Trademark Appeal Case
複合商標の要部抽出と称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−18095(T2006−18095/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第29類「魚介類を主材としたハンバーグ,いか及び帆立を主材としたハンバーグ」を指定商品として、平成17年9月29日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2721178号商標(以下「引用商標」という。)は、「大地」の文字を横書きしてなり、平成3年12月10日登録出願、第32類に属する登録原簿記載の商品を指定商品として、同9年5月2日に設定登録され、その後、存続期間の更新登録がなされ、同19年4月11日に指定商品を、第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」、第30類「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす」、第31類「食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽」及び第32類「飲料用野菜ジュース」とする、指定商品の書換登録がなされたものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「冷凍保存」の赤色文字を縦書きした赤枠矩形と、白色枠線を縁に配した赤色半楕円形を背景に、いかと帆立を表したものと看取される図形、その下部に、書体及び文字の大きさを異にする「大地の」及び「いか・帆立ハンバーグ」の文字を二段に書した構成からなるものである。
ところで、本願商標の構成中「冷凍保存」の文字は、「人為的に凍結して、そのままの状態を保って失わないこと」を理解させるものであり、また、同じく「いか・帆立ハンバーグ」の文字は、指定商品との関係において、「いかと帆立を使用したハンバーグステーキ」程の意味合いを理解させるものであって、いずれも、本願指定商品の原材料・品質を表示するものとして自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
そして、構成中の図形部分は、いかと帆立を描いたものと容易に認識させるものであって、「いか・帆立ハンバーグ」の文字部分との観念上の結びつきから、商品の原材料を表したものと看取される場合もあり、該文字部分と図形部分は、その表現する内容に関連性があるものの、本願商標の文字部分と図形部分が、常に一体のものとしてのみ把握しなければならない格別の事情も見当たらないものである。
また、本願商標構成中の「大地の」及び「いか・帆立ハンバーグ」の文字部分は、背景の赤色に対して文字の輪郭を白色で囲んで表され、文字が際立って印象づけられるものであるから、構成中の文字部分が、図形に埋没して一体不可分のものとして把握されるとみるよりは、本願商標は、その構成中「大地のいか・帆立ハンバーグ」の文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を有するものであるとみるのが相当である。
そうすると、該構成文字中、下段の「いか・帆立ハンバーグ」の文字は、これに接する需要者等をして、単に商品の原材料・品質を表示するにすぎないと理解されるものであるから、上段の「大地の」の文字部分のみを捉えて取引に当たる場合も決して少なくないものであり、かつ、該文字部分における「の」の文字は、所有、所属等を表す「格助詞」であることよりすれば、本願商標は、その余の「大地」の文字部分も、それ自体、独立して、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るというべきである。
してみれば、本願商標は、「大地のいか・帆立ハンバーグ」の文字部分より生ずる「ダイチノイカホタテハンバーグ」の称呼のほかに、その構成中の「大地」の文字に相応して、単に「ダイチ」の称呼をも生ずるものであり、「人間や万物をはぐくむものとしての土地」(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)の観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、上記2のとおり、「大地」の文字を書してなるものであるから、これより、「ダイチ」の称呼が生ずること明らかであり、「人間や万物をはぐくむものとしての土地」の観念を生ずるものである。
したがって、本願商標と引用商標とは、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「大地」の文字から生ずる称呼及び観念を共通にし、その文字部分における外観においても類似するものであるから、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であるといわざるを得ず、かつ、引用商標の指定商品には、本願商標の指定商品と同一又は類似する商品を含むものである。
なお、請求人(出願人)は、「本願商標構成中の『大地の』と『いか・帆立ハンバーグ』の文字は、二段に表してなるものの、図形上にまとまりよく一体的に表してなるものであって、『ダイチノイカホタテハンバーグ』の称呼も特段冗長という程のものでもなく、一連によどみなく称呼し得るものであり、『大地』と『のいか・帆立ハンバーグ』に分離して観察しなければならない特段の事情も存在せず、本願商標と引用商標とは非類似である。」旨主張するとともに、過去の登録例を挙げている。
しかしながら、本願商標の構成中、「大地の」の文字及び「いか・帆立ハンバーグ」の文字は、それぞれが上下二段に異なる書体により表されているものであるから、外観上分離して看取されるものである。更に「いか・帆立ハンバーグ」の文字は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであって、本願商標は、その構成中の「大地」の文字部分が、独立して商品の出所識別標識としての機能を果たすものであるとみるのが相当であること、上述のとおりである。
そして、商標の類否判断は、個別具体的に判断されるべきであるところ、上記のとおり本願商標と引用商標とが類似するものである以上、請求人の主張は、いずれも、採用することができない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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