結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2006−90326(T2006−90326/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4943754号商標(以下「本件商標」という。)は、「POLONATE」の文字を標準文字で表してなり、平成17年9月15日に登録出願、第12類「荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,動力伝導装置,緩衝器,ばね,制動装置,落下傘,乗物用盗難警報機,車いす,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),エアクッション艇,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」を指定商品として、同18年4月7日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第600030号商標の2(以下「引用商標」という。)は、「POLO」の文字を横書きしてなり、昭和36年5月12日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同37年10月29日に設定登録された登録第600030号商標の指定商品中の「自動車、自動車の部品及び附属品(自動車のタイヤ、チューブを除く)」についての商標権を分割移転(同63年5月30日登録)したものであり、その後、指定商品については、平成15年11月5日に、第12類「自動車並びにその部品及び附属品(自動車のタイヤ・チューブを除く)」とする指定商品の書換登録がされている。
申立人は、登録異議の申立の理由を要旨以下のように述べ、その証拠として甲第1号証ないし甲第24号証を提出している。
(1)本件商標は「POLONATE」の文字よりなり「ポロネート」及び「ポロナテ」の称呼が生ずるほか、全体として一体的な何らかの観念を生じない造語よりなるものであり、構成中の「POLO」と「NATE」の間に特別な結びつきがないことよりすれば、「POLO」の文字部分より申立人の提供する自動車「POLO」の観念が生ずるから「ポロ」の称呼も生ずる。
一方、引用商標は「POLO」の文字よりなり「ポロ」の称呼が生ずる。
してみれば、本件商標と引用商標とは、「ポロ」の称呼を共通にする類似の商標であるといえる。
また、本件商標の指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品」は、引用商標の指定商品と同一又は類似である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)申立人は、ドイツを本拠地とする自動車メーカーとして世界的に著名であり、日本の輸入車市場ではトップシュアとなるほど広く普及している。
そして、1975年から、小型ハッチバック型の自動車について「POLO」商標の使用を開始し、これまでに870万台以上が生産され、欧州で高い評価を受けたのみならず、日本への輸入車販売台数で常に上位に位置するほど知名度が高い。
さらに、申立人は、他の自動車メーカーと同様に、自動車のみならず、自動車と二輪自動車を融合したハイブリッド車両等も開発している。
以上のことからすれば、本件商標の指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品」以外の商品について本件商標が使用された場合にも、取引者、需要者は申立人の商品であると誤認し、或いは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の商品であると誤認し、商品の出所について混同するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
商標権者は、乙第1号証ないし乙第8号証を提出し、引用商標が申立人の製造、販売に係る商品「自動車」を表示するものとして、本件商標の登録出願時に商品「自動車」の需要者の間で広く認識されていたことは、否定しないが、「二輪自動車・自転車並びにその部品及び附属品」の需要者の間で、引用商標が広く認識されていたとは、各甲号証よりは認められない。
そして、本件商標「POLONATE」は、構成全体をもって親しまれた意味合いを有しているとは言い難いが、無機化学物質の「ポロニウム酸」の意を有する既成語であり、一体性がある。
また、引用商標「POLO」は、「ポロ競技」等を意味する語として、我が国においてもよく知られた既成語であることからすれば、現実に使用されている商品の範囲を超えてまで、申立人の周知著名性を認めることはできない。
なお、甲第16号証には自転車が、甲第17号証には「車とバイク(自動二輪車)のハイブリッド」車両を開発した旨の記載があるが、いずれにも引用商標は使用されていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「自転車並びにその部品及び附属品」については、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではない。
本件商標は、前記1のとおり、「POLONATE」の文字よりなるものであるところ、申立人の提出に係る甲第3号証の1及び2、甲第4号証の1ないし甲第6号証の2、甲第9号証、甲第12号証、甲第16号証及び甲第17号証によれば、以下の(1)から(3)事実が認められる。
(1)申立人は、世界有数の自動車でメーカーであり、申立人の製造する自動車は、2003年度ないし2005年度の日本における輸入車市場でトップシェアであったこと。
(2)引用商標は、1975年に発売された申立人の製造、販売に係る自動車に使用され、以来今日に至るまで継続して使用されていること。
(3)引用商標を使用した自動車の日本への本格的な輸入は、1996年8月であり、2003年1月から12月までの販売台数は、13,825台、2004年1月から12月までの販売台数は、11,990台、2005年1月から12月までの販売台数は、11,452台であって、輸入車の販売台数順位で上位に位置していたことなどが認められ、本件商標の登録出願前より、外国車を紹介する雑誌やインターネット上に紹介されていたこと。
以上の認定した事実によれば、引用商標は、申立人の製造、販売に係る自動車を表示するためのものとして、本件商標の登録出願時には、この種商品の需要者の間で広く認識されていたものと認め得るところである。
そして、本件商標は、前記のとおり、「POLONATE」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、構成全体をもって親しまれた意味合いを有するものではない。そして、本件商標中の「POLO」の文字部分は、「ポロ競技」等を意味するものとして、わが国においてよく知られているばかりでなく、申立人の業務に係る商品「自動車」について使用され、著名となっている引用商標と同一の綴り字よりなるものである。
そうすると、本件商標に接する需要者は、その構成中の「POLO」の文字部分に強く印象づけられ、記憶するものとみるのが相当である。
また、本件商標の指定商品中には、引用商標が使用される「自動車並びにその部品及び附属品」を含むものである。
してみれば、本件商標をその指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品」について使用した場合は、その需要者は、引用商標を想起又は連想し、本件商標を使用した上記商品を申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標といわなければならない。
なお、商標権者は、本件商標「POLONATE」の語は、無機化学物質の「ポロニウム酸」の意を有する既成語であり一体性があると主張するが、「POLONATE」及び「ポロニウム酸」の語が、本件商標の指定商品の生産者、流通業者、需要者等に広く知られているとの証左の提出もなく、また、「ポロニウム酸」の語は、我が国の代表的な国語辞典である株式会社岩波書店発行の「広辞苑第五版」にも掲載がないものであり、該語が商標権者主張の意を有するとしても、この理由のみからでは常に一体性がある語と認識されるとの主張を認めることはできない。
以上検討したとおり、本件商標の登録は、その指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品」について、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
しかしながら、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、同法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではなく、取り消すべき理由がないものであるから、同法第43条の3第4項の規定により、登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。