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Trademark Appeal Case

「カラー」の品質表示性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−10880(T2004−10880/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「カラー」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年4月30日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、当審における同16年8月4日付け手続補正書において、第5類「歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,衛生又は生理用パンティーライナー,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,医療用腕環,失禁用ナプキン,失禁用パッド,失禁用パンツ,失禁用ライナー,失禁用おしめ,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,防虫紙」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、『カラー』の文字を普通に用いられる方法で書してなるが、これは、『色、色彩』等を意味する語として広く一般に使用され親しまれているものであり、本願の指定商品中、例えば『薬剤,カプセル』との関係においては、色彩を施すことにより、他の薬との識別性を持たせたり、誤飲の防止の他、カプセルの色が薬剤の治療効果に与える心理的影響もあると言われている。また、『生理用パンティ』との関係においては、同一の商品に何種類かのカラーを採用することは、需要者の商品選択の一つとして、当該業界において一般に認められ、商品の色彩を表示する語として、多種多様の商品について使用されていることが見受けられることより、これを本願指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、『色彩のついた商品』であると理解するに止まり、単に商品の品質等を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「カラー」の文字よりなるものであるところ、本願の指定商品を取り扱う業界に限らず、各種商品の販売にあたっては、消費者の志向やニーズに応えるため、あるいは、商品の区別や識別等を目的として、商品に色彩が施されることは、一般に広く行われているところであり、これらの商品に接する取引者、需要者は、「カラー」の文字に接した場合、商品との関係において、「色。色彩。着色。」(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)の意味を表した語であると理解し、当該商品は、色彩が施された商品、着色された商品であることを認識するとみるのが相当である。

そして、これを本願の指定商品についてみると、例えば、以下の新聞記事情報、あるいは、インターネットのホームページの情報により、商品の色、あるいは、着色、彩色されたもの程の意味合いを表すものとして使用されていることを窺い知ることができる。

(1)「カプスゲル・ジャパン、酸素透過率1/10分の植物由来カラーカプセル開発」(2006.09.15 日刊工業新聞)の見出しのもと「カプスゲル・ジャパン(神奈川県相模原市、・・・・)は14日、医薬品や健康食品向けの植物由来カラーハードカプセルを開発したと発表した。15日発売する。動物由来カプセルに抵抗感を持ち、製品外観面で差別化を図りたい顧客ニーズを取り込む。」の記載。

(2)「中日本カプセル株式会社」のホームページにおいて「ハードカプセルの種類 ・・・・皮膜 : ゼラチン(豚由来)、植物由来(プルラン、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース))その他カラーカプセル(天然色素)」(http://www.nakanihon-cap.co.jp/introduction/hard.html)の記載。

(3)「クオリカプス株式会社」のホームページにおい「カプセルショールーム・・・カラーバリエーション タール色素、天然色素、酸化チタンにより多彩な色調のカプセルをつくることができる。このカラーは、ゼラチンカプセルのカラー見本です。」の記載。(http://www.qualicaps.co.jp/capsule2.htm)

(4)「ケンコーコム株式会社」のホームページにおいて「キズリバテープ カラータイプ 3色20枚 商品説明・・・カラーは、蛍光ピンク、蛍光イエロー、蛍光グリーンの3色。目立たせたい時などにぴったりです。」(http://www.kenko.com/product/item/itm_7522253072.html)の記載。

(5)「株式会社ワコールホールディングス」のホームぺージにおいて「生理用ショーツ CYX・157J \2,310 <ビギナータイプ>[特許出願中]●サイズ : J2S、JS、JM●カラー : サックス、ピンク」「http://www.wacoal.co.jp/products/junior/seiri/index.html」の記載。

(6)「花王株式会社」のホームぺージにおいて「ロリエ アクティブガード おでかけモード ベーシックショーツ Mサイズ・・・カラーはシルキーモカ。」(http://www3.kao.co.jp/laurier/lre_active_out_00.html)の記載。

(7)「有限会社ティー・オー・ピー府中店」のホームぺージにおいて「介護用品」に「安心パンツ 100 (S〜Mサイズ)パッド不要の失禁用パンツ。 カラー:表示色のみ」(http://www.t-o-p.co.jp/)の記載。

(8)「自立さわやかパンツ・軽失禁対応パンツ」の見出しのもと「自立さわやか(ブリーフ型)330 カラー ホワイト・キャメル」(http://www.h3.dion.ne.jp/~humemura/newpage66.htm)等の記載。

(9)「(有)ファッションハウス シマネヤ」のホームぺージにおいて「失禁パンツ・・・カラー 白・・・ピーチ」(http://www2u.biglobe.ne.jp/~shimane/kaigo/pantu1a.htm)の記載。

(10)「BABY HEARTS」の見出しのもと「吸収パッド ナプキン用3枚入・・・カラー:キナリ・ピンク」(http://babyhearts.jp/?pid=876219)の記載。

これらの事実より、カプセル、生理用ショーツ、失禁用パンツ等において、「カラー」の文字は、色彩を施したもの、あるいは、材質やサイズ等とともに商品の色及びその種類を表示するものとして一般に使用されていることが認められる。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品中「カプセル,生理用パンティ」等について使用しても、これに接する需要者等をして、自他商品の識別標識として把握するものであるとみるよりは、当該商品が彩色されたものであること、又は、色が選択できる商品であることを表示したものとして理解するものであって、単に商品の品質を表示したものと理解するに止まり、かつ、前記文字に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるといわざるを得ない。

なお、請求人(出願人)は、過去の審決例を挙げて、本願商標がその指定商品について、商品が色つきの商品であることを表示するために出願人以外の不特定多数の当業者により使用されている事実は発見できなかった。有体物である以上色彩を有するのは当然であることからして、「カラー」の文字が、ある特定の色彩が施されていることを指称することにはならないものであり、また、「カラー」の文字からは、「色、色彩」、「顔色、有色人種、外見、個性」の他、「襟」、「海芋(サトイモ科の多年草)」、スイスの科学者「カラー」等の多様な意味を想起し得るものであるから、直ちに「色彩の付いた商品」を想起することはない旨主張している。

しかしながら、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、同号に列挙されている商標は、商品(役務)の内容に関わるものであるために、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を有しないことが多く、また、これを特定人に独占させることは適切でないために登録することができないものと解される。

そうすると、たとえ、「カラー」の文字が多様な意味を有する語であるとしても、本願商標は、その指定商品との関係において、これに接する取引者、需要者をして、商品の品質を表示したものとして理解するに止まると判断するのが相当であること、上述のとおりである。そして、仮に同様の表示を他人が使用していないとしても、前記の趣旨からして特定人に独占させることは適切ではないものであるというべきである。

また、商標登録出願に係る商標が上記条項に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品等の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた審決例の存在によってその認定は左右されないというべきであるから、上記、請求人のいずれの主張も認めることはできない。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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