Trademark Appeal Case
論点抽出失敗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−65044(T2006−65044/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「EASY PEEL」の欧文字を書してなり、第6類、第16類及び第20類に属する商品を指定商品として、2003(平成15年)年6月25日を事後指定日とするものである。その後、指定商品については、2005(平成17年)5月27日提出の手続補正書により、第6類「Bottle caps of metal,boxes of common metal,containers made of metal[strage,transport],sealing caps of metal.」、第16類「Packaging material made of plastic,included in this class.」及び第20類「Packaging containers made of plastic.」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、内容物が漏れにくく、開封時は開けやすい蓋材の性質を表す『EASY PEEL』の文字を書してなるものであるから、これをその指定商品中『Packaging containers made of plastic.』(プラスチック製の包装用容器)について使用しても『内容物が漏れ難く開封時は開け易いプラスチック製の包装用容器』であることを認識させるものであり、上記以外の商品について使用するときには、その商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同第16号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶たしものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成上記のとおり、「EASY PEEL」の文字を書してなるものであるところ、構成中、「EASY」の語は、「容易な,やさしい,簡単な」の意味を有する英語であり、「PEEL」の語は、「〈野菜・果物など〉の皮をむく」、「〈木の皮などを〉はぐ,はがす」、「〈衣服などを〉脱ぐ,脱がす」等の意味を有する英語と認められる(「研究社 新英和大辞典」株式会社研究社刊)。
しかして、上記それぞれの意味を有する両文字を連結した「EASY PEEL」を片仮名文字で表した「イージーピール」の語が、その指定商品中、プラスチック製の包装用容器あるいは同包装材料等の商品分野においては、「簡単に手であく,簡単に開封できる」といった意味合いをもって、その商品(蓋材等)の品質(機能)を表す語として普通に使用されていることは、原審における査定時に補足して引用した、岸本産業株式会社のホームページ(同ホームページ上の包装用語辞典「http://www.kisco−net.co.jp/infini−reve/dic/dic_a.html」)、株式会社ソロカップジャパンのホームページ(http://www.solocupap.com/seihin/prasu/prasu.html)、日本食糧新聞社の1997年11月12日付けの新聞記事において示したところであり、また、当審における調査によっても、以下の新聞記事情報及びインターネットホームページ(624件ヒット)等により、これを裏付けることができる。
(1)1987年4月30日版「日経流通新聞」9ページ
「フルーツデザート国分が四種類発売。」の見出しのもと、「国分は五月一日から、ミカンと黄桃、パインミカン、甘夏柑の四種のフルーツデザート=写真=を全国で発売する。商品名は「KOKUBUフルーツデザート」。フタを切らずに一回で開けられるイージーピールを採用した透明カップ入り。内容量は一人用デザートとして適当な分量の百五十五グラム。標準小売価格は一個百九十円。」、との記事が掲載されている。
(2)1987年6月18日版「日経流通新聞」14ページ
「サンヨー堂、透明カップ入りのフルーツデザート。」の見出しのもと、「食品卸のサンヨー堂(本社東京、社長鈴木定範氏)はこのほどモモやフルーツみつ豆などを透明カップに入れたデザート「サンヨー・フルーツコンポ」=写真=を新発売した。従来の缶詰のイメージを変えたとしており、簡単に手であくイージーピールを採用している。モモ、フルーツみつ豆、パインみかん、杏仁(きょうにん)、ゼリーの五種類あり一個二百円。」、との記事が掲載されている。
(3)1992年8月11日版「日経産業新聞」12ページ
「ハウス食品工業、ハヤシライスソース味、容器ともに刷新。」の見出しのもと、「ハウス食品工業は八月下旬、販売中のハヤシライスソースの味、容器を刷新する。即席ハヤシライス市場は牛肉とタマネギさえあれば簡単に作れることなどから若い主婦を中心に売れ行きが伸びている。同社によると九一年の市場規模は三十八億円で、九〇年の二十五億円を五〇%あまり上回る伸びを示した。よりおいしく、使いやすい商品で、売り上げ増を狙う。同社が販売しているのは「ハウスバーモントハヤシ」。デミグラスソースのコクを一層深め、ベースにしているトマト味も酸味を生かしながら、口当たりをなめらかにした。また、容器には、手で引っぱるだけでフタがはがせるイージーピール機能を採用し、ルウを取り出しやすいように改良したほか、調理を便利にするため、ルウそのものも割りやすくした。百二十グラム入りで価格は百六十五円。」、との記事が掲載されている。
(4)2003年1月31日版「日本食糧新聞」
「Hard&Soft1月特集:2002年ここまで来た技術革新小袋包装機」の見出しのもと、「小袋包装において、開けづらい・切り口が見つからないなど、よく耳にするケースがある。マジックカットはその要望に応えた画期的な方法であるが、世に登場以来すでに十数年の間、さらなる革新的包装形態は出ていない。今後高齢化福祉社会に向け、供給者としてユニバーサルデザインという観点から、包装設計に注力された商品が望まれている。異質のシーラント材からなる、イージーピール(易開封性包装)は、カップシールや容器成形包装では一般的であるが、いまだ開けやすさという点ではまだ改良の余地は十分にある物といえよう。さらに、小袋包装におけるイージーピールの供給は、まだ始まったばかりである。充填段階では流動体のもので、包装後に経時変化や放熱などで固まるもの、冷却やボイルにより固形化する製品が対象の新包装システムがEPACK(イーパック)である。」、との記事が掲載されている。
(5)www.j−film.co.jp/vmx.htm【ジェイフィルム株式会社】
「ジェイフィルムのイージーピールフィルムのご紹介」の見出しのもと、
「VMXフィルムは三菱化学が長年蓄積したポリマー改良技術、ポリマー複合化技術を応用して、新たに開発した特殊機能ポリマーアロイ「VMX(マルR)」を使用し、ジェイフィルムの高度なフィルム加工技術、品質管理技術を駆使して製造したイージーピールシーラントです。」、
「ホットメルト代替紙 容器用イージーピールシーラント『PY−3000・PY−4000』のご紹介
◆従来の紙PE容器用イージーピールシーラントを改良しました。
◆段差埋まり、封緘強度、完全シール化防止機能等を改良しました。
◆封緘強度は乳等省令の規程をクリアー出来ます。
◆使用例・・・ヨーグルト・スナック・学校給食用ゼリー・プリン等、
との記載がある。
(6)www.mcc−spd.com/product/vmx/vmx_youto.html【三菱化学】
「イージーピール性樹脂VMX用途例」の見出しのもと、「VMXの用途イージーピールシーラント材(プラスチック容器のフタ、紙PE容器のフタ、面々シール等)、電線用材料(外部半導電層フリーストリップ材等)、各種改質材」用途例、イージーピール/マーガリン、イージーピール/ヨーグルトの記載とともに、それぞれの食品が封入された包装用容器の写真が掲載されている。
(7)www.sumibe.co.jp/products/03_33_a.html【住友ベークライト株式会社】
「食品包装用共押出多層フィルム・シート(スミライト(マルR)CEL)」の見出しのもと、「お菓子、デザート、レトルト食品、乳製品、などのカップやトレー、また缶詰代替品などの各種容器に適した硬質多層複合シートです。
・優れた酸素ガス遮断性、成形性、透明性、イージーピール性に加え、ボイル殺菌、レトルト殺菌、電子レンジにも対応する耐熱性を保持
・食品衛生規格「厚生省告示第370号」にも適合、との記載がある。
(8)http://www.cmcbooks.co.jp/books/t0499.php【シーエムシー出版】
「最新 食品用機能性包材の開発と応用」と題した書籍のなかで、
「第8章 易開封性(イージーピール)(武石一路)
1.はじめに
2.イージーピール性シーラント材
2.1 種類と市場動向
2.2 シーラント材の組成
2.3 剥離機構
2.4 剥離タイプごとの特徴
2.5 剥離強度と剥離感
3.イージーピールフィルム
3.1 用途
3.2 フィルムの選定
3.3 イージーピールフィルムの開発動向
3.3.1「ソフト」ピール化イージーピールフィルム
3.3.2 食品の衛生性へ配慮したイージーピールフィルム
3.3.3 A−PET容器用イージーピールフィルム
4 おわりに、
との記事が掲載されている。
(9)http://www.bellegreenwise.co.jp/challenge/2_1.htm【株式会社ベルグリーンワイズ】
「さらに便利!さらに快適に!:イージーピール.」の見出しのもと、「当社では、A−PET・OPSカップ容器用に対して、剥離強度での地道なテストを繰り返し、低温でヒートシールされ、滑らかな剥離挙動をする最適なフィルムを製造しました。」との記載とともに、食品を入れた商品のイメージ画像が掲載されている。
(10)http://www.sumitomo−chem.co.jp/cgi−bin/research/list.cgi?mode=list&year=2003&number=01
【住友化学】
「住友化学」の題号の書籍のなかで、「機能性包装材料の開発−イージーピールフィルム」の見出しのもと、「バリアフリーの社会のニーズは包装材料の分野においても、誰にも簡単に開封できる「イージーピールフィルム」の高度成長市場をもたらした。これに対し、当社は高度な材料設計技術と押出加工技術を応用して、機能性フィルム「アシスト」を開発し、住化プラスチック(株)で製造・販売を行っている。イージーピール性の発現機構は「材料の破壊制御技術」であるが、本稿では顧客ニーズに迅速に対応できる材料設計法や、製品性能などについて紹介する。」との記事が掲載されている。
(11)www.akamatsu.com/seihin/seihin_【赤松化成工業株式会社】
「〜時代はYKP〜豆腐容器」の見出しのもと「イージーピール性に優れています.開封時に内容物の飛散を防止できます。小ロットでも柔軟に対応します.1c/sよりご注文を承ります。お問い合わせは販売店までご連絡ください。」との記載とともに、豆腐の容器の写真が掲載されている。
(12)http://www.mdp.jp/cmps/cmps_top.html【三井・デュポン ポリケミカル株式会社】
「各種容器・基材に対するイージーピール(イージーオープン)に適した樹脂はありますか?」とのA&Qのなかで、「CMPSは優れたピールオープン性を発揮することから、カップめんやプリン、ゼリー等各種プラスチック容器の蓋のシーラント材として広く使われています。また、多様な材料に低温でのヒートシールが可能です。ホームページ内の製品紹介に代表的な銘柄と物性を掲載しております。対象となる基材やシール強度等ご要望に応じた銘柄を紹介いたしますので、詳細はお問い合わせください。」との回答があり、「1.イージーオープン・ピールオープンの蓋材」の記事のなかで、「OPP/PE/CMPS、PET/PE/CMPS、紙/PE/Al/CMPSなどの構成で、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニールなどの射出成形容器・真空成形容器の蓋材として使用されます。例:プリン、ゼリー、チョコレート、スナック、みつ豆、惣菜、即席カップラーメン、バター、チーズ、ジャム、マヨネーズ。」の記事とともに、カップ入りラーメン、カップ入りそば等の商品の写真が掲載されている。
(13)www.nippoltd.co.jp/syokuhin.html−【ニッポー株式会社 食品容器分野】
「食品トレー」の紹介のなかで、「豆腐容器.新鮮さとヘルシーなイメージを演出する当容器については、充填豆腐タイプ、カット豆腐タイプを各種取り揃えており、中でもEPタイプ(イージーピールタイプ)は特に好評です。」の記事とともに、商品の写真が掲載されている。
(14)http://www.toyobo.co.jp/seihin/seikei/kinou_pet/pet_con02.html【東洋紡】
「『C−PET』の特徴」の見出しのもと、「トップシールが対応可能(新開発シーラント)この度、「C−PET」容器にベストマッチングする蓋材を開発し、シール物分野(レトルト容器)への展開も可能となりました。新開発のシーラントには以下の特長があります。
・優れたシール性能(広い条件で確実に密封)
・安定したイージーピール性
・優れた耐熱性(125°Cのレトルト処理に十分耐え得る)
・優れた耐油性・酸素バリア性・保香性
との記事が掲載されている。
上記のとおり、本願商標を構成する文字(「EASY PEEL」)の意味合い、及び、その指定商品の分野における商品取引の実情を総合勘案すれば、本願商標は、これをその指定商品中「Packaging containers made of plastic.」(プラスチック製包装用容器)や「Packaging material made of plastic.」(プラスチック製包装材料)について使用した場合、これに接する者は、単に、その商品が開封時に開け易いプラスチック製の包装用容器あるいは同包装材料であることを認識、理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、これを、指定商品中、上記以外の商品について使用した場合には、あたかも、その商品が開封時に開け易いプラスチック製の包装用容器あるいは同包装材料であるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
なお、請求人(出願人)は、本願商標は「果物などの皮を簡単にむくこと」程の意味合いを有するにすぎないものであり、これと離れた「商品の内容物が漏れ難く開封時は開け易い」の意味を需要者、取引者が認識、理解することはないと主張しているが、確かに、両文字よりはそれぞれの語彙からみて、請求人の主張する上記意味合いを認識させる場合のあること否定するところではないが、そうであるからといって、そのことが、本願商標をその指定商品との関係でみた場合、商品取引界の実情からして、少なくとも「開封時に開け易い」との意味合いを表す商品の品質を表示した語と認識、理解させることの妨げとなるものとはいえないものである。
また、請求人(出願人)は、本願商標は諸外国において既に10年前に国際登録日が付与された国際登録であるとして、その登録性について種々述べるところあるが、本願商標の判断は上記のとおりであるから、これを採用の限りでない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は妥当であって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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