sokuhyo

Trademark Appeal Case

ジェットヒーターの記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−13468(T2006−13468/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ジェットヒーター」の片仮名文字と「JET HEATER」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、第11類「暖房装置」を指定商品として、平成17年8月4日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における平成18年3月20日付け手続補正書により、第11類「燃料噴射式温風暖房装置」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『ジェットヒーター』及び『JET HEATER』の文字を二段に横書きしてなるところ、『JET』の文字部分は、『噴射式の』の意味合いを、『HEAER』の文字部分は、『暖房器具』の意味合いを表したものと認められ、全体として『噴射式の暖房器具』の意味合いを理解、認識させるから、これをその指定商品中、『噴射式の暖房装置』に使用するときは、単に商品の品質、機能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。さらに、出願人が提出したいずれの証拠によっても、本願商標が使用により自他商品識別標識としての機能を有するに至っているとは認められないから、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、「ジェットヒーター」と「JET HEATER」の文字よりなるところ、上段の片仮名文字は、下段の欧文字の表音を表したものと容易に理解できるものである。そして、その構成中「JET」の文字は、「噴射、噴射式の」を、また、「HEATER」の文字は「加熱器、暖房装置、ヒーター」を意味する語として、いずれもよく知られた語であるから、構成文字全体で「噴射式暖房装置」程の意味合いを容易に認識させるとみるのが相当である。

そして、最近の暖房器具には、燃料を素早く燃焼させたり、あるいは、強い電熱で、あっという間に温めた空気を、温風として一気に吹き出させ、短時間で室内等を温めることができる暖房器(装置)が販売されている実情ある。

このことは、原審において請求人(出願人)が平成18年3月20日付けで提出した意見書において、「本願商標は、昭和63年から『噴射式の温風暖房装置』に使用している」旨の記載があるほか、例えば、「三菱重工ニュース(2001年9月20日発行第3944号)」のホームページ(http://72.14.235.104/search?q=cache:HL9njCOfxq4J:www.mhi.co.jp/news/sec1/010920.html+%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%88%E6%9A%96%E6%88%BF&hl=ja&ct=clnk&cd=1)には、「スイッチオンから1分で温風、3分で設定温度に/ジェット暖房の新ビーバーエアコンS/Dシリーズ6機種を発売」の見出しのもと、「三菱重工業は、寒い日にすぐ暖まりたいというニーズにこたえてスピード暖房を重視し、スイッチオンから1分で温風を吹き出し、わずか3分で7°Cのお部屋を20°Cに達するジェット暖房機能をもつビーバーエアコン6機種を完成しました。」の記載からも窺うことができる。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、それを構成する「JET」と「HEATER」の各単語の語義から前記意味合いを有する複合語とみて、単に商品の品質、機能を表示したにすぎないものと認識し把握するとみるのが相当である。

なお、商標法第3条第1項第3号は、取引者・需要者に指定商品の品質を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)商標法第3条第2項の要件を具備するかについて

請求人(出願人)は、当審において前記のとおり指定商品を補正し、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するものである旨主張し、甲第1号証ないし甲第22号証を提出している。

請求人(出願人)は、審判請求書において「商標登録の取消審判についての商標法第50条第1項の規定する登録商標に『(書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生じる商標(中略)当該登録商標と社会通念上同一と認められるものを含む)』と規定されていることを引用して、請求人の使用する商標は甲第4号証に示す商標と同一と判断されるべきである」と主張している。

しかしながら、商標法第3条第2項の趣旨は、特定人が当該商標をその業務に係る商品の自他識別標識として他人に使用されることなく永年独占排他的に継続使用した実績を有する場合には、当該商標は例外的に自他商品識別力を獲得したものということができる上に、当該商品の取引界において当該特定人の独占使用が事実上容認されている以上、他の事業者に対してその使用の機会を開放しておかなければならない公益性の要請は薄いということができるから、当該商標の登録を認めようというものであると解される。その要件を具備するためには、使用商標は、出願商標と同一であることを要し、出願商標と類似のもの〔例えば、文字商標において書体が異なるもの)を含まないと解すべきである。〔平成18年(行ケ)10054号 知財高裁 平成18年6月12日判決〕

それゆえに、商標法第3条第2項の適用を受け、使用により識別力を有するに至った商標として登録が認められるのは、使用により識別力を有するに至った商標と同一の商標及びその商標を使用していた商品と同一の商品に関する場合のみであって、また、商標が使用により識別力を有するに至ったかどうかは、例えば、(a) 実際に使用している商標並びに商品、(b) 使用開始時期、(c) 使用期間、(d) 生産、証明若しくは譲渡の数量又は営業の規模(店舗数、営業地域売上高等)、(e) 広告宣伝の方法、回数及び内容等の事実を総合勘案して判断するものである。

そこで、請求人の提出した証拠に基づき、本願商標が、同法の要件を具備するか否かにつき検討するに、これらの証拠中に掲載されている商標は、いずれも前記1のとおりの構成よりなる本願商標とは構成態様が相違するものである。そして、ほかに本願商標の具体的な使用等に関する証拠資料の提出はない。

してみれば、請求人(出願人)の提出したいずれの証拠によっても、本願商標と同一の態様からなる商標が、請求人の出所を表示する自他商品識別標識として機能していると認め得る事実を見出せないことから、本願商標は、その指定商品について長年にわたって使用した結果、取引者・需要者間において請求人の商標として認知されるに至ったものとは認められない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものと認めることはできない。

(3)まとめ

以上、(1)及び(2)のとおりであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、同法第3条第2項の要件を具備しないものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。