結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2006−90359(T2006−90359/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4946658号商標(以下「本件商標」という。)は、「NITTO」の文字を標準文字で表してなり、平成17年9月27日に登録出願、第12類「自動車の部品及び附属品」を指定商品として、同18年3月22日登録査定、同年4月21日に設定登録されたものである。
(1)登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の引用する登録第4378888号商標(以下「引用商標A」という。)は、「NITTO DENKO」の欧文字を書してなり、平成11年4月9日に登録出願、第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,車いす,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,動力伝導装置,緩衝器,ばね,制動装置,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報器,落下傘」を指定商品として、同12年4月21日に設定登録されたものである。
(2)申立人の引用する登録第451266号商標(以下「引用商標B」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和27年5月30日に登録出願、第20類「自転車及びその部分品、その他本類に属する商品」を指定商品として、同29年9月10日に設定登録、その後、四回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、平成17年8月17日に指定商品を第12類「自転車並びにそれらの部品及び付属品」とする指定商品の書換登録がされ、その後、商標登録の取消し審判により、指定商品中の「自転車のタイヤ、自転車のチューブ」について取り消すべき旨の審決がされ、同19年4月18日にその確定審決の登録がされたものである。
(以下、「引用商標A」及び「引用商標B」をまとめて「引用各商標」という。)。
本件商標は、その構成文字に相応して「ニットー」の称呼を生ずる。他方、引用商標Aは、「NITTO」の文字部分より、引用商標Bは、その構成中の欧文字部分「NITTO」及び漢字部分「日東」のいずれの部分より、「ニットー」の称呼が生ずるから、本件商標と引用各商標とは、「ニットー」の称呼を共通にする類似の商標であり、また、本件商標の指定商品と引用商標Aの指定商品中の「自動車並びにその部品及び附属品」とは同一の商品を含むものであり、さらに、本件商標の指定商品中「自動車のタイヤおよびチューブ」と引用商標Bの指定商品中の「自転車のタイヤおよびチューブ」は類似する商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきものである。
本件商標は、前記のとおり「NITTO」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「ニットー」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標Bは、別掲のとおり「NITTO」の文字と「日東」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「ニットー」の称呼を生ずること明らかである。
そして、本件商標の指定商品中「自動車のタイヤ,チューブ」と引用商標Bの指定商品中「自転車のタイヤ,チューブ」とは、生産部門、用途、需要者等を共通にする類似の商品と認められる。
してみれば、本件商標と引用商標Bとは、外観及び観念について考慮しても、称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中「自動車のタイヤ,チューブ」は、引用商標Bの指定商品中「自転車のタイヤ,チューブ」と類似する商品と認められる。
したがって、本件商標は、その指定商品中「自動車のタイヤ,チューブ」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(1)本件商標は、「NITTO」の欧文字を書してなるものであって、その構成文字どおり「ニットー」の称呼が生ずるものである。
(2)これに対し、引用商標Bは「NITTO」の欧文字を横書きし、該欧文字の中央下方に「日東」 の漢字2字を縦書きしてなるものである。このように引用商標Bは、いずれも「ニットー」の称呼が生じる横書き「NITTO」と縦書き「日東」とを組み合わせた特殊な態様をなすものであるから、該商標からは「ニットーニットー」という称呼が生じるとみるのが自然であり、むしろこのように構成したことにより単なる「ニットー」の称呼が生じることを排除しているものというべきである。
商標の文字部分が識別力の弱い言葉よりなる商標において、これを図案化して識別力を高めたような場合には、その図案要素を含めて称呼することが一般的であると思われる。そうすると、引用商標Bを構成する「NITTO」及び「日東」の各文字及びこれらの文字から生ずる「ニットー」の称呼は、社名の一部や商標の一部に多用されていることから、決して識別力の強いものとは言い難いものである。してみると、引用商標Bは「ニットーニットー」という称呼が生ずるところに特徴があり、「ニットー」の称呼は生じないといわざるを得ない。
(3)両商標を比較すると、外観において本件商標と引用商標Bとは明確に相違し、その外観上の相違により、本件商標からは「ニットー」の称呼が生じ、引用商標Bからは「ニットーニットー」の称呼が生ずるものであるから、両商標は、明瞭に聴別し得て聴感相紛れるおそれのない称呼上非類似の商標であるといわざるを得ない。観念においては、本件商標及び引用商標Bは、いずれも特定の意味合いを想起させない造語であることから、観念上非類似の商標であること明白である。
(4)以上のとおり、本件商標と引用商標Bは、外観において明確に相違しており、称呼においても十分に聴別し得る差異を有し、観念においても類似しないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではなく、本件商標の登録が維持されるべきものである。
(1)本件商標と引用商標Aとの類否について
本件商標は、前記のとおり「NITTO」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「ニットー」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標Aは、「NITTO DENKO」の欧文字よりなるところ、構成各文字は、同じ大きさ、同じ書体で外観上まとまりよく一体的に表されていて、これより生ずると認められる「ニットーデンコー」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであり、また、引用商標Aを構成する文字よりは商標権者の名称の略称を表したものともいい得るから、本件商標は、その構成文字全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが相当である。
そうすると、引用商標Aは、その構成文字に相応して「ニットーデンコー」の称呼のみを生ずるものと認められるから、引用商標Aより、単に「ニットー」の称呼をも生ずるとし、その上で、本件商標と引用商標Aとが称呼において類似するものであるとする申立人の主張は、採用することができない。
その他、本件商標と引用商標Aとを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
してみれば、本件商標と引用商標Aとは、外観、称呼、観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
(2)本件商標と引用商標Bとの類否について
引用商標Bは、「NITTO」の欧文字を横書きし、該欧文字の中央下方に「日東」の漢字2字を縦書きしてなるから、外観上、互いに筆記の方向を異にしているので、明らかに独立して把握される態様からなること、相互に何ら共通性を有しないことから、これらを一体のものと把握しなければならない特別な理由があるということもできないことから、「NITTO」の欧文字又は「日東」の漢字も独立して自他商品識別力を有するとみるのが相当である。
してみると、引用商標Bは、それらの構成に相応して、「ニットー」の称呼を生ずるものである
そして、本件商標の指定商品中「自動車のタイヤ,チューブ」と引用商標Bの指定商品中「自転車のタイヤ,チューブ」とは、生産部門、用途、需要者等を共通にする類似の商品と認められる。
してみれば、本件商標と引用商標Bとは、外観及び観念について考慮しても、称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中「自動車のタイヤ,チューブ」は、引用商標Bの指定商品中の「自転車のタイヤ,チューブ」と類似する商品と認められる。
したがって、本件商標は、その指定商品中「自動車のタイヤ,チューブ」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
なお、商標権者は、引用商標Bは、「ニットーニットー」の称呼を生ずるところに特徴があり、「ニットー」の称呼は生じない旨述べている。
しかしながら、引用商標Bから「ニットーニットー」の称呼を生ずるとする取引の実情が存在するという証左もないし、引用商標Bは、その構成からして、「横書きと縦書き」が相俟って親しまれた観念を想起し得るものともいい難いことから、商標権者の主張はむしろ不自然であって、前記のとおり、本件商標と引用商標Bは、「ニットー」の称呼を生じるとみるのが自然である。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中「自動車のタイヤ,チューブ」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
しかしながら、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、同法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではなく、取り消すべき理由がないものであるから、同法第43条の3第4項の規定により、登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。