Trademark Appeal Case
歴史的人名商標の要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−19637(T2006−19637/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「軍師山本勘助」の文字を標準文字で表してなり、第14類「貴金属,キーホルダー,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製針箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製コンパクト,貴金属製靴飾り,時計,貴金属製喫煙用具」及び第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として、平成17年10月19日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第4890005号商標(以下「引用商標」という。)は、「山本勘助」の文字を標準文字で表してなり、平成17年2月8日に登録出願、第30類「穀物の加工品」を指定商品として、同年8月26日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「軍師山本勘助」の文字よりなるところ、その構成中、後半部分の「山本勘助」の文字は、「戦国時代の武将・兵法家。三河の人。独眼で隻脚といわれ、「甲陽軍鑑」によると、軍略に長じ、武田信玄の参謀をつとめ、川中島の戦に戦死したという。( 〜1561?)」(広辞苑第五版 株式会社岩波書店)を表す人名である。
また、「北杜市産業観光部 観光課」のホームページ(http://www.hokuto-kanko.jp/furinkazan/kansuke.html)において、「NHK大河ドラマにもなった井上靖の歴史小説「風林火山」は、名将武田信玄が篤い信頼を寄せた天才軍師・山本勘助を主人公として物語が繰り広げられる。勘助の活躍を伝える江戸時代の軍学書「甲陽軍鑑」では、武田家の軍師とされ、武芸、城取、築城に優れ、小諸城や川中島合戦場の海津城などの縄張り(設計)を行ったという。」の記載、及び、「株式会社 慧文社」のホームページ(http://www.keibunsha.jp/books/9784905849759.html)における「山本勘助「兵法秘伝書」」の紹介記事において、「NHK大河ドラマで今話題! 戦国最強と云われる甲斐軍を築きあげた武田信玄の名軍師「山本勘助」の遺したと伝わる、武術全般の奥義を説く幻の兵法書。・・・山本勘助(1493年?〜1561年?)戦国時代の武将・兵法家。明応二年(1493)三河の生まれと伝える。・・・武田信玄の伝説的軍師として、甲斐流兵法の祖といわれる。」との記載が認められる。
そうすると、本願商標は、歴史上の人物の氏名「山本勘助」の文字に、これを形容する語である「道鬼」の文字を冠したにすぎないものと認められるから、「軍師」の文字と「山本勘助」の文字の間には、自ずから、主従、軽重の差が存し、自他商品の識別標識として、特に看者の注意を惹く部分は、「山本勘助」の文字にあるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標からは、「グンシヤマモトカンスケ」(武田家の軍司であった山本勘助)の称呼及び観念のほか、単に「ヤマモトカンスケ」(山本勘助)の称呼及び観念を生ずるというべきである。
他方、引用商標は、「山本勘助」の文字に相応して「ヤマモトカンスケ」(山本勘助)の称呼、観念を生ずること明らかである。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは、「ヤマモトカンスケ」(山本勘助)の称呼及び観念を共通にするものであり、さらに、「山本勘助」の文字部分における構成文字を同一にするものであるから、両商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であるといわざるを得ず、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品を含むものである。
なお、請求人(出願人)は、過去の登録例に照らしても、本願商標は、人名とそれを修飾する語とが密接に関連しており、かつ、一連不可分に称呼されるものである旨主張しているが、本願商標と引用商標は、いずれも、その構成文字より、歴史上の人物「山本勘助」を印象、記憶、連想されるものであり、両者から生ずる称呼及び観念も共通するものであるから、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であること、上述の通りである。そして、出願された商標と引用商標との類否判断は、該商標の構成態様と指定商品又は指定役務とに基づいて、個別具体的に判断されるものであり、請求人の指摘する登録例の存することをもって、本願商標と引用商標との非類似を裏付けることはできないから、上記、請求人の主張は、いずれも、採用することはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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