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Trademark Appeal Case

「WGN」の識別力と称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90565(T2006−90565/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4982881号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4982881号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成17年10月24日に登録出願、第30類「揚げパン」を指定商品として、同18年9月1日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号、同第7号、同第8号、同第10号、同第15号並びに同第19号に該当するから、同法第43条の3の規定により、その登録は取り消されるべきであると主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第28号証を提出している。

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号

本件商標の構成中、「malasada」の文字は、審査の過程において認定されているように「ハワイで売られている揚げパン」を指す商品名である。

そして、本件商標は、「WGN」の欧文字を付加したことにより、自他商品の識別力が認められたものと考えられる。

しかしながら、ハワイの揚げパン「malasada」は、甲第6号証ないし甲第9号証から明らかなように、ハワイにおいて、「ワゴン(WAGON)」売りや店頭売りの販売形態で販売されている。

そうすると、本件商標中の「WGN」の文字は、「WAGON」の略称であるから、「ハワイでワゴン売りをしているmalasada」を直ちに想起し、単に「商品の販売方法」を表示したに止まるものである。

また、上記以外の販売方法により、使用するときは、需要者をして商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。

(2)商標法第4条第1項第7号

後述するように、本件商標は、申立人がハワイ州において積極的に業務展開している「ワゴン販売形態で提供されるmalasada」に係る業務との混同を意図として出願されたものであり、米国で著名な申立人の商標の冒認出願に係るものである。

また、商標権者は、現にわが国において申立人の著名性をフリーライドした販売行為をしているから、これらの行為は、国際信義及び国際的商道徳に悖るもので、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある。

(3)商標法第4条第1項第8号

申立人の略称の「malasada」は、本件商標の登録出願前に既に著名化されており、本件商標は、かかる申立人に対して何らの承諾なくして登録されたものである。

(4)商標法第4条第1項第10号及び同第15号

本件商標と引用商標とは、商標が類似で指定商品も類似関係にあり、申立人の引用商標は、本件商標の登録出願前に既に米国ハワイにおいて著名化している。

すなわち、ハワイには日本人観光客が年間140万人も訪れる著名な観光地であり、申立人の引用商標及びその商品がわが国に喧伝されている実態が

あるから、引用商標は、わが国においても周知化しているのである。

また、かかる状況において、わが国の需要者が商標権者の移動販売車をみたときは、需要者は、商標権者と申立人とは経済的又は組織的に何らかの関係があるものと誤認し、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

(5)商標法第4条第1項第19号

本件商標中の「malasada」の文字の大きさが「WGN」の文字より圧倒的に大きく、また、前述のように、「WGN」の文字は商品の販売方法にすぎないから、本件商標中の「malasada」と引用商標とは、共に「マラサダ」と発音され、称呼上類似する。

申立人の「ミスター・マラサダ・インコーポレーテッド」は、自己の所有に係る「MR.MALASADA」の欧文字を横書きしてなり、平成10年10月26日に登録出願され、第30類「パン類、コーヒー」を指定商品として、同12年8月8日に登録された米国商標登録第2376053号商標(以下「引用商標」という。)を引用する。該引用商標は、米国で著名な商標である。

したがって、本件商標は、著名な引用商標と類似し、かつ、本件商標は引用商標の著名性にフリーライドするものであり、不正の目的をもって出願されたものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について

本件商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、申立人より提出された甲各号証によれば、申立人とその姉妹会社レナード ベーカリー インコーポレーテッドは、ハワイ州で「malasada(マラサダ)」と指称される「砂糖をまぶした揚げパン」を販売していることが認められる。

しかしながら、甲各号証からは、本件商標の構成中の「WGN」の文字が「ワゴン売り」(販売方法)を表示するものとする証左はなく、該「WGN」の文字が他に自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとする証拠を見出すことはできなかった。

そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても商品の販売方法、品質等を普通に用いられる方法で表示したものとはいえないし、また、商品の販売方法、品質等について誤認を生ずるおそれがあるということもできないから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するということはできない。

(2)商標法第4条第1項第7号及び同第8号について

本件商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、又は差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形からなるものでないことは明らかである。

また、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会ひいては国際信義に反するものでなく、さらに、他の法律によってその使用が禁止されているなど、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものとは認められない。

また、後述のとおり、本件商標中の「malasada」の文字が、申立人の著名な略称と認めることもできないから、本件商標は、他人の著名な略称を含む商標ということもできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第8号には該当しないというべきである。

(3)商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号について

本件商標の構成中、「malasada」の文字(語)は、ハワイ州で販売されていることで知られている「砂糖をまぶした揚げパン」を指称する語と認められ、かつ、申立人も申立の理由中で「ハワイにおいて『malasada』を製造販売するべーカリーショップは、申立人以外にも数店存在するが、...」と述べている。

また、本件商標が申立人の使用する引用商標と構成文字を共通にするところがあるとしても、引用商標「MR.MALASADA」が本件商標の登録出願前に我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとする証拠は何ら提出されていない。

してみれば、引用商標「malasada」の文字が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標ということはできないから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しないものである。

また、引用商標が周知、著名と認められない以上、本件商標をその指定商品に使用しても、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるということもできないから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

さらに、引用商標は、周知、著名と認められないこと上記のとおりであって、かつ、商標権者が本件商標を採択使用する行為に不正の目的があったということも認められないから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号にも該当しないものである。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第15号、同第16号並びに同第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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