のズボン及び2種のジャケットの合計7種の商品が記載されており、そのうち、3種のズボンには、「(GAM)」の、また、1種のジャケットには「(GAM)」の記載があり、商品全ての合計金額は、310800円である。
(ウ)乙第3号証は、ボンフリーマンがエスエスに宛てた平成16年3月1日付け「請求書控」であるところ、その記載内容は、乙第2号証(仕切書控)と同一である。
(エ)乙第4号証は、ボンフリーマンがエスエスに宛てた平成16年5月6日付け「領収書控」であるところ、その金額は、「¥310,800」であり、「金種/金額」欄の下には、「但し、ズボン、ジャケット代金として」の記載がある。
(2)前記(1)で認定した事実を総合すると、本件商標の商標権者と認められるボンフリーマンは、本件審判の請求の登録前3年以内である平成16年2月19日に、その取引先であるエスエスに対し、「GAM」の商標を付したズボン及びジャケットを納品し、その代金を平成16年5月6日に受け取ったことが推認される。
(3)そこで、ズボン及びジャケットに使用された使用商標(GAM)が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であるか否かについて検討する。
(ア)本件商標は、別掲のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の「GAM」の文字部分は、その上段に書された「ジャム」の文字部分に比べ、かなり大きく表され、看者の注意を強く引く部分であるばかりでなく、「GAM」の文字部分に接する需要者は、一般的には、これを「ガム」と称呼するか、あるいは、わが国においてもよく知られている英語「gamble」を「ギャンブル」と発音する例に倣い、「ギャム」と称呼する場合が多いとみるのが相当である。
そうすると、本件商標中、独立して把握、認識される「GAM」の文字部分より生ずる自然の称呼は、「ガム」若しくは「ギャム」ということができるから、上段に小さく書された「ジャム」は、「GAM」の称呼を特定したものとみることはできず、したがって、「GAM」と「ジャム」とは、常に一体のものとして認識されるものではない。
してみれば、本件商標は、顕著に書された「GAM」の文字部分より「ガム」若しくは「ギャム」の称呼を生ずるものであって、これらの称呼のほか、「ジャム」の文字部分より「ジャム」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
(イ)使用商標「GAM」は、上記(ア)で認定したとおり、これより生ずる自然の称呼は、「ガム」若しくは「ギャム」と認められる。
(ウ)そうすると、使用商標は、本件商標と「ガム」若しくは「ギャム」の称呼を同じくするばかりでなく、「GAM」の有する観念(「鯨の群れ、足(特に女の)」等:甲第2号証)をも同じくする商標というべきである。
したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(4)請求人の主張について
請求人は、乙第1号証について、撮影日、撮影場所が明記されていないので証明力が弱く、また、「ボンフリーマン株式会社」の文字が確認できないから、これが被請求人の商品であると特定することはできない旨主張し、さらに、乙第4号証に記載された「ズボン、ジャケット代金として」は、これがいかなる商標が使用された商品であるのか明らかでないから、使用の事実を証明したことにはならない旨主張する。
しかし、前記認定のとおり、乙第1号証(写真)からは、請求に係る指定商品中の「ズボン」に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標が付されていることを確認することができるのであり、これに加え、品名や商品の合計金額などが一致し、その取引の日にちからみて、一連の取引とみるに何ら不自然なところがない乙第2号証ないし乙第4号証を総合すれば、使用商標が付されたズボン及びジャケットが本件審判の請求の登録前3年以内に、商標権者により市場において取引に資されたことが十分に推認できるというべきである。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(5)むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定商品中の「ズボン、ジャケット」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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